労働条件通知書の記載方法
いつも参考にさせていただいております。
建設業を経営しているのですが、労働条件通知書の記載方法で悩んでおります。
所定労働時間を7.5時間にすれば、年間休日88日でよいと聞きましたのでそのようにしようと思っております。
ただ実際には1日8時間労働が原則で、給料も8時間働いたものとして日給で支払おうと考えております。
このような場合はどの様に労働条件通知書に記載すればよろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/02 09:20 ID:QA-0157628
- くにひでさん
- 愛知県/その他業種(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 法律上の基本
所定労働時間は「労働契約上、毎日・毎週の労働者に課す労働時間」を指します。
1日8時間、週40時間が上限(労基法第32条)。
年間休日数は「週40時間を超えないように調整した結果」になります。
→ たとえば「所定労働時間7.5時間・年間休日88日」とした場合、トータルで週平均40時間以内に収まる設計になります。
2. ご質問の状況
書面上は「所定労働時間:7.5時間」で設計しようとされている。
ただし実務は「1日8時間勤務が原則」であり、賃金も日給(8時間相当分)で支払う予定。
このままでは以下の矛盾が生じます:
「所定労働時間 7.5時間」と書くと、8時間勤務をさせた日は30分分が「時間外労働」扱いとなってしまう。
しかし「日給=8時間分」で支給しているので、実際には時間外手当を別途支払っていないことになり、労基法違反リスクが出ます。
3. 実務に即した記載方法
(1) 原則どおり「所定労働時間:1日8時間」で記載する
最も整合的でリスクが少ない方法です。
年間休日数は105日程度必要(労基法週40時間制に合わせるため)。
(2) 年間休日を減らしたい場合
「所定労働時間:1日7.5時間」で設定し、休日を88日にすることは可能。
ただしこの場合、実際の勤務も1日7.5時間にしなければならない。
8時間勤務させるのであれば、残り30分は「時間外労働」として扱い、別途割増賃金が必要。
(3) 給与設計で調整する場合
例えば「日給=7.5時間分の賃金」とし、所定を超えて働いた30分は時間外割増で別途支給する。
これなら「所定7.5時間・休日88日」としても整合します。
4. 記載例(8時間勤務とする場合)
所定労働時間:1日8時間、週40時間(休憩1時間を除く)
所定休日:年間105日(週平均2日)
賃金:日給××円(1日8時間労働分)
5. 記載例(7.5時間勤務+休日88日とする場合)
所定労働時間:1日7時間30分、週37.5時間(休憩1時間を除く)
所定休日:年間88日
賃金:日給××円(1日7.5時間分)、所定を超える労働については割増賃金を支給
6.まとめ
実際に働かせる時間と賃金計算を一致させることが最重要です。
「所定7.5時間」としながら「実働8時間、日給は8時間分」だと不整合が生じます。
よって、
休日を105日程度に増やして所定8時間にするか、
所定7.5時間とし、8時間勤務させた場合は30分を時間外労働として割増支給するか、
どちらかで整合を取る必要があります。
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/09/02 15:28 ID:QA-0157646
相談者より
ありがとうございます。
大変参考になりました。
投稿日:2025/09/02 23:51 ID:QA-0157667大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
所定労働時間を7.5時間にすれば、年間休日88日でよいと聞きましたということですが、
1年単位の変形労働時間制をとっていますか?
いずれにしましても
実態にあわせて、労働契約書は作成してください。
投稿日:2025/09/02 16:19 ID:QA-0157652
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|実際には1日8時間労働が原則で、給料も8時間働いたものとして日給で支払おう
|と考えております。
上記が前提であれば、労働条件通知書も1日8時間、給与額も8時間分を
ご記載ください。故意に実態との乖離が生じる労働条件通知書を作成しますと、
労働条件内容を正しく明示していないとされ、法令リスクが生じます。
投稿日:2025/09/02 16:20 ID:QA-0157653
相談者より
ありがとうございます。
投稿日:2025/09/02 23:52 ID:QA-0157668大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働基準法
以下、回答いたします。
労働基準法第15条第2項、第3項との関係において、懸念されうると思われます。
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
2) 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
3) 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
投稿日:2025/09/03 05:54 ID:QA-0157675
相談者より
ありがとうございます。
投稿日:2025/09/03 11:43 ID:QA-0157700大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
所定労働時間を7.5時間にすれば、年間休日は88日でよいというのは、おそらく、1年単位の変形労働時間制を採用した場合の雇用形態を指しているものと思われます。
同変形労働時間制における、年間休日日数と労働日数・所定労働時間との関係は、うるう年(年366日)であれば、1日の所定労働時間を7時間30分とすれば年間の休日日数は88日(通常の年であれば87日)、労働日数は278日で年間所定労働時間は2085時間00分となり、法の定める範囲内に収まるというものです。
したがって、御社が1年単位の変形労働時間制を採用しているのであれば、それで問題はありません。
1日の所定労働時間7.5時間のところ、8時間働かせても違法ではございませんが、ただし、変形労働時間制であっても、週平均で40時間以内に収める必要はもちろんありますので、超えた時間は時間外労働となりますので、そこは注意が必要です。
週6日働けば48時間、単純に8時間の時間外労働が発生するということです
労働条件通知書には、「1日の所定労働時間は7.5時間。業務の都合その他の事情により、毎日30分の残業有り。」と記載しておけばよろしいでしょう。
投稿日:2025/09/03 10:54 ID:QA-0157692
プロフェッショナルからの回答
対応
書面上7.5時間、実際には定時で8時間勤務ということになれば、所定労働時間を偽装したことにもなり得ます。このような脱法的な対応はコンプライアンス上、避けなければなりません。
実質8時間勤務を、結果として8時間になったという経緯を証明するのは非常に難しいでしょう。
投稿日:2025/09/03 14:59 ID:QA-0157722
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、又聞きの話で対応される事は危険ですので、きちんと労働基準法で定められた法定労働時間及び法定休日が遵守された内容とする事が必要です。
その場合ですが、年間で考えるのではなく、
・所定労働時間は1日8時間、1週40時間以内に収める事
・休日は少なくとも週1回付与される事(起算日を特定された上で4週4休も可)
が必要とされます。
また実際の労働時間と剥離が有るような記載等は当然ながら避ける必要がございますが、実際には記載より少ない労働時間の勤務でかつ賃金も減らさないという事であれば労働者に有利な措置となりますので違法性は生じません。
投稿日:2025/09/03 23:03 ID:QA-0157757
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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