養育両立支援休暇の「1年につき10日以上」の考え方について
いつもお世話になっております。
養育両立支援休暇についてご教授願います。
本休暇は「1年につき10日以上」取得が必要ですが、厚生労働省資料の令和7年2月作成版の「育児・介護休業等に関する規則の規定例」には
======
第20条
1 3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員(対象従業員)は、柔軟な働き方を実現するために申し出ることにより、次のいずれか1つの措置を選択して利用することができる。
一 養育両立支援休暇
(略)
一 対象従業員は、子の養育を行うために、就業規則第◯条に規定する年次有給休暇とは別に、 1年間につき10日を限度として、養育両立支援休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日までの期間とする。
======
との記載があり、2点疑問が沸いております。
1)10日以上とあるが、規定で「10日を限度」として問題ないのでしょうか。
※仮にテレワーク等も導入した場合も1カ月につき10日を限度として問題ないのでしょうか。
2)子が3歳に到達した日から1年間で取るべきと考えていましたが、管理を容易にするため、その他休暇同様、出生日に限らず4月1日からの1年間で統一しても問題ないのでしょうか。
ご回答・ご説明いただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/05/19 14:49 ID:QA-0152513
- hsさん
- 富山県/情報処理・ソフトウェア(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.10日以上の制度であれば、問題ありませんので、
5日限度は問題がありますが、ぎりぎり10日限度でも問題はないということになります。
2.1年間は会社で基準日を決めて問題がないとしています。
3歳の誕生月からでも問題はありませんが、
小学校入学までですので、終わりが3/31となりますので、
年度で4/1~3/31とするケースが多いと言えるでしょう。
また、初年度については、誕生月により、付与日数を按分してもいいと
しています。
投稿日:2025/05/19 16:14 ID:QA-0152517
相談者より
ご回答ありがとうございます。
1、2とも記載事項いただいた事項を理解できました。
従業員ごとに養育両立支援休暇の10日取得の対象期間を管理するのが煩雑だと考えていたため、大変参考になりました。
投稿日:2025/05/20 08:56 ID:QA-0152542大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
1)「10日以上」 vs「10日を限度」→「10日を限度」としてもOK(努力義務の範囲内)
2)取得対象期間の起点→誕生日基準でなく、「4月1日~3月31日」など年度ベースでもOK
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 「10日以上」 vs 「10日を限度」について
(1) 結論:
「1年間につき10日を限度」として制度設計しても問題ありません。
(2) 解説:
背景と意図
養育両立支援休暇は、「こども未来戦略方針(令和5年6月策定)」などで提起された新たな休暇制度です。これは企業に対して 努力義務 として、従業員が仕事と育児を両立しやすくするような制度の導入を求めるものです。
「10日以上」の意味
政府が企業に求める 導入水準(目安) であり、法定の義務ではありません。
あくまで「有給で10日以上相当の休暇制度を導入するよう努めること」が努力義務の趣旨です。
よって、制度上「10日を限度」として規定しても差し支えありません。
実際、厚労省の「規定例」自体も「10日を限度」と明記しており、それが標準的な運用とみなされています。
(3) 補足:テレワークや時差勤務など複数の選択肢を提示している場合も、それぞれの制度に「1年につき10日まで」と上限を設けて構いません。労使協定等で弾力的に定めることも可能です。
2.「子が3歳に到達した日からの1年」 vs 「4月1日から翌3月31日までの1年」について
(1)結論:
「4月1日〜翌年3月31日」の年度ベースでの管理も、実務上問題ありません。
(2) 解説:
根拠と目的
法令でこの休暇の取得期間が「子の誕生日基準で開始しなければならない」と厳格に定められているわけではありません。厚生労働省の規定例でも、あえて「4月1日~3月31日の1年」を基本期間として記載しています。
(3)実務運用の考え方
年度ベースで統一することで、制度の管理や社内調整が容易になります。
他の休暇制度(夏季休暇やリフレッシュ休暇等)との整合性もとりやすいため、多くの企業が4月始まりで運用する設計にしています。
3.まとめ
質問→回答
1)「10日以上」 vs「10日を限度」→「10日を限度」としてもOK(努力義務の範囲内)
2)取得対象期間の起点→誕生日基準でなく、「4月1日~3月31日」など年度ベースでもOK
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/19 17:42 ID:QA-0152523
相談者より
ご回答ありがとうございます。
1、2両方について、またテレワーク等についても、「規定例」を参考にして良い旨理解できました。
また「多くの企業が4月始まりで運用する設計にしています。」など他社事例も共有いただき参考になりました。
投稿日:2025/05/20 09:19 ID:QA-0152543大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
1について、
「1年につき10日以上」の10日以上とは、10日間以上取得可能な制度であれば
問題はなく、10日も含みます。よって、「10日を限度」も10日間は取得可能と
なりますので、問題はございません。
2について、
1年間の起算日は会社規程上に定めていただく必要はありますが、
起算日をいつにするかは、会社で決めていただいて支障ございません。
実務上は、ご質問者様が記載の通り、4月1日を起算日とするなど、
社内で統一された方が運用しやすいかと思案いたします。
投稿日:2025/05/20 08:42 ID:QA-0152540
相談者より
ご回答ありがとうございます。
1、2いずれも規定例に沿って検討して問題ない旨、理解できました。
投稿日:2025/05/20 09:20 ID:QA-0152544大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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