規程にない手当について
当社は、永年にわたりオーナー企業に近かった為、秘書室の担当秘書に、平日の仕事や私的なお付き合いにかかわる残業代、土日の私的なイベントやお付き合い等に出向く際の休日出勤手当を支給する代わりに、規程にない「秘書手当」として、月1万円の資格手当を支給してきました。しかし、人事部では、秘書に残業代を支払わないということに問題があるとし、10年前から残業代を支払うことにしました。また、その時、オーナーも変わったことから、秘書が土日に私的な用事で出向くこともなくなりました。つまり、平日の残業代、休日出勤手当を他の社員同様支給しているにもかかわらず、これまで、その代わりとして支給してきた「秘書手当」だけが残ってしまい、いまだに支払続けています。そもそも規程にもなく、手当として支給する意味合いも全くないのですが、上司に相談すると、突然「秘書手当」の支給を停止するとなると、不利益変更に繋がるため、それはできないと言われました。「秘書手当」は、もともと規程のどこにも明記されていない手当で、現在、秘書には残業代、休日出勤手当もきちんと支給しているので、手当をはずすことに問題はないと思うのですが、果たして不利益変更につながるのでしょうか?また、当社の公認会計士より、「秘書手当」は規程にないと毎回指摘を受けています。社労士の方のご解釈を宜しくお願い致します。
投稿日:2017/06/30 11:22 ID:QA-0071313
- カサブランカさん
- 東京都/化学(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、たとえ就業規則に規定されていなくとも、毎月決まって支給されてきた手当であれば、事実上労働条件となっているものと判断される可能性が高くなります。加えまして、そのような手当について規定されなかった事の方が就業規則の必要記載事項不備としまして法的に問題があるものといえます。また、残業代を支払うようになったとしましても、その時点で即手当を廃止されていない以上既得の労働条件として容認されていたものと判断されますので、今になって廃止する事の理由とはなりえないものといえるでしょう。
こうした手当を廃止するためには、労働条件の不利益変更に該当しますので、当該秘書に事情を丁寧に説明された上で同意を得て廃止する事が求められます。元はといえば、かつて残業代を支払わなかった事・残業代支給への変更時に手当廃止をされなかった事といった会社側の不手際が原因ですので、その責任を会社側が負うのもやむを得ないと考えるべきです。
投稿日:2017/06/30 19:25 ID:QA-0071319
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「隠れ賃金」として、労基法違反
▼ 先ず、民法上は、横領や背任の事実がない限り、労使慣行となっているのであれば、認められます。(民法92条)
▼ 次に、労基法的には、手当を支給しているのに、就業規則の賃金規定を変更していないので、手続違反に該当します。(労基法89条90条)
▼ 更に、支給金額に就き、源泉徴収、或いは確定申告で給与として申告していれば、税法上の問題も起きませんが、実態次第で税法違反となり得ます。
▼ 従って、法的には、労使間のルールブックというべき就業規則に記載のない「隠れ賃金」として、労基法違反となります。公認会計士さんのご指摘は尤もと言うべきです
投稿日:2017/06/30 21:45 ID:QA-0071322
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
秘書も労基法41条により、管理監督者と同じく、労働時間、休日等の適用除外とされる可能性があります。
ただし、秘書であれば=残業代はないということにはならず、経営者と一体的な労働をしているか等実態で判断することになります。
秘書手当1万円は、何の手当なのか明確にしておくべきでしょう。現在の残業代と釣り合わないのであれば、それは単なる資格手当であり、秘書検定等何級であれば手当がつくのか等検討し、就業規則に明記しておくべきです。
投稿日:2017/07/01 18:38 ID:QA-0071326
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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