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管理監督者の降職の際の給与変更について

当社で今まで管理監督者であった者が、職務内容が変更となり、管理監督者より降職することとなりました。管理監督者が降職すること自体、レアケースと言えば、レアケースなのですが、
管理監督者に昇格した際、それなりの待遇にしており給与が高いため、就業規則に規程してはいませんが、今まで管理監督者が降職した場合、給与総額を変えずに固定残業代を含んだ給与に本人に承諾を取り、変更するのが通例となっており、今までこのケースで承諾書にサインをしなかった者はいなかったのですが、

今回、不利益になるため、雇用条件変更承諾書にサインはしないという者が現れました。この者は給与が55万円のため、25%増し時給は約4000円となり、月22日稼働で1日1時間、月22時間残業しても9万円近い残業代が発生してしまいます。

今回の提示額は総額55万円は変更せず、固定残業時間42時間分が含まれた固定残業代13万1千円込みの給与です。
今回、階級手当21万円を13万1千円減額し、7万9千円とし、固定残業代(超勤手当)に13万1千円移動させたのですが、確かに階級手当の減額が大きい額ではありますが、

◆質問①
今まで管理監督者であった時も当然、残業代は発生しておらず、今回、超勤手当(固定残業代)の支給により今迄と給与総支給の変更もなく、会社として組織変更に伴う人事異動・降格であり、新しい職務に相応な賃金額に改定したということで合理性は認められるという見解にはならないのでしょうか。

◆質問②
今回、本人が雇用条件変更書にサインをしないため、会社は55万円を割増賃金の基礎として計算し、残業を支給して予定ではありますが、
例えば、賞与は会社の自由裁量ですので、例えば、10月~翌年3月まで毎月9万円の残業代が発生したとし、9万円×6ヶ月分=54万円を7月の賞与から差し引くというのは違法になりますでしょうか。


ちなみに就業規則は以下内容となっており、管理監督者より降職した場合に総額を変えずに超勤手当を含めた給与とするとは謳っておりません。

(異動)
第6条 会社は、業務上の必要がある場合、社員に対して異動(配置転換、職種変更、転勤、転籍、出向、海外駐在等)を命ずることがある。
3 第1項の場合、当該社員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。また、当該社員は、業務に支障が出ないよう会社の指示に従って必要な引継ぎを行い、指定された日までに異動先に着任しなければならない。

(役職変更・降格)
第7条 会社は、業務の都合により、社員の役職の変更や業務内容の変更を行うことができる。
2 会社は、社員に勤務不良や担当職務の不適格があると判断した場合、役職の罷免や職位の引き下げを行うことがある。

投稿日:2015/12/02 11:07 ID:QA-0064354

newyuiさん
神奈川県/その他業種(企業規模 31~50人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、就業規則に基づき降職となった場合に、就業規則(賃金規程を含む)上に示された各職位に応じた賃金支給をされるのは当然の事です。賃金額が減ってもそれ自体労働条件の不利益変更という事には通常なりえません。一般的な会社ですと、こうした面が詳しく規定されていますので、不当な評価でもしない限り問題になることはございません。

これに対し、御社の場合ですとその辺の内容が規定上明示されていないように伺えますので、そうであれば降職時の減給根拠が不明確である為、不利益変更といった主張も認めざるを得なくなります。

しかしながら、文面のように結果として降職しても従前と給与総額が変わらないという事でしたら、労働契約法第10条に示されている合理性があるものとされ、従業員の同意が無くとも有効となる可能性が高いといえるでしょう。

そして、賞与につきましても、賞与規定にどのように記載されているかが重要です。規定があればその内容に従う必要がございますので、全くの自由裁量というわけではございません。ちなみに、残業代のみならず固定残業代についても、性質上賞与計算の基礎額からは外されるのが本来妥当といえますが、御社規定で固定残業代も計算基礎に含めるといった定めになっていれば、当事案の降職社員について不利益が大きくなりますので、賞与についても数年程度は計算基礎に含める等といった調整措置を採られるのが妥当といえます。

尚、今回の件を機に、降職時の給与内容等について規定整備をされる事が必要といえます。

投稿日:2015/12/02 18:15 ID:QA-0064361

相談者より

いつも有難うございます。とても参考になりました。

投稿日:2015/12/02 20:11 ID:QA-0064363大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

小高 東
小高 東
東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士) 

賃金改定の合理性について

賃金改定の合理性については、総合的に判断していくことになりますが、
以下、クリアにすべき点を参考までに列挙させていただきます。
文面を拝見する限りでは、賃金制度等全体的に見直す必要があると思われます。
①について
・階級手当21万円を13万1千円減額し、7万9千円としたことについて、明確な規定が
ない限り、合理性があるとはいえません。

・固定残業代についても明確な規定がない限り、残業代とは認められません。

・管理監督者側の視点からすれば、総支給額が変わらないのは、名ばかり管理監督者と
されるリスクがあります。

・実態として、降職後どの程度の残業があるか等にもよりますが、従業員が納得しない点をよく把握し、説明すべきでしょう。

・降格、降職については記載があるようですが、連動して賃金額が減額する規定が必要です。例えば、管理監督者手当があれば、わかりやすいでしょう。

②について
賞与規定によりますが、残業代を控除するというのは、不合理といわざるを得ません。

投稿日:2015/12/03 16:55 ID:QA-0064374

相談者より

大変参考になりました。ありがとうございました。

投稿日:2015/12/03 18:10 ID:QA-0064376大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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