取締役クラスからのパワハラでの対応における注意点
取締役兼事業部長が、管轄事業部門内で、パワハラの疑いがあります。
部門の社員の内部告発により、明るみになりました。
具体的には、部門の社員(数名)に対して、以下のような対応があります
・成果を出せない場合はどうなるかわからないという意味のことを言って精神的に追い詰める
・私生活に関する無神経な発言
・ある社員の悪い評価を他の社員の前で行う
・突然の無理なスケジュール調整をさせる 等々
弊社の本社は欧州にあることから、パワハラも含む不適切な行為に対しては厳しく対処していく社内規定を持っています。
また、地位の高い者ほど厳しく対処されることとなります。
今後のステップとして、日本法人の社長が事実関係の確認も含め、面談をすることとなっていますが、その際の注意点をお教えいただけますでしょうか。
また、告発者は、完全に守られることが規定されていますが、この度告発したものは、今までの経験から、犯人捜しをされ、パワハラがさらにエスカレートすることを大変気にしており、特に、今後どのように、守っていけるか、いくべきかのポイントもお教えいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2013/10/25 20:40 ID:QA-0056612
- ****jinjiさん
- 東京都/機械(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
文面内容を拝見する限りですと、特に最初の2つにつきましてはパワハラに該当する可能性が高いものといえます。後の2つに関しましては指導や業務指示になりますのでパワハラと言い切れるかまでは微妙ですが、行き過ぎの場合には問題があるものといえるでしょう。
取締役当人と面談される場合の注意点ですが、
・一方的に犯人扱いせず事実関係の確認から始める
・事実を認めたとしても、当人に対し弁明の機会も与える
・当人の対応に関わらず決して感情的にはならず、あくまで冷静に話を進める
・当然ながら告発者の氏名や推測出来るような話は出さない
・処分に関わる社員への報復行為に対しては、更なる制裁がある事を示し解任や解雇も辞さない旨警告しておく
といったところでしょう。
特に最後に挙げた点をしっかり示すことでパワハラのエスカレートは食い止められるはずです。実際、報復等が行われるようであれば、大変悪質な行為といえますので、通常であれば解任・解雇措置を採られても差し支えないといえるでしょう。
そして、被害者である社員に対しては、上記対応を説明された上で報復行為があった場合は直ちに当事案の担当責任者に連絡してもらうよう話されるべきといえます。
いずれにしましても、会社がパワハラ行為に対して事実確認をしっかりされた上で毅然とした態度を示す事が最重要といえます。
投稿日:2013/10/25 21:45 ID:QA-0056613
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
ポイントを簡潔にまとめて頂き、大変参考となりました。
しっかり押さえて、慎重に進めていきたいと思います。
投稿日:2013/10/29 18:18 ID:QA-0056634大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
重要な面談
不適切行為に対し、幹部ほど厳正に対処するという貴社の方針に敬意を表します。社員のモラール(士気高揚)について日頃より関わる者として、そうした規律ある組織は後ろ向きにならず、企業としての地力が身に付いていますので、たいへん強い組織、強い企業となる風土をお持ちと思います。
さて具体的に社長様が面談ということで、外資の管理者同士の会話で、普通であれば高いコミュニケーション能力があるはずですので、率直に社長様が話すことで解決できることもあります。しかし今回パワハラが潜在化して発生した期間が長いようであれば、該当役員は自己保身に長け、組織を蚕食する有害な人物である可能性もあり、たしかに慎重に進める必要があるでしょう。
まず大切なことは「何が起きているか」「どのように事業推進、組織運営をしているか」をつかむことです。通り一遍の事業報告にならないよう、「上手く進んでいること」より、むしろ「問題なこと」を説明させましょう。
くさいものにフタのような、現状組織の欠点、弱点といった問題点を客観的に説明できないようであれば、事実隠ぺいの恐れは高まります。逆にトップに対し耳の痛い点も、冷静にとらえ、自ら組織の長として、対処も講じているようであれば、厳しいが有能な管理者である可能性もあります。強引な業務指示であっても、労働管理的に適正に進めていれば裁量の範囲内かも知れません。勝手にスケジュールを何度も繰り返し振り回しておきながら、残業認定させない等、労務管理上の不法行為があればハラスメントでしょう。
いきなり問題点をつるし上げるのは犯人推定を進めることになりますので、そのような大きな問題点の報告や説明を通し、徐々に問題が発生したところ、特に発生していない業務等とりまぜつつ、社長様自ら納得のいかない点をしっかりと聞き取るということでしょう。
ただ業績が良い場合は社長様も多少寛容になる傾向がありますので、業績は業績として、ハラスメントはそうした好業績をひっくり返すほどのネガティブインパクトをもたらす恐れがあることをぜひご説明なさって下さい。業績が悪いようであれば、まずその役員の責任を厳しく問うべきです。
外資系の企業であればハラスメントには特に敏感に対処しなければならない本社方針などから、そうしたことが無いかについても、パワハラ、セクハラに該当する言動については自己申告させるべきでしょう。
ご提示の例の中では私生活への干渉や悪口といったものが、内容によってはハラスメントになる可能性があります。
ハラスメントの判定は、本人の悪気の有無ではなく、ハラスメント被害に通じる行為かどうか会社側が客観的に評価することが何より大切です。
申告者の立場保全には会社としてのハラスメント申告窓口設置等で、公的に会社がハラスメントに目を光らせていることを特に管理職全てに知らしめること。並行して定期面談等で、その後の進捗も把握することで、申告者当人のモチベーションもある程度保全出来るのではないでしょうか。
難しいお仕事ではありますが、組織管理上たいへん重要なことです。ダメ管理者を更迭しただけで業績が倍増するような劇的変化があった企業もありますのでぜひご成功お祈りいたします。
投稿日:2013/10/26 16:34 ID:QA-0056614
相談者より
詳しくアドバイスを頂き、ありがとうございます。
ご指摘頂いたとおり、まずは事実をしっかりつかみたいと思います。
今回のケースは、問題が長期に及んでいた疑いもありますので、慎重に対処し、よりよい組織を目指して、進んでいきたいと思います。
投稿日:2013/10/29 18:24 ID:QA-0056635大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
社内規定に基づき、具体的ステップに調査、処置決定を、さもなくば後遺症が・・
海外本社主導とは云え、 「 厳しく対処していく社内規定 」 をお持ちとのことですが、 精神論的、抽象的ではなく、 「 定義 」、 「 苦情相談窓口 」、 「 労組の関り合い 」、 「 ヒアリングへの第三者陪席 」、 「 事実関係の把握 」、 「 事実関係ありと判断した場合のパワハラ対策委員会による協議 」、 「 協議出席メンバーの確定 」、 「懲戒に値するか否かの判定 」、 「 告発者への不利益回復の措置と報復的行為からの保護 」、 「 再発防止措置 」 など、 組織として審議、 決定することが必要です。 会社としての決定ですから、 エスカレート行為は、 再犯として重度の懲戒につながりますので、 自働的に抑止機能が働くことになります。日本法人社長による面談も、会社組織としての位置付けがなければ、時とともに、いつの間にか、 雲散霧消してしまうでしょう。
投稿日:2013/10/27 12:46 ID:QA-0056615
相談者より
ご回答を頂き、ありがとうございます。
ご指摘頂いたとおり、社内規定をしっかり確認、認識して、進めていきたいと思います。
投稿日:2013/10/29 18:26 ID:QA-0056636大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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