休職期間満了者が退職に応じず組合に加入した場合
1年間の休職期間を設け、途中リハビリに何日か出勤しましたが続けられずまた休職し1年以上経過した為就業規則にのっとり退職を通知したところ、その社員が組合をたちあげ社員に会社との労使交渉内容を随時メール発信するようになってしまいました。
通常、復帰できるので退職を撤回してほしいという要求は受けますが、病気で仕事は出来ないので在籍にして生活の面倒をみろと言うのです。就業規則は会社が勝手に決めたものなので無効だと社内でわめき散らして帰っていきました。在籍するが復職はあり得ない(本人もする気がない)社員の扱いに困っています。社員の所属する組合員が逐一、社員へ組合勧誘したり交渉内容を文書で流したりする行為は合憲なのでしょうか。今後どう取り扱えばいいのか見通しがたっていません。一生面倒をみてもらうと豪語しているので労災が万一認められたとしてもその後は社に金銭を要求してくる様子です。
投稿日:2006/04/08 22:39 ID:QA-0004292
- ポーラベアさん
- 大阪府/旅行・ホテル(企業規模 101~300人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
「私傷病による休業期間終了後の退職」については、就業規則に規定されており、かつ内容が合理的であれば、当然認められます。
もちろん、休業者の傷病が治癒していて復職が可能であるにも関わらずそれを拒んだ場合は不当解雇とみなされますが、当案件の場合は治癒とは認められませんので、原則通り当該休業者の退職は法令上有効に成立するはずです。この場合、組合云々ということは全く関係なく、「組合に入れば何でも主張が通る」という事もないです(交渉を求めてきた場合は受ける事が必要ですが、協議の中で退職取消の要求に応じることはありません)。もちろん会社の正常な業務を妨害しその為具体的に会社の利益を損なう事実があれば、逆に会社側から損害賠償請求を起こす事も考えられます。
しかし、本件の場合実際の問題は、この休業者の傷病が本当に「私傷病」であるかという点にあると思います。
ご相談内容の最後の方に「労災」について触れられていますが、当該休業者が会社に生活保障まで求めようとしているのは、まさに当該傷病が本来労災認定されるべき「業務上の傷病」と考えているからに他なりません。(*万一「業務上の傷病」であれば、少なくとも療養開始から3年間は退職させる事ができず、加えて会社側の対応のまずさや管理責任を巡り訴訟に持ち込まれるかもしれません。)
この点について明白に「私傷病」ということであれば休業者も果たしてここまで強硬に出られるのか疑問の残るところですね。単に苦し紛れの手段として組合を利用しているだけなら何の問題もありませんが、気になるところではありますので、少しでも「業務上傷病(=労災事故)」の可能性がありましたら、万一の場合に備え、労働問題に詳しい弁護士にご相談されるのが賢明でしょう。
投稿日:2006/04/09 19:46 ID:QA-0004295
相談者より
早速ご回答いただき大変ありがとうございました。この社員は精神障害者との医師の診断をもっており、会社のせいで病気に陥ったと主張しています。(勤務は9:00ー17:00、一ヶ月の平均残業時間は20.5時間)
社としては全く非を認めるつもりはなく、しかし弁護士に相談する費用をかける予定もなく、労災申請に署名するつもりもなく、担当者として正直大変困っている状況です。この社員が休職前の状態を知っている者が会社や人事自体に誰もおらず、残っているデータだけが頼りな状況の為、強くはねつけられないのも事実です。ご回答頂いた後者の内容にあてはまりそうな故、とても対応に困っていますが社としては全く折れるつもりはないようです。損害賠償がとおうような事があれば会社をクローズしかねないほど強固です。。
退職通知を撤回し、労災がおりるかどうか様子を見守ったほうがいいのでしょうか。それとも退職通知を撤回しますが引き続き休職を(たとえば3ヶ月など)延長し、期限がくれば今度こそ自主退職してもらうよう覚え書きをかわしておいたほうがよろしいでしょうか。
どちらにしても、業務と本人の精神障害が関連があると判断されなければ、という話にやはりなりますか?
投稿日:2006/04/09 20:36 ID:QA-0031765大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えします
再度内容拝見させて頂きました‥休業が「精神障害」絡みでしかも「発症当時の状況がはっきりしない」(*→この点が会社として一番問題です!)ということですね‥大変難しい問題と思います。
こういう場合、証拠が無いことを理由に強引な手法をとる会社もあるようですが、万一労災認定が通った場合、会社としては最悪の事態に陥る事は必至です。
恐らく、本人も結果はともかく、ある程度の成算があっての主張と思います。
いわゆる「危険な賭け」はお勧めできません。
休業者の持つ診断書で業務との因果関係が不明でしたら、出来れば再度医師の診断を受けてもらい専門家としての判断を確認するべきですね。その結果「全く因果関係が無い」となれば、労災の認定も通常ありえないので拒否することも可能でしょう。「有り」となれば労災認定に署名するより他ありません。
但し、労災認定が却下されたとしても、お話の内容ですと休業者の方から訴訟を提起される可能性がありますし、いずれにしても簡単にはあきらめないでしょう。「会社に非があるかどうか」はその際裁判まで持ち込まれ審判を仰ぐことになりますが、会社の管理責任がどこまで問われるか事案が複雑なだけに一概に結果を予想する事は困難です。
私としてもこれ以上の事は軽々しく助言できませんので、費用は多少かかっても医師・弁護士等各方面の専門家の助けを借りる事が望ましいと思います。
投稿日:2006/04/09 22:32 ID:QA-0004297
相談者より
詳細にわたりご説明いただきありがとうございました。自身がいない過去の件であり、初心者的な質問をしましてお手数をおかけしました。
どうもありがとうございました。
投稿日:2006/04/10 18:09 ID:QA-0031766大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
こちらこそありがとうございました
当方出張の為、ご返事遅れて申し訳ありませんでした。
この度の件につきましては明確な回答でなく大変恐縮ですが、感謝のお言葉頂き嬉しい限りです。
これからも相談される方のお役に立ちますよう精進していきますのでよろしくお願い致します。
投稿日:2006/04/11 22:24 ID:QA-0004321
相談者より
投稿日:2006/04/11 22:24 ID:QA-0031776参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
退職日前の退職金一部(または全部)支払について 3月末付で退職予定の従業員に対し... [2009/02/13]
-
退職日 当社は退職の申し出があった者に対... [2010/05/15]
-
退職者の有給について パートで退職された方がいますが、... [2024/08/23]
-
退職金の規定について 就業規則を作成するにあたり、2点... [2006/10/03]
-
退職率 よく退職率 何%と表示があります... [2006/11/24]
-
希望退職募集の場合の退職金 経営がかなり逼迫している状況で、... [2010/11/30]
-
64歳と65歳の失業給付金について 退職日を迷っておられる社員がいる... [2017/02/16]
-
退職金の精算 現在ある退職金制度を今後、なくし... [2009/04/13]
-
退職者の規程閲覧要求 当社の退職者が退職後、就業規則(... [2007/02/27]
-
定年退職時の退職金 定年退職時の退職金支給について... [2008/02/14]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。