役員等運転手の時間外労働について
いつも参考にさせていだいております。
弊社の社長付き運転手の労働時間の取扱いについて相談させてください。
現在は所謂法令上の断続労働に当たらない(役員以外、例えばお客様の送迎もしている、手町時間に簡単な事務作業をすることもある)
ため、他の社員と同様に出勤時間から退勤時間で時間外手当を計算し、支払をしています。
この4月より、新たな業務として社長の自宅への送迎業務が加わり、その時間も時間外労働として取り扱っているため、4月の残業実績が60時間を超える時間となってしまっております。時間外手当として約20万が発生しています。
身分は嘱託であり、また、労働の密度を考えると一般社員の比べ明らかに過剰な支払となっている感があります。
また、当該社員は、近々60歳定年となり、再雇用となりますが、再雇用規程により固定的賃金は6割程になります。業務内容は基本的に変更が無いため、一般的な再雇用(責任も職務も軽減される)と異なり、60歳になったという理由で固定的賃金を大幅にむ落とすことについて議論となっています。
纏めますとご相談のポイントは次の2点です。
1)厳密には法令上の断続労働にはあたらないが、実態として断続労働となっている場合の労働時間について時間外手当を抑制する方法はないでしょうか。
2)再雇用後の職務が定年前と同等である場合、定年という理由のみで賃金を極端に落とすとこについての是非について。
会社の意向としてはソフトランディングをしたい。
ご多忙のところ大変恐縮ですが、ご意見をお聞かせ願えましたら幸いでございます。
投稿日:2010/04/28 13:44 ID:QA-0020267
- *****さん
- 愛知県/ナノテクノロジー(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御質問の2点についてお答えいたしますと‥
1)‥ 「法令上の断続労働にはあたらないが、実態として断続労働となっている場合」とごさいますが、文面内容を拝見した限りでは実態上も断続労働には該当しないように思われます。
手待時間に事務作業を行っているということですと、これは立派な業務行為であって単なる送迎運転手とはいえません。また社長や顧客の送迎が中心となりますと相応の精神的緊張感もある事でしょう。
従いまして、考え方としましては断続労働だからというのではなく、時間外労働も含め労働時間はきちんと認め法令通り割増賃金支払を行うとした上で、「運転手兼一般事務職員」として営業社員等と比べ低めの適切な給与設定をされるべきです。
2)で触れます点を除けば、業務内容の軽重に応じて給与に差が出るのは当然の措置ですので、こうした働き方自体の見直しが出来ないのであれば、基本となる給与額の適正化でもって対処されるのが妥当というのが私共の見解になります。
2)‥ 定年再雇用において新たな労働条件を設定する事自体は認められますが、同一業務でかつ同一の労働時間にも関わらず定年を理由に賃金のみを切り下げるというのでは合理性に欠けますので、原則として本人の同意を得た上で変更する事が必要といえます。
一見同意を得る事は難しいようにも見えますが、当人が嘱託であることや、恐らくは長年勤続されており経営事情等もそれなりに理解可能と考えられることからすれば、話し合いでソフトランディングさせることは十分可能といえるでしょう。
ちなみに、事務作業の部分を完全になくせるのであれば断続的業務と認められる可能性もございますので、そうした再雇用者の働き方の見直しも含め当人の希望も聞かれた上で、双方が納得する中で再雇用について契約される事が重要です。
投稿日:2010/04/28 20:07 ID:QA-0020269
相談者より
投稿日:2010/04/28 20:07 ID:QA-0040044大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
実態面でも断続勤務とは言えず、職務評価面のチェックが必要
■ 会社役員専属乗用車運転手等に対する、断続勤務の許可基準は、「 その者の勤務時間のうち、作業時間と手待時間が 《 折半の程度 》 であること 」 とされていますが、ご説明の限りでは、「 実態としても断続労働となっているとも言えない 」 ようです。
■ これは、「 断続労働の問題 」 ではなく、当該運転手に 「 支給されている賃金が、賃金体系(労働の質と賃金の関係)からはみ出しているかどうかの問題 」 だと感じます。「 労働の密度を考えると一般社員の比べ明らかに過剰な支払 」 と言われている点です。
■ つまり、ご指摘が正しければ、当該運転手の仕事に対して、バランスの欠いた ( 厚遇 ) 評価が与えられていることになります。これは、御社の賃金制度、評価制度、及び その運用面の問題になります。
■ 以上の見方に基づく、回答は次の通りです。
① 15分程度の細かい時間単位で、作業時間と手待時間の実態調査を行い、名実ともに、断続勤務か否かの実態を把握した上で、対策を検討が必要です。「 実態として断続労働となっている 」 と言うだけで、時間外手当を支給しなければ、法違反になります。
② 再雇用に伴う、賃金変更は、① とは別の問題です。再雇用後と雖も、同一労働・同一賃金の原則は必要ですが、「改正高年齢者雇用安定法」でも、雇用の円滑な確保に精一杯で、再雇用後の賃金引下げを否定して訳ではありません。更に、「在職老齢年金」や「高年齢者雇用継続給付金」の並行受給の場合は、賃金だけを見れば、かなり減額するケースも見受けられますが、一概に、それを 《 非 》 とすることにはならないと思います。
投稿日:2010/04/29 09:35 ID:QA-0020271
相談者より
投稿日:2010/04/29 09:35 ID:QA-0040046大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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