転勤対象者の対応について
転勤指示の有効性と、その後の対応について、企業側として違法性がないか、担当者として疑問がありましたので、確認をしておきたいと思いまして投稿させていただきました。
今回、Aという社員(当時、入社2か月で試用期間中)が、想定されていたより能力が劣る(採用をメインとして入社していただきましたが、2か月後も人が採れていない状況でした。しかしながら、A以外にも採用をしている者がいますが、その者たちもAが入社した日から採用ができていません)
ということで、役員より直接Aに
1回目の話し合い:結果が出ていないので、向いていないのではないか。今後のことを考えておいてほしい
2回目の話し合い:大阪の支店に営業として行ってもらうことを考えている。
3回目の話し合い:大阪の支店へ、人事として転勤してもらいたい。Aでなくても構わないが、身軽そうであるからAを指名した。
上記の説明が役員よりAになされました。
その後、能力不足ということで、Aに降格減給処分が下りました。
(※この減給処分も、雇用契約書では、基本給+業務給としているところを、減給する書面では、基本給+業務給+役職給と細分化し、減給限度である1/10を超す対応をしている状況です。※降格なので役職給を業務給から分割することで、大幅な減給を課しています)
Aは、誰でも良いから自分を選んだという点と、降格減給をされてまで大阪で現地採用をやる必要性に疑問を感じ、転勤を断わったのですが、役員からAに対して、転勤を断ったので、懲戒処分の可能性がある、という通達をしたところ、
Aが後日、退職届を提出してきました。
上記が現在までの状況です。
確認したいことは、
①転勤の有効性があるか
※直接は確認していませんが、客観的にみて、転勤者を出してまでやる業務ではなく(採用はどこでもできるので)、Aに対して恣意的なものを感じます。またAが断った事によって他の誰かが変わりに行くという事もありません。
②企業側の対応としてはどうか
※もし問題があるようでしたら、マニュアル化していこうと思っていますので、「こういう対応はまずい」等ありましたら、ご教授ください。
③単純に違法性はないか
どうぞよろしくお願い致します。
投稿日:2021/07/30 10:25 ID:QA-0106027
- fiat500さん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
募集条件、採用時の雇用契約の内容、賃金等によりますが、
よほど、ハードルの高い条件かつ高い給与等で採用したのでなければ、
会社の対応はいきすぎであり、トラブルに発展するリスクも大きいといえます。
能力不足の降格減給処分も、雇用契約の内容等にもよりますが、
入社2ヵ月で、他の人間も結果を出していないのに、
不合理と言わざるを得ません。
能力不足というのであれば、指導・注意はあってしかるべきです。
転勤は雇用契約、規定にあれば可能ですが、本人の意向も配慮する必要もありますし、恣意的なものであれば、無効とされる可能性もあります。
投稿日:2021/07/30 12:57 ID:QA-0106036
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、まず営業への異動→転勤→降格減給といった風に話をされる度に措置内容が変わっている点は不自然に思われます。加えまして、雇用契約書にない内容で減給制裁を科している事については、明らかに契約違反であり違法性があるものといえるでしょう。
従いまして、転勤の有効性についても甚だ疑わしい感が否めませんが、それ以上に大幅な減給制裁について不当な処分である可能性が高いものといえます。
上記から良くない点については明白といえますが、そもそも他の従業員と比べて極端にパフォーマンスが落ちるわけでもない状態で2か月程でAのみを転勤対象とする事から見直しされるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2021/07/30 18:27 ID:QA-0106061
プロフェッショナルからの回答
解雇プロセス
個別事情の詳しい情報もないと詳細な判断はできかねる、高度なコンサル案件だと思います。正式にコンサル依頼をして取り組むべき事象でしょう。
書かれている内容だけで見れば、「2か月後も人が採れていない状況」が、他者はどうか、皆入社2ヶ月でバンバン採用が実現できているのかなど、比較がなければ客観性がありません。
「能力不足」を証明する責任は会社側ですので、恣意的と取られない客観的証拠を固めなければ無効になりかねません。
しかし本人がプレッシャーに負けて退職したのであれば、結果オーライで、本人からの自主退職となります。すべて結果がたまたまもめなかっただけであり、人事政策としては非常に危険かつ稚拙な進行のように見えます。このような方法を役員がしたとすれば、目的やそのベンチマーキングなど、いかに客観性を持たせるかを会社として考えるべきでしょう。
投稿日:2021/07/30 20:49 ID:QA-0106064
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
転勤が有効か無効かとなった場合、まずは使用者が従業員に転勤を命ずる場合の根拠が必要になります。
その根拠としましては、転勤に関するリーディングケースとなった東亜ペイント事件(最高裁二小 昭61.7.14判決)が判断基準となり、
① 就業規則に、業務上の都合により従業員に転勤を命ずることができる旨の定めがあり、
② 現に全国転勤を頻繁に行っており、
③ 採用時に勤務地限定の特約も存しない場合において、
使用者は、個別の同意なしに転勤を命ずる権限を有する、としています。
さらに、同判決は、使用者の転勤命令権は無制約に行使できるものではなく、
① 当該転勤命令につき、業務上の必要性が存しない場合。 または、
② 業務上の必要性が存する場合であっても、当該転勤命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき。 もしくは、
③ 労働者に対し、通常甘受すべき程度を著しく越える不利益を負わせるものであるとき。
は当該転勤命令は、権利の濫用になり無効である、としています。
したがいまして、転勤命令が有効か無効かは、上記に照らして判断されることになります。
御社の対応としましては、問題があるかないかは軽々に論ずることはできませんが、まずはこの機会に就業規則を整備しておくことをお薦めします。
投稿日:2021/08/03 11:14 ID:QA-0106152
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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