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給与額の公開について

こんにちは。
新人事制度の構築を目指し、様々な他社事例等を収集しております。
それで疑問に感じた制度があったので質問させていただきます。

そこでは、個人ごとの給与額を社内に公開しているというものです。
社内(グループ内)の全社員が常時確認できる仕組みです。
インセンティブで月額報酬が変動するので、競争意識を高めるのが主な狙いだそうです。

個人毎の報酬額を社内(グループ内)に公開するということについて、何か問題がないのかご教授ください。
私としましては個人情報の公開なので、違和感を感じています。

宜しくお願い申し上げます。

投稿日:2007/10/09 10:19 ID:QA-0009990

*****さん
愛知県/その他業種(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答1

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

個人給与の公開の妥当性について

■公開の妥当性を、企業内人事制度と法制度の両方の観点から検証すると整理がしやすいと思います。企業経営における人事制度をどのように位置づけるかについては様々な考えがあり、また、同じように位置づけらていても重点の置き所に差異があるなど、企業によって大いに異なっています。ご引用の、「インセンティブの月額賃金への反映と公開」方式も、採用企業が限られているとは思いますが、労基法の最低限ラインをクリアしておれば、「競争意識の高揚」の効果の程は別として、業種・職種によっては、一つの有力な選択肢となり得ます。恐らく、賃金制度=最も直接的な「飴と鞭」と位置づけらているのでしょう。(ここでは、当該制度に対する賛否は差し控えたいと思います)
■法的観点からは、労働法と個人情報保護法が当面の検証対象になります。前者については、既にご承知だと思いますが、就業規則の重要な一部である賃金規程に、個人別報酬額の公開も明記の上、労組との協議、または労働者代表の意見聴取、届出、周知などの手順が必要です。問題は、多くの労働法が制定当時に想定してしていなかった、個人情報保護法による検証です。
■同法23条は、個人情報の第三者への提供に制限を加えています。親子兄弟会社間、グループ会社間、フランチャイズ本部・加盟店間、同業者間、外国企業への国内居住者の情報提供は、第三者への提供と看做され制限対象になりますが、同一企業内での他部門への提供は制限対象外とされています。但し、今回の事例における第三者とは、イントラネット等により他人の賃金情報の提供を受ける不特定多数の社員であり、上記制限対象外に該当せず、公開には個々人の同意が要求されると解釈すべきでしょう。
■結論としては、お持ちになっておられる「違和感」の実態は、労働法上の問題ではなく、個人情報保護法の適用局面で、公開対象となる社員全員の同意がない限り公開すべきではないと推定される点にあると思います。

投稿日:2007/10/09 13:20 ID:QA-0009991

相談者より

 

投稿日:2007/10/09 13:20 ID:QA-0033998参考になった

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