目標管理とバランススコアカード
現在当社では目標管理制度を運用していますが、目標設定の仕方に問題があり、BSCを組み合わせることで是正しようと検討しています。この方法についてアドバイスや参考となる市販書籍をご紹介いただければと思います。
投稿日:2007/08/10 10:35 ID:QA-0009389
- *****さん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
目標管理制度の運用
一般に「目標管理」と呼ばれているMBO(Management By Objectives and self-control)は、正しくはマネジメントの考え方です。上司が命令し、部下が実行し、上司が評価するのではなく、部下自身が目標を設定し、実行し、振り返るという「自律/自立」のマネジメントの考え方です。まず、これを押さえた上で、バランススコアカードは、「成果」を「売上高」だけでなく、他にも基準がありますよ、と言っています。日本でも三隅二不二氏のPM理論では、Performanceとしての「仕事の成果」とMaintenanceとしての「組織維持」という二つの側面がリーダーシップでは重要としています。つまり、目標設定では、「仕事」の側面だけでなく、「チームづくり」のような側面も重要ではないでしょうか。BSCでは、「ウィニング・バランス・スコアカード」生産性出版が評価基準づくりにはわかりやすいと思います。これを自社の評価基準につくりかえるには、少し研究する必要があると思います。
投稿日:2007/08/10 10:51 ID:QA-0009390
相談者より
投稿日:2007/08/10 10:51 ID:QA-0033756参考になった
プロフェッショナルからの回答
BSCにも一長一短がある
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
「目標設定の仕方に問題があり」とのことですが、どのような問題であるかにより、対応策が変わってきます。
一般的にBSC導入の主たる眼目は、社内目標展開の系統性・統合性の確保にあります。
BSCが提供する4つのディメンション(=視点)によって、目標展開の方向を統一することで、各部門がバラバラの構想で目標項目を設定することを防止しようとする狙いです。
ただ、BSCの短所は、その提供する「視点」の理解が、必ずしも容易とはいえない点です。
また、4つの視点をリンクさせて、自らのミッションをブレークダウンしていくためには、ある程度の教育研修によるスキル習得が必要と思われます。
さらには、部門のミッションによっては、4つの視点が必ずしも必要でないケースも多分にありえます。
例えば、マネジメント部門における「財務の視点」、間接的部門における「顧客の視点」等。
こうした点を簡単に整理すると、結局はBSC的なコンセプトが至りつくフレームは、「成果・業績」面の目標と「プロセス・成長」面の目標という区分に過ぎないともいえ、このようなことであれば、私達が日頃から目標マネジメントにおいて考えていることと同じになります。
つまり、BSCは、簡単なことを、殊更難しく考えるメソッドと言えなくもありません。
そうした点を、BSC活用にあたっては、念頭に置かれることが肝要と考える次第です。
なお、ご参考までに、弊社にて今月発行の月刊『人事マネジメント』誌の最新号(※8月号)に執筆した人事評価関連の特集記事をご紹介しておきます。
「評価制度Q&A」
扉ページのPDFは、下記URLにてご覧いただけます。
http://www.philosophia.co.jp/pdf/mediaclip-0708.pdf
□■内容構成■□
Q1 人事評価制度のトレンドは?
Q2 評価の具体的な仕組みはどう変わってきたか?
Q3 コンピテンシー評価と従来型能力評価の違いは?
Q4 従来型能力評価の難点を克服する具体策は?
Q5 コンピテンシー評価をうまく進めるコツは?
Q6 目標評価では成果をうまく評価できない?
Q7 目標評価の客観性をどう確保するか?
(以下全20項目)
以上、ご参考まで。
投稿日:2007/08/10 10:53 ID:QA-0009391
相談者より
ご回答ありがとうございました。目標管理にBSC的な観点を取り入れて運用している他社事例があればたいへん理解が進むのですが。
投稿日:2007/08/10 18:23 ID:QA-0033757参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
目標管理との関係で申し上げますと、BSCの採用で優れた点は、企業の経営戦略が明確にされ、それに従いトップダウン方式で目標設定が可能になっていく為、個々の従業員の目標と経営とのズレを抑える事が出来るということが挙げられます。
現状の問題点が、各従業員レベル、または部門レベルでの目標設定の整合性にあるのでしたら、一つの有効手段になりえるといえるでしょう。
但し、併せて目標管理制度の問題では、制度自体の分かりにくさや繁雑さ・管理方法の不透明性といった点も挙げられますので、BSC導入の際は、過度に複雑なシステムとならないよう注意が必要です。
目標管理も含め人事管理制度はあくまで従業員を適正に評価しモチベーションを向上させて業績向上に繋げる為の「手段」に過ぎませんので、「制度の為の制度」となって無用な時間を費やし業務に差し障りが出るようでは本末転倒です。
私共で特にお勧めという文献はございませんが、BSCの視点をふまえつつも極力「シンプルな御社独自の」目標管理制度を構築される事をお勧めいたします。
投稿日:2007/08/10 13:43 ID:QA-0009395
相談者より
投稿日:2007/08/10 13:43 ID:QA-0033759参考になった
プロフェッショナルからの回答
事例について
ご返信ありがとうございます。
事例をご提供することはできますが、何らかのご連絡方法をご提示いただければと存じます。
※本サイトのルール上、弊社からは連絡先を掲示できませんので。
※なお、本サイト上の「直接連絡する」機能は、コストが発生しますので、ご留意下さい。
また、戦略マップ等のツールを含む事例提示については、合わせて機密保持誓約書の締結もお願いいたしますので、合わせてご留意下さい。
では、ご返信をお待ち申し上げております。
投稿日:2007/08/10 19:20 ID:QA-0009397
相談者より
投稿日:2007/08/10 19:20 ID:QA-0033760参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 宮田 洋行
- リアル・コンサルティング 代表
参考図書
貴社でどのように目標管理を展開しているのか不明ですが、
「勝てる会社の人材戦略」寺崎文勝 著(総合法令)
は目標管理制度の見直しにも参考になるかと思います。
また弊社は今月24日に
「いかに人事評価を革新して業績を上げるか」
と題したセミナーを開催しますので、内容的にご興味ありましたら本サイトよりお申し込みいただければと思います。
投稿日:2007/08/11 16:22 ID:QA-0009402
相談者より
投稿日:2007/08/11 16:22 ID:QA-0033762参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
目標設定(定量・定性)のエクセサイズシート
4月〜5月にかけて各会社では目標設定の時期になります。
4月に新入社員になったり、管理職になったりとあらたな立場で、定量目標と定性目標を作成しなければなりません。
しかし、目標管理、定量目標、定性目標を正しく理解しなければ適切な目標設定はできません。
そのためのエクセサイズシートです。
内容を確認し自社の考え方と適合していればどうぞ、考え方の説明用としてお使いください。
与信管理表
会社の取引を管理するための一般的な与信管理表です。