給与の減額
現在定年は65歳です。
このたび、60歳から基本給を減額(前年比ー5%)することで給与規程を改定します。
そこで、規程の改定と同時に満60歳以降の職員の給与の
減額を開始しても問題ないでしょうか。
それとも、来年の4月からのほうがよいでしょうか。
投稿日:2020/04/12 10:24 ID:QA-0092097
- ベルリンさん
- 埼玉県/医療・福祉関連(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
問題あります。
賃金を減額するということは、「労働条件の不利益変更」の問題となり、労働者の同意がないかぎり、会社の法から一方的に減額することはできません。
その根拠としましては、労働契約法9条が、労働者と合意することなく、就業規則(この場合、賃金規定)を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできないといっており、また裁判例におきましても、賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成・変更に関しては、高度の必要性に基づいた合理的な内容であれば効力を生ずるとしています。
そして、この高度の必要性に基づいた合理的な内容とは、個別事案ごとに裁判所が判断することになります。
年齢が60に到達したからという理由で、一律に賃金を減額するというのであれば、そこに合理性を見つけるのは困難であるといわざるを得ません。
投稿日:2020/04/13 09:59 ID:QA-0092111
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
賃下げは最も重要な不利益変更
▼労働条件の不利益変更、殊に、最も重要な賃金減額は、その方法の如何を問わず、特に大幅、且つ、中高年労働者等の特定階層への狙い打ち的な急激な賃下げに対しては、多くの裁判例は、黙示の合意を否定、賃下げを招く降格・降級、就業規則の変更や労働協約の締結などを無効とするなど慎重な判断を示しています。
▼従って、賃下げ実施する際には、そもそも、賃下げがいかなる措置としてなされるのが最も適当かを吟味した上で、その根拠規定の整備の有無を点検し、未整備の場合は適正な整備の上、当該賃下げにおいて、その賃下げ規定の適用要件の証明は十分かなどの慎重な準備の上にこれを実施することが必要です。
▼実施の際には、まずは、従業員に賃下げの必要性について充分説明(労働契約法10条)し、の合理性判断要素の「労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情」がそれを求め、さらに、労働契約法4条1頁はこの義務を高めたものとも解されています。合意を得ることが重要です。
▼実施時期に就いては、上記、手順が完了し、必要な事務的要件整い次第、何時でも構いません。
投稿日:2020/04/13 10:34 ID:QA-0092114
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
給与額は従業員にとって最も重要な労働条件です。
給与減額には、個別合意を得るか、合理的な理由が必要です。
ですから、一方的に規定を変えて減額することは、避ける必要があります。
まずは、減額理由を従業員によく説明して、個別合意を得られるよう努めてください。
投稿日:2020/04/13 17:28 ID:QA-0092141
プロフェッショナルからの回答
説明
タイミングよりも減額措置都同時に業務変更などについて従業員へのしっかりした説明の有無が重要です。重大な不利益変更となり得ますので、慎重の上にも慎重に、対象社員へのていねいな説明と納得を得て、その実施が結果として規定改定と同時であることはあり得るでしょう。翌年まで延ばすかどうかではなく、きちんとした説明と理解を得られているかが判断となります。
投稿日:2020/04/13 17:38 ID:QA-0092142
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働条件の不利益変更に該当しますので、実施時期に関わらず原則としまして労働者の個別同意を得て変更されることが必要です。
一方、同意が得られた際には、改定と同時に減給されても差し支えございません。但し、同意を得る事が困難と予想される際には、少なくとも1~2年程度実施を先延ばしにされる等何らかの激変緩和措置を前もって採られるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2020/04/13 20:20 ID:QA-0092154
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
給与規程改定時における従業員代表意見書の取得 人事制度を見直し、その中で給与規... [2007/03/02]
-
給与規程の届出について 質問なのですが、弊社では就業規則... [2022/05/30]
-
評価制度、給与改定について 評価面談を経て、給与改定を検討を... [2020/03/19]
-
給与制度変更時の移行措置の計算について 給与制度の変更に伴い、給与が下が... [2011/02/08]
-
定年後再雇用時の給与 例えば、定年後再雇用時の給与設定... [2009/10/06]
-
給与の〆日と支払日について 人事給与システムの更新を考えてお... [2008/04/28]
-
給与の支払について(大至急) 賃金支払の5原則の1つに毎月払い... [2005/11/08]
-
給与テーブル改定について 現在、給与テーブルの改定案を作成... [2018/03/22]
-
給与〆日の変更による収入減に関して 人事関連担当では無い為、質問させ... [2008/05/23]
-
勤務中に所用で抜けた際の給与計算について 勤務中に所用で1時間ぬけた際の給... [2014/07/24]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
銀行口座への給与振込同意書
給与を銀行口座へ振り込んで支払うためには、従業員から同意を取る必要があります。本テンプレートをひな形としてご利用ください。
育児短時間勤務規程
育児・介護休業法などの法律に定められた育児短時間勤務制度を自社に導入する際の規程例です。
検温規程
企業のルールとして設置する検温規程の例です。新型コロナウイルス感染症に対応しています。
減給処分通知
減給処分とは給与を減額する懲戒処分を指します。ただし、その差し引く金額は労働基準法第91条により限度が決められています。
ここでは減給処分通知のテンプレートを紹介します。