退職勧奨と解雇
お世話になっております。
退職勧奨を行う基準につき、お伺いします。
いわゆるlow performerに関して、退職勧奨を行いたいという会社の意向なのですが、
low performer そのものの定義は、社内では、はっきりいたしておりません。
おそらくは、業務引継ぎがない中での、些細なミスの連続や、人間関係やコミュニケーションの齟齬などから、ネガティブな印象のみが上層部へ報告されていった結果の会社の結論のように感じます。(個人的には好き嫌い判断に近いものも感じてしまいます。)
退職勧奨そのものは、会社からの依頼ということなので、就業規則等に規定がなくてもよいとの理解ですが、口頭のみでの通知で足りるのでしょうか?あるいは文書で通知すべきなのでしょうか?
また、退職勧奨に応じない場合は、解雇すると予告してしまってもよいものなのでしょうか。
よろしくご教示のほど、お願いいたします。
投稿日:2019/04/03 13:27 ID:QA-0083530
- mikelovingさん
- 三重県/精密機器(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
退職勧奨と解雇の手順
▼ 先ず、退職勧奨とは、会社が労働者に対して、自ら退職するように働きかける行為を言いますが、労働者の側にこれに応じる義務はありません。それどころか、社会的に不相当なやり方で行われた場合は、違法行為となります。文書通知は必須事項です。
▼ 次に、合法的な勧奨で決着せず、解雇措置に進む場合は、その旨、就業規則の定めに基づき実施することになりますが、解雇を必要とする十分な事由と裏付けが必要です。
▼ 尚、解雇予告をしないで、即時に解雇しようとする場合は、解雇と同時に平均賃金(過去3か月間における1日あたり賃金)の30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。
投稿日:2019/04/04 12:35 ID:QA-0083554
相談者より
ご回答ありがとうございます。
当該社員は社長に呼ばれ、すでに口頭で「退職勧奨」されたようです。退職勧奨を受入しないのであれば、口頭で解雇すると予告されたようです。
投稿日:2019/04/05 08:47 ID:QA-0083579大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
退職勧奨自体は口頭でもかまいませんが、合意書は書面で準備しておくべきといえます。
退職勧奨に応じない場合は、解雇するとの予告はタブーです。
解雇予告した場合には、解雇を予告したから合意したということで、退職勧奨合意が無効となるケースが多いからです。
投稿日:2019/04/04 15:27 ID:QA-0083565
相談者より
ご回答ありがとうございます。
当該社員は社長に呼ばれ、すでに口頭で「退職勧奨」されたようです。退職勧奨を受入しないのであれば、口頭で解雇すると予告されたようです。該当社員は選択肢がなくなってしまった感じですが、ど同時に就業規則上、解雇するほどの理由に相当するのかどうかも判断が困難に感じます。就業規則上の解雇の規定には、「勤務成績が著しく不良で勤務に適さないと認められたとき」とありますが、その判断は極めてあいまいで判断する側の主観に左右される要素が高い気がいたします。
投稿日:2019/04/05 08:50 ID:QA-0083582大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、退職勧奨につきましてはあくまで当人の意思に基づき退職が決められるものですので、直ぐさま文書で通知する義務まではございません。
むしろ重要な点は、そうした形式上の問題ではなく、対象となる社員が実際に退職勧奨に値する人物であるか否かという事になります。仮に退職勧奨を拒否された後に解雇予告をされた場合、こうした観点から行き過ぎた措置ということになれば、訴訟等のトラブルになった際に解雇権の濫用としまして解雇は無効となり会社の信用も大きく失墜することになりかねません。
従いまして、まずは退職勧奨を本当に行ってよいかについて、今一度当人の勤怠や業務姿勢や成績といった点を精査され、就業規則上の解雇事由に該当するものであるか否かを慎重に見極められる事が先決といえます。
投稿日:2019/04/04 17:50 ID:QA-0083572
相談者より
会社(社長)としては、すでに弁護士に相談しているようで、解雇手当さえ支払えば、解雇権乱用にはならないと強気のようです。ひじょうに問題があるようには思いますが、実際にはどのような「著しい成績不良」があれば解雇権を発動できるのでしょうか?よろしくご教示のほど、お願いいたします。
投稿日:2019/04/05 08:52 ID:QA-0083584大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件ですが、明確な基準はございませんので、個別の具体的事情によって判断されることになります。また、少なくとも就業規則上の解雇事由に該当する事は不可欠といえます。
加えまして、仮に相当の勤務不良等があったとしましても、十分な改善指導を行っていなければ解雇は時期尚早としまして無効とされる可能性が高くなります。
従いまして、詳細事情を踏まえた上での判断が必要ですので、相談されていた顧問弁護士にご確認の上対応を図られる事をお勧めいたします。
投稿日:2019/04/05 09:11 ID:QA-0083585
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2019/04/05 13:51 ID:QA-0083607大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
解雇プロセス
解雇プロセスには高いハードルがあり、経営者の一存で簡単にクビにすることはできません。退職勧奨は正に「勧奨」であって、ここに威圧的な言辞(暴力は論外)などあれば退職強要となり、きわめて不利になります。またローパフォーマーの基準すらもないような状態では、およそ会社側が裁判で勝てるとは考えにくいと感じます。
「判断があいまい」などはすべて会社側に証明責任があり、それは個人がダメというだけでなく、他の社員と比べた明確な差や、指導結果の改善の無さといったことを証明する義務があります。30日予告手当を払っただけで簡単に解雇ができるなら、世の中で退職強要など起こるはずがありません。
投稿日:2019/04/05 09:54 ID:QA-0083593
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2019/04/05 13:52 ID:QA-0083608大変参考になった
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