パート社員に対する退職勧告について
昨年12月に採用したパート社員なんですが、仕事内容が悪く 再三、注意・指導しているのですが、一向に改善する気配が見られません。仕事能率が悪く他の社員にも悪影響を与えるので、退職するよう勧告しようと思うのですが、法的問題点はありますか?
投稿日:2007/01/22 09:14 ID:QA-0007204
- Y Wさん
- 大阪府/フードサービス(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
パート社員に対する退職勧告について
■一般的な普通解雇に関する法的条件は次の通りです。
(1)30日前までに解雇の予告をするか、30日前までに予告をしない場合は平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払うこと。
(2)労基法、雇用機会均等法、育児・介護休業法等の法定に違反しない解雇理由であること。
(3)就業規則などに定めた解雇事由や手続きに違反しないこと。
(4)解雇事由が客観的に合理的であり、公序良俗に反しないこと。
(5)解雇手続きに面で、対象者と十分な話し合いをするなど、信頼関係を著しく損なう方法を採らないこと
■次に勤務態度、協調性、犯罪行為、複数就労、能力などのケースがありますが、今回ご相談の「一般の社員が能力不足であった場合」の解雇に際しては、次の諸点への配慮が必要です。
(1)就業規則などの解雇事由に該当しているか
(2)能力不足の程度が解雇もやむをえないほど著しく低いのか
(3)教育訓練の実施など能力向上のための努力を十分おこなったか
(4)本人に改善の意欲がないなど将来に亘って能力向上の見込みがないのか
(5)能力を発揮できそうなほかの部署・職務への配慮を検討・実施したか
(6)他の社員と比較して、不均衡な取り扱いをしていないか
(7)会社の指導や管理体制に落ち度はなかったか
■ご相談のケースですが、少なくとも次の諸点にご注意下さい。
(1)成績不良がかなり著しいこと
(2)その事実を都度指摘しメモに残したり、本人に書面を交付するなどの証拠を残したりしておくこと
(3)配置転換の検討、改善の機会の提供など解雇に至るまでの会社の対応の記録
■能力不足を事由とする普通解雇は、解雇の中で最も取り扱いの難しい事項です。解雇権乱用法理においては、解雇には客観的合理性と社会的相当性が必要とされ、平成16年施行の改正労基法(18条の2)にて法文化されています。ご相談内容から、あまり大事にならず決着できるように思いますが、心構えとしては、上記の説明をシッカリ抑えて頂くことをお勧め致します
投稿日:2007/01/22 13:00 ID:QA-0007212
相談者より
投稿日:2007/01/22 13:00 ID:QA-0032916大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
退職者の有給について パートで退職された方がいますが、... [2024/08/23]
-
退職日前の退職金一部(または全部)支払について 3月末付で退職予定の従業員に対し... [2009/02/13]
-
退職日 当社は退職の申し出があった者に対... [2010/05/15]
-
パート社員の退職勧告について 2 記述もれの為追加します。今の所の... [2007/01/22]
-
64歳と65歳の失業給付金について 退職日を迷っておられる社員がいる... [2017/02/16]
-
希望退職募集の場合の退職金 経営がかなり逼迫している状況で、... [2010/11/30]
-
退職率 よく退職率 何%と表示があります... [2006/11/24]
-
定年退職時の退職金 定年退職時の退職金支給について... [2008/02/14]
-
退職金の精算 現在ある退職金制度を今後、なくし... [2009/04/13]
-
退職(自己退職と合意退職の相違)について 以下、教えていただけますでしょう... [2008/12/22]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
退職理由説明書
退職合意済みの社員に、どのような理由で退職に至ったかを記入してもらう書類です。ヒアリングは慎重に行いましょう。
退職証明書
従業員が退職したことを証明する「退職証明書」のサンプルです。ダウンロードして自由に編集することができます。
退職承諾書
退職届を受理し、承諾の旨と今後の指示を記載した書類です。
退職手続きリスト
従業員の退職では社会保険や退職金の手続き、返却・回収するものなど、数多くの業務が発生します。ここでは必要な退職手続きを表にまとめました。ご活用ください。