異動の内示を行ったら退職を仄めかした。
当社のA部に問題社員がおります(業務命令無視しがち、部内協業が全くできない)。
特に部内で他者との協業ができないので、一人で完結可能な業務を遂行できるB部への異動を計画し、会社の決裁を取得の上、本人に内示を行いました。(尚、異動日は10月1日、勤務地は同じです)
ところが本人は、異動を命じられるならいっその事会社を辞める、実は異動云々以前からとある事情で(時期は決めていなかったが)退職することを考えてた、と言いだしております。
そこで、自分の意思で会社を退職したいのであれば、本人にすぐに退職届を提出させるよう伝えていますが、退職を仄めかしているもののなかなか退職届を出してきません。
・A部の部員はその問題社員のために体調不良になった者もいる。
・B部は新しいプロジェクトを手掛けようとしており、そのため人手が必要で本人が異動してくることに期待し、体制も整え始めている。
・退職届がこのまま出ないと、決裁通りB部に異動を実施することになるが、その場合は本当に退職する可能性が高い。この場合B部は非常に困ったことになる。
・かと言って、本人の異動決裁を白紙に戻し他の社員をB部にあてがった場合、結局本人が退職の意思自体を撤回する可能性がある。(本人にとって居心地がいいA部に居座ったままで、気が向いたら退職するというケースが想定される)
要は「退職の仄めかし」をタテに取られ、会社としてアクションを取りずらい状況です。
退職を仄めかしているからと言って、また異動が実施できないじゃないか、といって、早く退職届を出せと強く言い続けるのもどうなのかと思います。
本人から退職届が出るまで会社はアクションが取れないのでしょうか?
会社としてはいかなる対応を本人に対して行うべきかアドバイスあれば宜しくお願いします。
投稿日:2016/09/15 18:51 ID:QA-0067504
- jyuuninnasunoさん
- 東京都/販売・小売(企業規模 3001~5000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、恐らく退職する意思はなく、いわゆる「ごね得」を狙っているものと推察されます。
そうであれば、退職届を出さないのは当然ですので、これを機に異動拒否を理由とした解雇措置を検討されるのが妥当といえるでしょう。就業規則に異動の定めがあれば、原則異動を拒否する事は出来ませんので、特段の事情でもない限り会社の命令に従わないものとして解雇事由にもなりえます。
加えて、これまで多くの問題を起こしてきた社員でもありますので、都度きちんと注意・指導を行ってきていれば、解雇が無効とされる可能性は低いでしょう。
具体的な対応としましては、異動には従ってもらう必要があり、拒否された場合は解雇も当然ありえるといった話をすべきです。それで異動に従えば、決済された以上異動させればよいだけです。
但し、異動の際に「B部は… 本人が異動してくることに期待し」ということであれば、事前にB部に異動事情を説明しておかれるべきです。会社で正式に異動内容が決まった以上、事情が分かってもB部としても異動を受け入れなければなりませんので遠慮は無用です。過剰な期待を抱かせる事によって、後で問題になる事だけは避けるべきです。
投稿日:2016/09/16 10:27 ID:QA-0067515
相談者より
ご回答、深謝申し上げます。
仰る通り、退職の仄めかしは大部分「ゴネ得狙い」だと思います。
一方で、「時期は未定だが、近いうちに退職しようかと考えていた」という可能性は十分あり得る状況でもあります。その場合、アドバイスに準じて「退職を仄めかしていながら退職届をなかなか出してこない状況は、事実上異動を拒否している事であり、その場合は解雇もありえる」という話をした場合、「自己都合退職の意志は前から本当にあった。ただ事情で時期を決めていないだけ。いったいいつまでに退職日を決定し、退職届を出さなければ解雇になるのか」と切り返される可能性を危惧している次第です。アドバイスございますでしょうか。
(尚、B部は本人の事はよく承知している状況です。ただいつ退職するかもわからない本人を受け入れる事はさすがに承知しがたいと考えてます)
投稿日:2016/09/16 14:40 ID:QA-0067526大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
異動命令に従うか、自己退職か、強く迫るのベスト
▼ 企業組織の維持発展には、人的経営資源としての社員の組織内異動は当然必要です。殆どの企業では、就業規則において、その旨を定めています。但し、会社側に就いては、「人事権の乱用の禁止」、従業員側に関しては、「通常甘受すべき不利益の受忍」が課され、極力、円満な異動が期待されています。然し、現実は、スムーズに行かないケースが頻発しています。
▼ ご相談の事案に就いては、本人には、協調性が著しく欠如している(これまでの考課歴に記録されていますか?)様子である一方、会社の対応姿勢は、軸足が定まらず、振り回されている状態です。先ず、本人に「異動拒否できる合理的理由が全くない」どころか、「退職を仄めかしている状況」は、雇用者、被用者関係が逆転している様にさえ映ります。
▼ B部部署のウエルカム姿勢の根拠は分りませんが、人事部から一言声かけをした上で、本人に、「あくまで異動命令を拒否するのであれば、自己都合退職して貰って結構だ」と、強く申し渡すのが、現時点での最善の措置だと考えます。これだけのゴタゴタマンであれば、実際に辞めて貰っても、補充方法も難しくないような気がします。
投稿日:2016/09/16 11:47 ID:QA-0067520
相談者より
ご回答、誠に深謝申し上げます。
まず、本人の、協調性の欠如は考課歴に記録しております。
(雇用者、被用者関係が逆転している様にさえ映ります。)…本人は本当に近い将来自己退職を考えていた可能性もあり、「その時期をいつにするか」が一種の武器としてちらつかせている状況であり、仰る通り右往左往させられている状況です。
したがって「やめてもらっても結構だ」という事を言うと、「だから辞めるつもりだと言っている。時期が都合で決まらないだけだ」と切り返される危惧がある状況です。
投稿日:2016/09/16 14:40 ID:QA-0067527大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
「本人から退職届が出るまで会社はアクションが取れない」ということはありません。
10/1は近づいておりますので、内示は済んだわけですから、本人を呼び出して、早めに辞令を交付することです。
恣意的な不当な異動でない限り、業務命令として有効となります。
投稿日:2016/09/16 13:59 ID:QA-0067523
相談者より
ご回答誠にありがとうございます。
はい、仰る通り本人への辞令交付(発令)は必須だと認識しましたので、このステップは早急に実施するようにします。
投稿日:2016/09/16 17:22 ID:QA-0067532大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「自己都合退職の意志は前から本当にあった。ただ事情で時期を決めていないだけ。いったいいつまでに退職日を決定し、退職届を出さなければ解雇になるのか」と切り返される可能性を危惧している次第です。アドバイスございますでしょうか。」
― 自己都合退職の日を決めるのは原則当人の自由であって、会社が決める事ではございません。逆に会社が決めれば、それは解雇という事になります。つまり、話し合いでの合意退職でない限り、「いつまでに退職」「いつまでに解雇」等といった話をお互いにされる必要はございません。
このように全く理屈の通らない発言に対しては、「自己都合退職に期限はないので貴方の自由です。但し、会社としては異動に従わない状態である以上、貴方がいつ退職届を出されるかに関係なく解雇を粛々と検討することになります。解雇日をいつにするかは検討の上会社が決めることですので、申し上げる事は出来かねます。」と正論を述べればよいだけで、心配無用です。
勿論、解雇の場合には、労働基準法で定められた30日前の解雇予告措置(または解雇予告手当の支払)を取らなければなりません。また、予告期間中に当人から自己都合退職したいとの申し出があれば有効になりますが、その場合は解雇予告も無効となりますし、早々に辞めてもらえますので返って有難いといえるでしょう。
投稿日:2016/09/16 23:10 ID:QA-0067536
相談者より
御礼遅くなりました。
異動拒否のケースでの対応、よく理解できました。
尚、退職届が出てこない以上、粛々と異動発令を出すようにしたいと思います。
投稿日:2016/09/27 13:35 ID:QA-0067645大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
異動実行
内示は内示であって、本人との円滑なコミュニケーションのためにおこなっているものであり、いちいち社員の了解を得なければ異動できないものではありません。反論を気にする必要がなく、粛々と異動を実施するだけです。本人がいつ退職するかなど、会社の干渉することがあればそれこそ退職勧奨だとゴネる可能性があります。
このような事態に至った管理上の責任が大きく、本人が文句を言っても放置したり、はれ物に触るように特別待遇を放置するのは、周囲の社員が嫌気をさしたり大きな影響があります。反抗のたびに指導とその改善結果を面談で繰り返すことで解雇にも至れますので、トラブル社員にしっかりと向き合って対処すべきです。
気になるのはこれだけ問題を抱えている社員を欲しがる部署ですが、本当に理解しているのでしょうか?仮に異動した場合、周囲の社員に悪影響が及んだりしないよう、現部署が出来ていない人事管理を徹底することを強く課し、もちろん人事も並行して管理を実施するなど、問題の先送りにならないようご留意下さい。
投稿日:2016/09/17 13:11 ID:QA-0067539
相談者より
御礼遅くなりました。仰る通り粛々と発令を出すのみだと思います。当然異動先の長には状況をよく説明の上実施することといたします。本人は問題社員ではありながら、客先からの評価は良好で、それなりに実力はあり、その点は異動先の長は認めているところです。
自分本位で仕事を進めるため、たとえば部内で業務の分業体制を敷いている場合は、他者との協調性が全く無いため全体の業務進行に支障が出ますが、すべて自己完結で進められる業務に関しては、そこそこ貢献はするだろうと判断しております。
投稿日:2016/09/27 13:42 ID:QA-0067646大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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