入社時期延期を理由とする内定取消
先日、中途採用を決定し、11月1日付入社にて内定通知書を先日交付しました。
ところが、内定者より、現職から強く慰留されていて、1~2週間程度入社が遅れそうとの連絡が入りました。
その程度ならと認めましたが、更に延期になりそうな情勢になってきました。
当社としても早急な人員補充が必要であり、これ以上の延期は問題あると考えております。場合によっては、他の人材を獲得しようかと考えておりますが、
入社時期延期を理由とした内定取消は認められるものでしょうか?
新卒の場合、卒業延期は取消理由と認められているようですが、中途の場合も、これに準拠した解釈が認められるのでしょうか?
投稿日:2006/10/02 15:19 ID:QA-0006201
- *****さん
- 大阪府/化学(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
入社時期延期を理由とする内定取消
■内定期間中の雇用関係を明記した法文はありませんが、中途採用に就いての判例の大筋としては、「採用時に明示された採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立」しているものと理解されています。分かりやすく言えば、就労の有無という違いはあるが、「一定の試用期間を付して雇用関係に入った者の試用期間中の地位と基本的には異なるところはない」ということになります。
■ご質問のケースでは、内定を取消すことのできる該当事由が発生すれば、内定取消は認められることになります。本人に交付した内定通知書に、11月1日付入社が採用条件として、明記されているならば、ご相談のように、本人側の理由による再度に亘る入社日延期により、採用側の業務に著しく不利な影響をもたらす場合には、履行の催告をした上で、内定契約を取消すことができることになります。
■理論的には、契約不履行による損害賠償の請求も可能ですが、労基法第16条では「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めており、内定者と損害賠償を予定するような約束を交わすことは一切認められていませんので、注意が必要です。然し、労基法が禁止しているのは、あらかじめ違約金を定めることや損害賠償の額を予定することですから、契約不履行により現実に生じた損害についての賠償請求をすることは可能なことを覚えておきましょう。
投稿日:2006/10/03 12:04 ID:QA-0006211
相談者より
ありがとうございました。
大変参考になりました。
投稿日:2006/10/03 12:10 ID:QA-0032572大変参考になった
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