期間の定めのない準社員について
雇用期間の定めのない社員として、「正社員」と「準社員」があります。
「正社員」については、当然就業規則に則った労働条件になっています。
「準社員」については、概ね就業規則に則っているものの、一部異なっており、入社時労働条件通知書として採用者に通知しています。
労働条件の差異は以下となります。
労働条件は別途通知した就業規則に比べて、労働者に不利になっています。
労働者が了解すれば問題ないのでしょうか。
それとも「準社員」のような中途半端な区分をやめて、正社員、契約社員などに分けてしまった方がいいのでしょうか。
労働条件の差異
1)諸手当
正社員:職務手当、扶養家族手当、住宅手当、営業手当など
準社員:上記手当はなし。ただし、残業手当、休日出勤手当はある
2)退職金
正社員:あり
準社員:なし
3)昇給
正社員:あり
準社員:54歳まで
4)1日の労働時間
正社員:8時間
準社員:8時間 または 7.5時間を選択
5)仕事内容
正社員との区別は明確ではない。
強いてあげるなら、配送事務、営業補助業務は準社員扱いとなっている。
本Q&Aの場で、過去「準社員」に関するものがありましたが、今ひと理解できなかったので、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
投稿日:2014/08/12 11:58 ID:QA-0059857
- bonsan1956さん
- 大阪府/食品(企業規模 51~100人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、法律上就業規則は雇用契約書(労働条件通知書)よりも優先するものとされています。
従いまして、御社の場合、準社員用の就業規則がなければ、就業規則の内容は準社員にもすべて適用しなければなりません。仮に労働条件通知書の内容に関して労働者の同意があっても就業規則上の労働条件が適用されることになります。
つまり、就業規則に則らない労働条件通知書の内容は有効になりえませんので、現状のままですと準社員から正社員と同じ処遇を求められても拒否出来ない事になります。
対応としましては、直ちに準社員用の就業規則を整備され、準社員に周知させることが不可欠です。その際、就業規則の変更による労働条件の不利益変更となりますので、変更した規則について準社員の個別同意を得る事が求められます。比較的会社を信頼している準社員ばかりですとよいのでしょうが、そうでなければ労働条件を巡るトラブルになるリスクもございますので、そのような可能性があるようでしたら、お近くの労働問題に精通した弁護士等の専門家に直接ご相談された上で慎重に対応される事をお勧めいたします。
投稿日:2014/08/13 23:00 ID:QA-0059864
相談者より
ご回答ありがとうございました。
現状では労務管理上問題がありますので、慎重に対処するようにいたします。
投稿日:2014/08/18 17:37 ID:QA-0059898大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
準社員について
会社として、準社員の定義、正社員と準社員の違いを明確にしておく必要があります。
方法としては、以下3つの方法があります。
1.正社員用就業規則の中で、就業規則の適用区分を明確にし、準社員は別途労働条件
通知書(契約書)によることを規定しておく。
2.就業規則で、扱いが違う部分を別々に規定する。
3.準社員用就業規則を別途作成する。
投稿日:2014/08/14 08:02 ID:QA-0059867
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2014/08/18 17:38 ID:QA-0059899参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 大隅 隆行
- 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 人事コンサルタント/社会保険労務士
お答えします
ご質問の準社員は、正社員就業規則を準用し、相違ある事項は個別の労働条件通知書で
明示しているとのことですが、この場合、就業規則の適用範囲が「正社員へ適用。
正社員(準社員等)以外は、別に定めることがある(又は個別に定めることがある)」と
規定されていることが重要なポイントです。当該規定がされていない場合は、早急に
改定いただく必要があります。加えて、労働契約や就業規則の内容が労働基準法等の
労働法制を下回るような内容があった場合は、
労働基準法(労働法制)>就業規則>労働契約の法則がありますので、
その点でも精査する必要があります。
もし、就業規則において上記内容が踏襲されていて、個別の労働条件で相違部分を
双方合意できているのであれば問題はありません。
ただ、人材マネジメントの視点からは、準社員の社員区分は非常に気になります。
職務内容、役割が正社員との相違が明確ではないにもかかわらず、処遇については、
根拠のない相違を持たせている点は、準社員のモチベーション・不平不満につながり
トラブルの可能性も大いに孕んでいますので、その点は、十分に整備されることをお勧めします。
以上
投稿日:2014/08/14 11:34 ID:QA-0059868
相談者より
ご回答ありがとうございます。
適切に対処するよう検討いたします。
投稿日:2014/08/18 17:39 ID:QA-0059900参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
定義を明確にし、存続が必要なら、準社員用就業規則を作成、不要なら差別廃止を
労働法上に 「 準社員 」 という用語はありません。 その定義は会社によって異なりますので、 「 準社員 」 問題を検討する場合には、 その実態を明確にさせることが必要です。 御社の場合、 ご説明では、 最も肝心な 「 仕事内容 」 の区分が、 正社員、 準社員間で、 明確ではないうことなので、 「 準社員 」 そのものの存在に、 合理性が欠けていると看做されます。 「 労働の質 」、 「 所定労働時間の長短 」、 「 雇用保証期間の有無 」、 「 転勤義務の有無 」 などの諸点に明確な差が存在し、 且つ、 それらの要員が必要であれば、 積極的に、 「 準社員 」 用の就業規則を作成し、 そうでなければ、 廃止すべきだ考えます。
投稿日:2014/08/14 21:21 ID:QA-0059873
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2014/08/18 17:40 ID:QA-0059901参考になった
プロフェッショナルからの回答
リスク管理
ご提示の内容ですと、正社員と準社員の区分の意図がわかりかねます。ほとんど同じ業務をしていても待遇が違うというのは、トラブルになるリスクはあっても、会社側のメリットがわかりません。
おっしゃるようにたいした意味がすでに無く、感覚的で慣用的な運用が残っているだけであれば、そもそも準社員制度を継続する意味があるのかを再検討されてはいかがでしょう。明確に会社として存続を決めるのであれば、就業規則や賃金、昇格昇給のルール作りなどに躊躇せず着手する必要があります。コストもかかりますが、それでも継続するという強い意志があって初めて成り立つものと思います。
投稿日:2014/08/15 00:32 ID:QA-0059874
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2014/08/18 17:40 ID:QA-0059902参考になった
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