有給休暇超過は単年処理か次年度付与分での相殺か
いつも参考にさせて頂いております。
弊社の就業規則内で明確な言及がなく、一般的な解釈、処理されているのか
知りたく投稿いたしました。
◆社員が今の時点で(例えば11月)本年度付与された有給休暇数(例:10日)を超過した場合
(例:3日分)、同年度内に超過分を給与から差し引くなどして一旦全て精算事務処理をすべきなのか
◆該当社員が次年度退職しない可能性が高い場合、超過分をマイナス3日と記録しておき、
新規与有給休暇で埋め合わせ計算をするなどの幅を持たせているのか
今までどちらかと言えば、後者の足し算引き算処理をしておりました。言葉を替えると
有給休暇の前借というイメージでしょうか、、、つまり、最終的な精算は、該当社員が退職する時に
入社時から遡って残数を確認という形を取ってきました。
絶対的な確答はないにしても、ご時勢に沿ったで処理の仕方を参考までにお聞かせ頂ければ
助かります。
投稿日:2013/11/12 10:54 ID:QA-0056814
- 非公開さん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 31~50人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、このような措置はあくまで会社の好意で行っているものであって、一旦取得を認めた有休分の給与を後日控除したり、或いは次年度の年休日数から差し引いたりすることは出来ないものといえます。これらの場合、賃金全額払いの原則や新たな年度の法定年休付与日数に反する事になり、労働基準法違反となるものといえます。
そもそも年休を使いきって取得権利の無いはずの年休を超過して取得させるといった措置自体が無原則ですので当然ながら避けるべきです。このようなケースではルール通り無給の欠勤扱いとされるか(そうすれば、仮に当月欠勤控除しなくとも後日過払い分として給与から差し引き清算することも可能)、或いはどうしても特別の事情等で欠勤扱いを避けたい場合には、年休制度とは完全に切り離した御社独自の特別休暇として処理すべきといえます。
投稿日:2013/11/12 11:29 ID:QA-0056815
相談者より
服部先生、早速のご回答、有難うございます。
弊社では、実態として「正直に超過しました」と申し出た者にキッチリと処理をしています。
つまり、故意か認識不足かは定かではないのですが、人事によるチェック機能を設けていない為
(身内ですが怠慢としか…お恥ずかしい次第です)
超過をスルー状態のまま次年度を迎えるの社員の実態を黙殺していると言えます。
少しでも改善に繋げられる様、努力したいと思います。
投稿日:2013/11/12 11:48 ID:QA-0056817大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
未付与有休の 「 借り貸し 」 はできない
有休休暇は、 労基法39条の定め依り、 過去の勤続実績に対し、 労働者に与えられる権利で、 会社との間で、 「 借り貸し 」 できるものではありません。 ご相談の 「 相殺 」 に絞って云えば、 次の付与時期に付与されると推量される未付与の有休を前貸 ( 労働者としては、前借 ) し、 今期の欠勤を出勤として利用することはできません。 この回答は、まず。絶対的見解です。
投稿日:2013/11/12 11:36 ID:QA-0056816
相談者より
川勝先生、力強い見解、大変参考になりました。
そもそもは、リアルタイムに事細かくチェックも指摘もしない「社員の良心的行動に任せている」としている人事の姿勢に起因と私は考えており、人事部に入社配属されてから、ずっと違和感がありました。
ですので、今回もまた勇気をもって外部に聞いてみた次第です。まずは人事内の身内の意識改革から始めねば、しかも下からになりますが、踏ん張ってみます。
投稿日:2013/11/12 12:01 ID:QA-0056818大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
有休管理について
まず、労務管理の一つとして、会社は当然に社員の有休を管理する必要があります。
有休取得日数、残日数を会社が管理していなければ、社員の有休申請に対して、
判断できません。
有休の前借などは、応じる必要はありませんし、原則、応じるべきではありません。
他の社員も応じなければ、不公平となりますし、付与日前に退職してしまうケース
もあります。
投稿日:2013/11/12 22:00 ID:QA-0056823
相談者より
小高先生、ご助言有難うございます。
投稿日:2013/11/13 14:12 ID:QA-0056834大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
人事機能
有給管理をしないという例を存じませんので、ご提示のような社員の自主性に任せるというのも、個人会社に近い数人の組織では無くはないかも知れませんが寡聞にして存じません。有給の前借も同じで、管理ができないのに、そのような複雑なシステムは運用できないのではないでしょうか。社員に優しいシステムとも取れますが、無意味に会社がリスクを負っていると感じます。
「コンプライアンス強化」を理由に、今後はそうした扱いはしない、人事が有給管理を行う、といったような改善を同時に行うべきかと思います。
投稿日:2013/11/12 23:10 ID:QA-0056825
相談者より
増沢先生、ご指南有難うございます。
社員からの自己申告をそのまま記録保管する作業を弊社の人事では「管理している」と呼ぶらしいです。
増沢先生だけでなく他の先生達の仰せはまことにごもっともです。
「人事として十分に責任のある」管理なのかと自問自答し、正しくないと思ったら、質問したのだと思います。
投稿日:2013/11/13 14:24 ID:QA-0056835大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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