入社まもなく、うつ病になった社員の取扱い
当社では、今までに欠勤が3ヶ月に及んだため休職となり、復職できない場合は退職してもらうということがありました。今回は、入社し研修後1ヶ月して、自律神経失調疾と診断され、休むようになった社員に対し、精神または身体の障害もしくは虚弱、老衰、疾病のため、業務に耐えられないと認めたときの要件にて、解雇できるかお聞きしたいと思います。できれば、復職しても、当社のやり方(スピード)になじめず、悪化することが予想されます。退職を勧奨したいと思ってますが、応じない場合、(休職となる前に)、先ほどの解雇要件に照らして解雇することはできないでしょうか。(9月末までは、試用期間中となります。)なお、入社以前から病気だったのか、職場配属後、害したのかは定かではありません。
投稿日:2006/05/30 17:23 ID:QA-0004891
- かめちゃんさん
- 大阪府/その他業種(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
試用期間中の傷病の扱いについて
ご質問はなかなか難しい案件かと思います。精神疾患ということですが、まずは診断書記載の症状から会社の産業医とも相談のうえ、先々の見込みについて再度確認されることが必要かと思います。
微妙なのは、入社時には健常でその後発症したとみなされる場合です。この場合、就業規則に「試用期間中は休職規定の適用を除外する」と定めてあるのならば、解雇も可能と考えられますが、そうでないと他の社員と同様に休職規定が適用されることとなります。
確かに、試用期間中の解雇は正社員よりも許容範囲が広いには違いないのですが、もし微妙な状況であるのならば、本人及び家族に誠意をもって説明し、本人からの円満退職に持ち込むのが適切であるかと思います。
投稿日:2006/05/30 20:29 ID:QA-0004894
相談者より
投稿日:2006/05/30 20:29 ID:QA-0032035大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご相談の件ですが、内容を見る限りでは「業務上の傷病」かそれとも「私傷病」なのかが明らかになっていないようですね。
まず当該労働者の「自律神経失調症」が御社の業務と因果関係があるものかどうかを確認することが後々のトラブルを回避する上でも最も重要なことです。
「自律神経失調症」は「うつ病」と違い、精神的・肉体的なストレスのみが原因とは限らないようです。
専門家である医師の診断書を取った上で、「因果関係有り」となれば、当然労災適用の可能性が高まりますので退職云々の問題の前にそちらの申請をされることが必要です。(*本来であれば、あくまで病気と判明した時点で確認しておくべき事柄です。)
もし業務に関係なく発病したか、その可能性が高いと診断されたならば、試用期間で幅広い解雇権が企業側に認められることからも就業規則に基く本採用拒否(つまりは解雇)は可能でしょう。
但しその場合でも、通常より慎重さを求められる事案と思いますので、出来れば「他の軽易な職務への配置転換の検討」→「退職勧奨」→「解雇」といった手順を踏まれる方が望ましいといえます。
投稿日:2006/05/30 23:50 ID:QA-0004895
相談者より
投稿日:2006/05/30 23:50 ID:QA-0032036大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 斉藤 実
- 株式会社ネクストエデュケーションシンク 代表取締役社長
リスクマネジメントとして、うつの早期発見、予防、早期ケア対策
このような難しい状況となりますと、どなたでもご対応に苦慮されることと存じます。最近類似のご相談が増えてきております。
一説ではストレスの多い現代では、軽いうつも含めれば社員の30%が予備軍との意見もございます。風邪をひくのと同様、だれにでもおきることであり、特別なことでは無くなってきております。早めのケアをしながら上手くつきあっていくことも必要かもしれません。
今後の対策としてとなりますが、どこかでお役に立てればと思い記しました。
①採用面接の時点で、一般の面談対話ではなかなか見えませんので、潜在的な鬱傾向を早期発見できる適性診断を導入され、適切な対応をされるのが一番効果的です。
②また、内定した時点、入社時などにも、定期的にモチベーションの確認と合わせて診断をして、早期発見できれば、対策が早くとれます。
さらに、早めに専門家による心のケアや、治療、仕事の内容変更、異動、上司の配慮などで症状を軽く押さえることができます。
今回のケースはわかりませんが、せっかく時間をかけて選考をされた上で採用された方でいらっしゃいますので、もし治るものならば、仕事に就いていただいた方が、双方よろしい場合もあるかと存じます。
一般的にうつになる方は、元々まじめで、仕事も一生懸命される性格の方のほうがなりやすいものです。対応後、ストレスマネジメントをされながら活躍される方もいらっしゃいます。
③産業医の方、心理カウンセラーなど専門家の方と顧問契約などをされ相談され、いつでも予防処置や、早期対応が取れるようにしておく。
などが今後の対策として有効と存じます。
投稿日:2006/05/31 02:41 ID:QA-0004896
相談者より
投稿日:2006/05/31 02:41 ID:QA-0032037参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
入社まもなく、うつ病になった社員の取扱い
■経営の立場から言えば、<復職しても、当社のやり方(スピード)になじめず、悪化することが予想される>現況では、2億円とも3億円ともいう生涯人件費の投資リスクは、回避する方策を採ることは至上課題でしょう。。
■試用期間中の労働契約は、解約権留保付労働契約であって、最高裁判決において「このような留保解約権に基づく解雇は通常の解雇よりも広い範囲で解雇の自由が認められてしかるべき」と判示されていることは、他のご回答者のご指摘通りです。そのような留保解約権のついた期間に対し、被雇用者の権利としての休職規定が無条件に適用されるとはとは考えられません。
■雇用期間の満了以外の解雇事由は、大きく下記の通り3分類され、今回の事例は<1>に対応します。
1 労働者の労務提供の不能、労働能力又は適格性の欠如・喪失によるもの
2 労働者の規律違反の行為によるもの
3 経営上の必要性によるもの
■但し、今回のケースには「試用期間中」と「神経性疾病」という二つの特殊要因があります。前者については、就業規則上の明記がない点に少々心細さを覚えるかも知れませんが、明記の有無に関わらず、留保解約権の適用行使が可能だと考えます。後者については、会社産業医と協議の上、然るべき専門家の診断を早急に入手して下さい。診断書と産業医の意見を参考に次のステップを検討されることをお勧めします。(弊職としては、現時点で、これ以上の確定的にコメントすることはできません)
投稿日:2006/05/31 11:54 ID:QA-0004901
相談者より
投稿日:2006/05/31 11:54 ID:QA-0032039大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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解雇の際にはしかるべき手続きを踏む必要があります。解雇をする前によく指導・検討してください。本通知書は解雇理由の例を記載しています。
復職申請書
復職申請書のテンプレートです。
傷病による休職を経ての復職の場合は、復職申請書と医師の診断書をもとに復職可否を判断します。また時期の明確化、記録のために復職許可証を発行するとよいでしょう。
入社手続きのご案内(新卒採用者用)
新卒採用者に入社手続きを案内するためのテンプレートです。