定年再雇用者の月額給与と高年齢雇用継続給付金の関係について
当社では、就業規則で60歳定年、65歳まで再雇用制度(契約社員)を導入しており、月額給与は60歳定年時の約60%に減額されます。そのため、再雇用者は全て「高年齢雇用継給付金」の対象となっております。次年度から、昨今の物価高を勘案して久々に月額給与を5%UPする案が出てきました。但し、月額給与がUPすれば給付金が減少して、結局、月額手取額と給付金の総額は変わらないかと思いますが、この総額を増やす場合、月額給与とは別に賞与等でUP分を加味して支給するしかないのでしょうか。
投稿日:2026/02/06 10:49 ID:QA-0164114
- バリサンさん
- 神奈川県/旅行・ホテル(企業規模 301~500人)
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具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
まず前提として、高年齢雇用継続給付(基本給付金)は、
「60歳到達時等の賃金月額」と「再雇用後の各月の賃金月額」を比較し、
再雇用後の賃金が60歳時の75%未満となった場合に、賃金低下率に応じて支給される制度です。
そして重要なのは、賃金月額が上がれば、その分給付率が下がる(または支給対象外になる)という設計である点です。
1.月額給与を5%引き上げた場合の影響
ご認識のとおり、
・月額給与を引き上げる
→ 賃金低下率が改善
→ 高年齢雇用継続給付金は減額、または消滅
となる可能性が高く、「給与+給付金」の合計額はほぼ変わらない、もしくは減るケースも実務上よく見られます。
したがって、単純な月額給与の引上げでは、総額ベースでの処遇改善につながらないという点は、そのとおりです。
2.総支給額を増やしたい場合の考え方
結論から申し上げると、
月額給与とは別枠で支給する方法を検討する必要があります。
その代表例が「賞与」です。
高年齢雇用継続給付における「賃金月額」は、
・毎月定期的に支払われる賃金
を基準として算定され、賞与(3か月・6か月など一定期間ごとに支給されるもの)は原則として算定基礎に含まれません。
そのため、
・月額給与は据え置く
・物価高対応分を賞与で上乗せする
という設計をすれば、給付金を減らさずに、年収ベースでの処遇改善を行うことが可能です。
3.その他の実務的な選択肢と注意点
賞与以外にも、次のような方法が検討されることがあります。
・一時金(臨時的・不定期支給)として支給
・福利厚生的給付(実費弁償性が明確なもの)
・業績連動型で、毎月固定とならない設計
ただし、名称ではなく実態で判断されるため、
「実質的に毎月固定で支給されている」と評価されると、
賃金月額に含まれ、給付金算定に影響する点には注意が必要です。
また、賞与支給の場合でも、
・社会保険料
・所得税
の負担は発生するため、「手取り額」への影響は事前にシミュレーションしておくことが望ましいでしょう。
4.まとめ
・月額給与の引上げ=給付金減額となりやすい
・総額(給与+給付金)を増やすには工夫が必要
・賞与等、月例賃金に含まれない形での支給が現実的
・ただし「実態が固定給と評価されない設計」が重要
再雇用者のモチベーション維持と制度整合性の両立には、給与体系全体での設計見直しが有効です。単年度対応ではなく、中長期の処遇方針として整理されることをおすすめいたします。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/02/06 11:42 ID:QA-0164121
相談者より
いつも詳細回答ありがとうございます。大変参考になりました。
投稿日:2026/02/07 14:17 ID:QA-0164193大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
高年齢雇用継続給付は月例賃金を基準に算定されるため、月給引上げは給付減少
を招きます。
給付を維持しつつ総額を増やすには、算定対象外となる一時金・業績連動賞与等
で対応する方法はも1つにあります。
ただし恒常的支給は賃金認定の恐れがあり、支給形態には慎重な設計が必要です
ので、専門家である社労士等へ深い個別相談をなさることをお勧めいたします。
投稿日:2026/02/06 13:51 ID:QA-0164141
相談者より
ご回答ありがとうございました。参考になりました。
投稿日:2026/02/07 14:18 ID:QA-0164194参考になった
プロフェッショナルからの回答
日本の人事部Q&Aをご利用くださりありがとうございます。
ご質問者様もご存知のとおり、高年齢雇用継続基本給付金の支給率は、令和7年4月施行の雇用保険法改正によって、従前の15%→10%に引き下げられましたが、ご相談の文面から、法改正前にすでに本給付金の受給権を取得している方がほとんどではないかと推察しますので、旧支給率を前提として回答させて頂きます。
■ご質問その1
Q1;月額賃金の5%アップ分と給付金の5%分は同額で相殺されるか?
A1;概ね同額で相殺されます。
>理由;賃金低下率と給付金支給率がほぼ同率で相殺されるため。
・賃金低下率が60%の時→給付金の支給率=15%
・賃金低下率が65%の時→給付金の支給率≒10%(10.05%)
>検証;金額ベースで比較してみると…。
・”実際に支払われた賃金”が従前の60%の時→”実際に支払われた賃金”の15%を支給
・”実際に支払われた賃金”が従前の65%の時→”実際に支払われた賃金”の10%を支給
■ご質問その2
Q2;再雇用者の手取り総額(年収)を増やすために賞与併用は有効か?
A2;有効です。
>理由;高年齢雇用継続基本給付金の算定基礎となる賃金には「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(=賞与等)を”含めない”」と定義されているからです。
■その他特記事項
再就職者に65歳前の在職老齢年金が適用される場合、高年齢雇用継続基本給付金の支給率に応じて老齢厚生年金の支給停止額が上乗せされますが、給付金の支給率が下がることで、上乗せ分の年金支給停止額も下がることが期待できます。
具体的には、高年齢雇用継続基本給付金の支給率が15%の場合に、標準報酬月額の4%相当額が在職老齢年金の支給停止額に上乗せされますが、給付金の支給率が15%未満に下がると、年金支給停止額の算定率も4%未満に逓減するのです。
以上雑駁ではございますが、ご質問者様の参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2026/02/07 15:15 ID:QA-0164195
相談者より
ご回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。
投稿日:2026/02/10 11:29 ID:QA-0164307大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、いわゆる定期昇給等就業規則に基づき全員が対象となる昇給であれば、雇用給付金の支給内容に関わらず月額給与を上げる必要がございます。
これに対し、今般の物価高を勘案して臨時に給与額を上げるものであり、かつ就業規則にも対象となる方の定めがされていない場合ですと、定年再雇用者を対象除外とする事も可能です。
一方、通常のベースアップ等と同様に臨時であっても従業員全員が対象となるものでしたら、やはり給与額アップが求められますし、それによって給付金と合わせた支給総額が横ばいまたは仮に減ったとしましても、法制度上必然的に発生する事柄ですので違法性は生じません。
但し、その場合会社が任意で賞与等で総額支給を増やされても差し支えはございません。
投稿日:2026/02/07 19:19 ID:QA-0164197
相談者より
いつも回答ありがとうございます。参考にさせていただきます。
投稿日:2026/02/10 11:30 ID:QA-0164309大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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