定年再雇用者の遡及と月変について
当社は60歳を迎える誕生日が属する月の賃金締日の翌月から定年再雇用となります。
5月の支給給与から定年再雇用となった者について、同日得喪をして社会保険料が下がっている状態です。この時の標準報酬月額は、定年再雇用後の固定支給分のみで算出しています。
例年4月支給給与で定期昇給を行っていますが、今年は5月支給給与にて、4月支給給与の昇給差額分を遡及しました。
5月の支給給与から定年再雇用となった者についても、定年再雇用前(4月支給給与分)の昇給差額分を、5月の支給給与にて支給しています。
この場合、5.6.7の随時改定が必要となりますでしょうか。
投稿日:2025/07/09 15:30 ID:QA-0155174
- ジンジカインさん
- 東京都/その他メーカー(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
【ご質問の要点】
貴社では、定年再雇用の開始タイミングを「60歳の誕生日が属する月の賃金締日の翌月」からとしている。
5月から定年再雇用となった者について、同日得喪(社会保険の資格喪失・再取得)を行っており、保険料も下がっている。
4月支給分で定期昇給があるが、今年は5月支給時に4月分の昇給差額(遡及分)を支給している。
この場合、5・6・7月の報酬が変動するため、随時改定の要件を満たすかどうかを確認したい。
1.結論
今回のケースでは、「随時改定(月額変更届)」は原則として不要となる可能性が高いです。
理由は以下のとおりです。
2.法令・実務上の判断根拠
(1) 同日得喪により「被保険者資格が新たにスタート」している
5月1日付で定年再雇用となり、「同日得喪」(=社会保険資格の喪失・再取得)が行われているため、5月以降は「新たな被保険者」として扱われます。
つまり、5月支給分の報酬からは、新しい標準報酬月額が設定されており、その初回の決定内容に基づいて社会保険料が決定されています。
同日得喪による資格取得後の標準報酬月額は、原則として随時改定の対象とならないとされています(※新規取得のため、固定的賃金の変動か否かの判断が意味を持たないため)。
(2) 遡及支給分(4月昇給差額)は、「報酬」に該当しない可能性
ご指摘の「4月分の昇給差額」を5月支給時に一括支給した点については、「遡及支払い」となりますが、
これは定年再雇用前の賃金に係る差額調整
かつ、「一時金的性格」が強く、定年再雇用後の固定的賃金の変更とは言えない
よって、固定的賃金の変動には該当しないと解され、随時改定の対象にはなりません。
(3) 今後の留意点
ただし、次のようなケースでは、随時改定の要否を改めて検討する必要があります:
6月・7月支給分において、定年再雇用後の賃金体系で、固定的賃金に増減があった場合
5月以降の支給報酬のうち、「基本給」等が明らかに増減している場合
この場合、5・6・7月の3か月間の平均報酬が2等級以上の差になるかも確認の上、随時改定要件を満たすか精査してください。
3.結論の再掲
項目→判断
同日得喪後に支払われた「定年前の昇給差額分」→原則として随時改定の対象外
定年再雇用後の賃金に変動がなければ→随時改定不要
定年再雇用後に固定的賃金の変更があった場合→その後の報酬3か月間で判断(要検討)
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/10 09:16 ID:QA-0155184
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/07/22 13:44 ID:QA-0155735大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
同日得喪とは、
いったん資格を喪失して、同時に資格取得となります。
ですから、随時改定は不要です。
投稿日:2025/07/10 09:50 ID:QA-0155187
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/07/22 13:44 ID:QA-0155736大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
結論、5.6.7の随時改定は不要です。
社会保険では、定年退職・再雇用で同日得喪が発生した場合、
前の資格と後の資格は別の被保険者扱いとなります。
つまり、4月分の昇給差額(=再雇用前の勤務に対する報酬)が含まれていても、
それはあくまで前の資格期間に対する賃金であり、再雇用後の報酬月額として、
捉える必要はございません。
投稿日:2025/07/10 09:58 ID:QA-0155191
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/07/22 13:44 ID:QA-0155734大変参考になった
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