工場における残業抑制について
一部従業員の深夜帯(22時以降)の勤務状況が改善されない点を踏まえ、「22時以降の残業禁止」を運用方針として定めることを検討したいのですが、法令的に問題となりますでしょうか。
就業規則の改定ではなく、独自の運用ルールとして深夜残業を禁止することが法令上およびCSRとして問題はないかの確認をさせていただきたいです。
36協定も含め企業側が独自に日々の残業時間の上限を設定すること自体が法令に反するものであればこのように運用することは非常に難しいとは思うのですが…
なお、業務量の状況により「事実上、22時までに業務が終わらない」ケースが発生する場合も想定されるため、 その点への配慮として、「やむを得ず22時を超える残業が必要となる際には、事前申請を必須とする」など、明確なルールづくりも併せて検討していきたいと考えております。
深夜残業が常態化している特定のケースについては、これまで何度も話し合いを行ってきましたが改善が見られない状況です。
社員の健康確保および労働時間管理の適正化の観点からも、今回の運用ルールを考えることで、 適切な勤務環境を整備していければと考えております。
以上、大変お手数をおかけしますが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/12 08:49 ID:QA-0161908
- 青木秋生さん
- 東京都/石油・ゴム・ガラス・セメント・セラミック(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
残業
まず大前提として、残業は社員が勝手に行うものではありません。上長の許可と指示があって、初めて残業が行われます。
22時以後だけではなく、上長の許可のない残業は元から禁止です。
勤怠管理は管理職の根本的業務ですので、それができていない場合は、管理体制や組織の見直しが必要と思われます。
投稿日:2025/12/12 10:53 ID:QA-0161913
相談者より
ありがとうございます。大変参考になりました。
投稿日:2025/12/12 11:45 ID:QA-0161920大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
「22時以降の残業禁止」を会社の運用方針として定めることは法令上もCSR上も問題なし。むしろ望ましい。
ただし、
36協定の範囲内であっても、会社がそれより“厳しい基準”を設けることは合法
例外運用を明文化し、手続を整えることが重要
就業規則の変更が必要な場合と不要な場合がある
点に注意が必要です。
2.深夜残業を禁止することは法令上問題か?
(結論)問題なし
労働基準法は
残業を「させてはならない」法律
36協定を結んだ場合に限り「例外として可能にする」法律
であり、会社が独自に残業を制限することは、法令の趣旨と矛盾しない。
むしろ厚労省の「働き方改革ガイドライン」でも、
企業は自主的に長時間労働を抑制する措置を講じることが望ましい
とされており、CSR・健康確保の観点でも推奨される対応です。
3.36協定との関係
36協定は「残業させることができる上限」を定めるものであり、
企業がそれより厳しい制限を設定することは自由です。
例:
36協定:22時以降の残業も法的には可能
会社ルール:22時以降は原則禁止
→これは全く問題なし。
同様に、多くの企業が「残業は月20時間以内」といった社内ルールを設けています。
4.“運用ルール”として定める際の注意点
就業規則の変更を要しないケース・要するケースがあります。
(1)就業規則変更不要のケース
就業規則に「業務命令により残業を命じる場合がある」とのみ規定
「残業上限」や「残業の基準時間」を規定していない
→この場合、残業命令の判断は会社裁量であり、運用ルールとして定めるだけで足りる。
例:
原則として22時以降の残業は禁止する。
やむを得ず必要な場合は、事前に所属長の許可を得ること。
これは内部ルールとして運用可能。
(2)就業規則の変更が必要なケース
就業規則に
「所定の時間帯を超える時間外労働を命じる」
「深夜残業を行わせることがある」
など、残業の運用を広く認める規定が明記されている場合は、
22時以降を禁止する=労働条件の重要変更
とみなされる可能性があります。
→多くの場合、努力義務レベルの“運用ルール”で対応可能ですが、グレーになりうるため条文確認が必要です。
5.例外運用(事前申請制)の妥当性
「業務量により22時までに終わらない場合がある」という懸念については、
以下のような“例外規定”を設ければ合法・実務上妥当です。
<例外規定の例>
原則として22時以降の時間外労働は禁止する。
業務上やむを得ない場合は、事前に所属長が申請を承認した場合に限り認める。
申請には、業務内容・理由・予定時間を記載すること。
例外運用が頻発する場合は、業務量や工程改善の検討を行う。
→こうしたルールは
安全配慮義務(労基法5条)を果たすうえで極めて有効。
6.懸念される「特定社員が改善しない」ケースへの法的視点
深夜残業を繰り返す社員への対応として、
注意指導
面談記録
安全配慮義務に基づく健康配慮
職務内容や工程の見直し
などは会社の適正措置と評価されます。
特に厚労省ガイドラインでは、
“勤怠命令への不従う行為”は服務規律違反となり得る
とされています。
つまり、
22時以降の残業禁止ルールに従わないことは、指導対象にできる
(懲戒は慎重に要件整理が必要)。
7.CSR上の観点
過重労働による健康障害防止
エンゲージメント向上
労災リスクの低減
労基署調査への耐性向上
いずれも企業価値向上に寄与します。
「22時以降禁止」はむしろ現代的で好感度が高い対応です。
8.まとめ
22時以降の残業禁止は法的に全く問題なし。むしろ推奨される。
36協定より厳しい社内ルールを設けることは適法。
就業規則に抵触しないかは要確認だが、多くは“運用ルール”で対応可能。
やむを得ず必要な場合の事前申請制は妥当で有効。
特定社員への個別指導も法的に正当化される余地が大きい。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/12 11:16 ID:QA-0161917
相談者より
ありがとうございます。大変参考になりました。
投稿日:2025/12/12 11:46 ID:QA-0161921大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
深夜残業を原則禁止とする運用ルールを設けることは、法令上問題ありません。
労基法は上限規制や深夜割増を定めていますが、企業がより厳しい基準を自主的
に設定することは可能です。業務都合で22時以降の残業が避けられない場合には、
事前申請を必須とする仕組みを設けることも運用上適切です。
就業規則改定が不要な範囲で、健康確保と労働時間管理の適正化を目的とする
今回の方針は、CSRの観点からも良いものとかと存じます。
投稿日:2025/12/12 11:45 ID:QA-0161919
相談者より
ありがとうございます。大変参考になりました。
投稿日:2025/12/12 16:04 ID:QA-0161940大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
問題が解決していない方はこちら
-
みなし残業について 質問ですが、当社では 月30時間... [2009/05/15]
-
休日にかかった深夜残業 いつもお世話様です。さて、質問さ... [2008/06/24]
-
時短勤務者の残業時間 育休を取っていた方が時短で復帰し... [2017/06/07]
-
法定内残業をみなし残業に含むことはできますか 午前休を取得して、残業した場合の... [2018/08/03]
-
半日勤務時の残業について みなし残業導入時の残業について質... [2017/02/28]
-
深夜残業における休憩 普通残業から深夜残業になったとき... [2005/03/28]
-
就業規則に無い残業規定 就業規則に残業について規定されて... [2021/06/06]
-
時間外労働について 残業をした場合は、申請をすること... [2021/09/15]
-
みなし残業について
みなし労働について みなし残業を導入する事で、使用者... [2020/06/27]
-
残業代について 残業代についてお伺い致します。弊... [2006/11/14]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。