昇降給があった月を月変開始月とするかどうかについて
初めまして、いつも参考にさせていただいております。
月変について問い合わせをさせてください。
当社の勤怠締め日は15日で、前月16日~当月15日を一給与期間として計算を行っています。しかしながら昇格や降格は1日付で実施されるため、該当者については昇格や降格となった月の給与としては半分は昇格前の給与、もう半分は新給与となります。
システムでは新給与で計算を行ったあと、旧給与半月分+新給与半月分の額との差額を調整し算出しています。
昇格・降格による基本給の2等級以上の変動があった場合は月額変更届を提出しますが、以前年金機構による調査において、当社のような事情がある場合、月変の開始月は「昇降格月」ではなく調整を終え新給与のみとなった「昇降格月翌月」から換算するのが正しいと指導を受けました。
確かに昇降格月において半月は旧グレードの給与支給となりますが、基本給の変動は昇降格月より始まっているので、これで正しいのか認識を再確認させていただきたいと思っております。
ご意見をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/23 15:33 ID:QA-0158567
- しましまえながさん
- 静岡県/化粧品(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
以下の年金機構からの指導は正しいものとなります。
|月変の開始月は「昇降格月」ではなく調整を終え新給与のみとなった
|「昇降格月翌月」から換算するのが正しいと指導を受けました。
本事案については、日本年金機構が出している「標準報酬月額の定時決定及び
随時改定の事務取扱いに関する事例集」で以下の説明がございます。
昇給・降給した給与が実績として1ヶ月分確保された月を固定的賃金変動が報酬に
反映された月として扱い、それ以後3ヶ月間に受けた報酬を計算の基礎として随時
改定の判断を行う。
つまり、「1ヶ月分確保」となっているので、昇給後にまるまる1ヶ月間昇給後の
給与が支払われた月からカウントするということになります。
投稿日:2025/09/24 09:25 ID:QA-0158571
相談者より
迅速にご回答いただき大変助かりました。納得できました。ありがとうございます。
投稿日:2025/09/24 09:46 ID:QA-0158575大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 月額変更の基本ルール
随時改定は、昇給・降給等による 固定的賃金の変動があり、その変動が2等級以上で、かつ3か月間継続した場合 に行います(健保法施行規則第26条、厚年法施行規則第23条)。
「変動があった月を含めた3か月間の平均報酬」で判断し、4か月目から改定された標準報酬を適用します。
2. 月途中で昇降給がある場合の取扱い
ガイドライン(日本年金機構Q&Aや厚労省通知)では、給与計算期間において旧賃金と新賃金が混在する場合、その月は「固定的賃金の変動月」とはみなさない とされています。
理由は、1か月分の給与が純粋に新賃金ベースで確定していないからです。
→ したがって、
昇給・降給が月途中で行われた場合 → その月は「変動月」とせず、翌月を変動月とする。
その翌月から3か月間の支給額で平均を取り、4か月目から月変を適用。
3. ご相談のケースへの当てはめ
勤怠締め:16日~翌月15日
昇格・降格:毎月1日付
該当月の給与は「旧給与半月分+新給与半月分」で構成される。
→ この場合、昇格月は旧・新給与が混在しており、調整後であっても「固定的賃金の変動月」とはならない。
→ よって、翌月からが変動月と扱うのが適正。
年金機構の調査で指導を受けた「昇降格月翌月から換算」という扱いは、まさにガイドラインに沿ったものです。
4. 実務上の注意点
「システム上は新給与で計算し、差額調整」という処理をしていても、法的には旧給与部分が含まれている月は変動月にならないので注意。
月変の起算月を誤ると、算定基礎届や月額変更届の整合性で指摘を受けやすい。
人事制度上、毎月1日付で昇降格させる会社は多いので、年金機構側もこの運用を前提にしています。
5. まとめ
月途中で昇降給があり旧・新賃金が混在する月 → 「変動月」としない。
翌月を「変動月」として、そこから3か月間の平均で判定。
年金機構の指導内容どおり、御社の運用(昇降格月翌月から月変開始)は正しい。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/24 10:04 ID:QA-0158580
相談者より
ご回答いただきましてありがとうございました。大変参考になりました。
投稿日:2025/09/24 11:48 ID:QA-0158591大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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