育児・介護休業法改正について
令和7年10月1日の育児・介護休業法改正に伴い、「3歳になる前の個別の意向聴取」が必要になると認識しております。具体的には、労働者の子が3歳の誕生日を迎える1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から、2歳11か月に達する日の翌日まで)に実施することとされています。
当法人では、職員が扶養している子どもについてのみ、その生年月日を把握できていますが、それ以外の子どもについては情報を取得しておりません。一般的に、労働者の子どもの生年月日を全て把握しているものなのでしょうか?また、今回の改正を受けて、今後は子どもの生年月日の管理も含めて行う必要があるのでしょうか?
投稿日:2025/07/25 17:16 ID:QA-0155824
- hygimiさん
- 愛知県/医療・福祉関連(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
(1) 原則として、企業(使用者)は全ての労働者の「すべての子の生年月日」を把握しているわけではありません。
(2) しかし、改正法により「3歳前に個別の意向確認」が義務化されるため、子の生年月日を事前に把握・管理する仕組みが必要になります。
2.今回の法改正のポイント(令和7年10月施行)
(1) 背景
両立支援のさらなる強化策として、3歳未満の子を育てる労働者に対し、柔軟な働き方(育児短時間勤務・テレワーク等)を企業が講じるよう義務化されます。
(2) 企業に求められること
以下の3つが改正内容の中心です:
項目→内容
1 措置の選択肢提供義務→育児短時間勤務・テレワークなどから1つ以上の措置を整備
2 個別の意向聴取義務→子が3歳になる前の1年間に、個別に聴取・配慮を行う義務
3 周知・意向確認義務の強化→育児休業や時短勤務制度の周知方法に関する明確化(常設ルール)
3.実務上の課題:子の生年月日を企業がどう把握するか?
(1) よくある状況
多くの企業では、扶養手当や社会保険の手続きに関連して、扶養している子の情報(氏名・生年月日)は把握しています。ただし、「扶養に入っていない子」「前配偶者との間の子」などについては、企業側で把握していないケースが一般的です。
(2) 問題点
改正後は、「3歳になる前の1年間に意向を聴取すべき子」が誰かを把握できないと、企業が義務を履行できないことになる。
したがって、今後必要となる実務対応は?
1,就業規則や社内制度で「子の出生時に申出義務」を明文化
すべての子について、生年月日等を報告するルールを就業規則や育児支援規程に盛り込みます。扶養関係の有無にかかわらず、「3歳未満の子を養育する場合は会社に申告すること」を義務化。
例(育児支援規程の追記案):
労働者は、子を養育することとなった場合(出生、養子縁組等を含む)、その子の氏名・生年月日・養育状況について、速やかに会社に届出なければならない。
2. 年次確認・定期申告フォームの導入
年末調整時や扶養手当更新時等に、「扶養に関係なく、育児中の子の情報も含めて」申告させる方法が有効です。
3. 人事システムで子の生年月日を管理できるよう設計
システム導入企業であれば、子の情報(氏名・生年月日・養育状況)を記録・管理し、該当年齢に近づいた社員にリマインドを出せる設計が望ましいです。
4.実務対応の流れ(例)
ステップ→内容
(1) 規程改訂→子の出生・養育時の申告義務を制度に明記
(2)社内周知→制度変更・申告義務の内容を社内通知
(3)情報取得→出生・養育状況の届出書式を整備(人事へ提出)
(4)情報管理→人事が対象者リストを定期確認(1歳11か月時点等)
(5)意向確認→対象社員に対して個別聴取を実施(面談・書面)
5.まとめ
質問項目→回答
(1)労働者の子の生年月日を把握しているのが一般的か?→ いいえ(扶養に限定されるケースが多い)
(2)今後、生年月日管理は必要か?→ はい、改正法の意向確認義務のため必要
対応方法は?規程整備、申告ルールの明文化、情報取得・管理の仕組み化
以上です。よろしくお願い申し上げます
投稿日:2025/07/26 15:17 ID:QA-0155843
相談者より
大変参考になりました。ありがとうございました。
投稿日:2025/07/29 09:33 ID:QA-0155932大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|一般的に、労働者の子どもの生年月日を全て把握しているものなのでしょう
|か?
多くの場合、子どもの生年月日を把握しているのは、扶養家族のみの印象で
ございます。
|今回の改正を受けて、今後は子どもの生年月日の管理も含めて行う必要が
|あるのでしょうか?
現時点では、行った方が望ましいレベルと思案いたします。
本件を機に、個人情報保護の観点から収集の目的(制度案内・意向確認)を
示した上で、社員より情報提出を求める動きは多々ございます。
また、厳密な管理をしない場合でも、毎月等、定期的に会社より、対象者が
いれば、会社から案内があるので報告するように呼び掛けを行っている会社も
ございます。
会社から呼びかけを行っていれば、法的責任までを問われることはないかと
思案いたしますが、本件に絡む改正は多々ございますので、今後を見据えると、
育児制度利用の可能性がある子どもの情報把握の仕組み整備は行っていただく
ことをお勧めいたします。
投稿日:2025/07/28 08:04 ID:QA-0155854
相談者より
大変参考になりました。ありがとうございました。
投稿日:2025/07/29 09:33 ID:QA-0155933大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、「3歳になる前の個別の意向聴取」とは、事業主が労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、子や各家庭の事情に応じた仕事と育児の両立に関する事項について、労働者の意向を個別に聴取しなければならないというものです。
つまり、労働者が育児をされる中で働きやすくする上で求められているものですので、労働者への確認は必要ですが、当人が申出されない子の分まで調べる必要性はないものといえます。
投稿日:2025/07/28 09:31 ID:QA-0155858
相談者より
大変参考になりました。ありがとうございました。
投稿日:2025/07/29 09:33 ID:QA-0155934大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
その必要はありません。
企業は労働者の子供の生年月日をすべて把握しているわけではありませんし、すべて把握しておく必要もありません。
3歳に満たない子を養育する労働者に対して、子が3歳になるまでの適切な時期に、柔軟な働き方を実現するために一定の措置を講じなさい、としているのであって、申出のない子供の分まで調べて把握しておく必要はないということになります。
投稿日:2025/07/29 07:32 ID:QA-0155922
相談者より
大変参考になりました。ありがとうございました。
投稿日:2025/07/29 09:33 ID:QA-0155931大変参考になった
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