書類選考での転職回数による足切りについて
弊社では、以下の基準に基づいて、転職回数が多い方を書類選考で撥ねています。
27歳以下:社歴1社(転職0回)
30歳以下:社歴2社(転職1回)
35歳以下:社歴3社(転職2回)
40歳以下:社歴4社(転職3回)
45歳以下:社歴5社(転職4回)
50歳以下:社歴6社(転職5回)
いずれも、直近での勤務期間が3年以上。
1回の出向は、同一企業グループ内でも2社と数える。
最近、問題が発生しました。10年程度、日本人・日本国籍で、外国の地元の資本の会社のみでキャリアを積んで、2年前に日本に帰国された方です。(40代半ば)
この方の住まれた国々は、いずれも労働
慣習・法律は会社側に大幅な自由裁量が認められていて、解雇は自由です。
(実際の居住国はアメリカ)
このため、当人も事業転換や業績不振(ITバブル崩壊期)、株主構成変更による担当事業の廃止のため、海外在住時に4社経験することになったようです。
業界雑誌などで、それぞれの会社の在籍の事実確認はできています。
今回、当社に人材紹介会社経由で応募してきましたが、海外移住前の日本時代の2社(出向1回あり)と、直近の会社1社(倒産寸前)を入れると7社になり、足切り対象になりました。
このため、書類選考で撥ねた旨、通知すると、人材紹介会社経由ですが、抗議してきました。
紹介会社でも説得しきれなかったようです。
抗議の主旨は
1)外国に住んでいたのだから、他の「日本のみ在住の方」とは、分けて選考すべきである。
2)受け取りようによっては、宗教や家族の国籍などによる差別になる。
(実際、役所の人権課では、この旨の案内があったそうです。)
やはり、弊社の今のやり方は、問題でしょうか?
投稿日:2008/07/09 08:33 ID:QA-0013025
- *****さん
- 東京都/半導体・電子・電気部品(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
転職回数による足きりについて
キャリアビジョンの弥永と申します。宜しくお願い致します。
ご質問の件ですが、転職回数を採用基準の一つとすること自体は問題ないと思います。
今回のポイントは、
1.基準の妥当性
2.事前に人材紹介会社へ基準を伝えていたか
3.結果の伝え方
だと思います。
1.基準の妥当性
転職回数については御社としてのお考えがあって設定されていると思いますのでこの場では何とも言えませんが、まず出向についても転職回数にカウントしているのは違和感を感じます。出向はある意味企業グループ内での人事異動と見做せますし、純粋な転職とは事情が異なるからです。又、回数に加え、退(転)職理由もチェックすべきと思います。書類選考では個別具体的な理由まで確認するのは大変ですが、最低限、自己都合か会社都合かは把握できると思います。自己都合ばかりで転職が多い場合はホッパーの危険性が高いですが、会社都合の場合は斟酌する余地はあるかと思います。
2.事前に人材紹介会社へ基準を伝えていたか
書類選考基準は事前に人材紹介会社には伝えていらっっしゃいましたでしょうか?もし伝えていたのであれば、改めて人材紹介会社に事前スクリーニングをしっかりするよう釘を刺しておいた方が良いと思います。
伝えていなかったのであれば、基準を伝え、事前スクリーニングをしっかりしてもらうようにしましょう。
3.結果の伝え方
自由応募の場合、結果通知に詳細な理由を明記する必要はありませんが、人材紹介会社経由の場合、ある程度のフィードバックは必要かと思います。その場合、本人に対しては転職回数を前面に出すのは避けた方が良いでしょう。転職回数が多いのは本人も自覚していることなのでダイレクトにそこを突かれると感情的になりがちで話がこじれる危険性が高いからです。その場合、キャリアやスキル的にも物足りない部分がありましょうからそのあたりを表向きの理由として本人に伝えるように人材紹介会社に指示すればよいと思います。いずれにせよ、上記2をきちんとしておけばこのようなケースが起こることは少なくなると思います。
以上簡単ですがご参考になれば幸いです。
投稿日:2008/07/09 10:19 ID:QA-0013032
プロフェッショナルからの回答
- 荒川 大
- 株式会社ENNA 代表取締役
幹部候補の選考はダミー面接で
御社のやり方が問題かどうかという点に関しまして、一つご提案です。
幹部候補クラスの人材を採用する場合、書類選考を行わずに、面接をしてしまうという方法もあります。
目的は3つ
1. 採用は会ってみないと分からない部分も多く、幹部候補として自社にない強みがあるかどうかを直接聞いてみる。
→今本当に求めている人物像を直接伝えることで、本人に確認してもらい、自分で判断させる。また、役職・仕事内容・提示年収そして採用基準を明確に伝えて、合意できるかどうかを判断する。最終的には、役員クラスの面接であればフィーリングですから、ロジックで詰めきれない場合は、リスクマネジメントの観点から役員クラスに一肌脱いで頂くことも重要かと思います。
2. 採用活動は、会社のマーケティング活動・ブランディング活動の一つとも考えられるため、良好な関係を構築する必要がある(応募者の知人、友人への、御社採用情報の伝播も期待)
→今回のようなネガティブな問題がその方の属する業界の知人に広がり、会社のイメージが悪くなることを避けるのも採用活動の一部になります。
3. 選考自体がダメであっても、良好な関係を維持する(採用が難しければ「申し訳ありませんが、現状、貴殿にご活躍頂けるポジションと提示できる年収が難しく…」とする)ことによって、応募者の幅広い人脈に御社自体のことが伝わり、ビジネスチャンスを生む可能性がある(良好に面接が終わればですが…)
40代や50代ともなれば、応募先も応募職種も限られ、一つ一つの選考に対する真剣さが違います。十分に吟味して応募されている方もいますし、100社以上受け続けている方もいらっしゃるのが現状であり、御社の書類選考基準はほぼ正しいと思われます。
また、事前に紹介会社に人物像を問い合わせておくことも重要で、今回のケースであれば、きっと転職相談の段階から紹介会社の方も対応に気を遣っていたと思われます。
最後に、今回の相談内容ですが、候補者がこのページを見た場合、自分のことだと確認できると思われます。人事として困っている内容であることは確かなのですが、応募者の抗議という火に油を注がぬよう、一定期間内容を確認できましたら、削除されることもお勧めします。
WEBはどこで誰が見ているか分からない情報ツールですから、慎重にご活用頂ければと思います。
投稿日:2008/07/09 13:00 ID:QA-0013034
相談者より
投稿日:2008/07/09 13:00 ID:QA-0035220大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「転職回数」を応募・採用条件とすることは賢明か?
■厚労省は、本人の持つ適性と能力以外のことで、応募の門戸を狭めることを禁止的に指導しています。つまり、就職の機会均等と職務遂行の適性の基準化を求めています。具体的には、「本人に責任のない事項」「本来自由であるべき事項」「その他個人調査」を採用選考に際して避けるべきだと指導しています。問題の「転職履歴回数」は、特に避けるべき事項として挙げられてはいませんが、「役所の人権課では、この旨の案内(望ましくない措置だとの意見)があった」というのは、その延長解釈上のコメントとして当然でしょう。特に、目くじらを立てて「宗教や家族の国籍などによる差別」と同一線上で強硬に主張されるほどのものでもありません。
■応募ポリシーとして「転職履歴回数」を持たれるのは、特に違法ではありませんが、その賢明度には問題なしとは言えません。就職先を変える、変えざるを得ない状況になるという、社会カルチャーに生活されてきた事実も含め、堅苦しいルールを機械的に適用し続けるのは、これからの労働人口劇的な減少と価値観の大きな変化への対応面ではマイナス面が大きくなるのではありませんか。これからは、自分達の価値尺度に会った優秀な人材に出会えるのは益々難しくなります。今回の事例のように、機械的に門前払いをするようなことだけは避けられるのが賢明だと思います。
投稿日:2008/07/09 14:21 ID:QA-0013037
相談者より
投稿日:2008/07/09 14:21 ID:QA-0035222大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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