正社員の労働契約書
弊社では、正社員(期間の定めのない雇用)であっても入社時に個別の「労働契約書」にて労働契約を締結しております。
この場合、契約書の記載内容に変更があった都度、新しい契約書にて締結し直すまたは覚書等を差し入れる必要がありますでしょうか?そのうち有利に変更になった場合であれば、それが就業規則に記されていればその手続は不要と考えられるようにも思います。
もしそれが必要な場合、近年社員が増えてきたことにより手続が煩雑になるため、個別の労働契約書を廃止したいと考えております。その場合、既存の労働契約書の処理はどうすればよいでしょうか?
合わせてご教示下さい。
投稿日:2008/06/27 11:16 ID:QA-0012885
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
重要な労働条件についての文書による明示義務は、期間を定めない契約、つまり通常の正社員の場合には最初の労働契約時にのみ課せられています。
従いまして、労働契約内容の変更時において義務付けはされていませんので、当初の労働契約時において昇給や異動等変更があることに関しまして説明し就業規則を周知させている場合には改めて契約書を作成する必要はございません。
逆に申し上げますと、最初の労働契約時においては、労働契約書や就業規則のコピー等の文書を渡すことで労働条件を明示する事が不可欠ですので、それを廃止する事は出来ません。
また、労働契約書の保存は、退職後3年間と法令で義務付けられています。
投稿日:2008/06/27 13:30 ID:QA-0012890
相談者より
投稿日:2008/06/27 13:30 ID:QA-0035163参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
個人別労働契約と就業規則
■雇用生涯期間中における個々の正社員との労働契約の変更は膨大な件数に達します。社員数の増加が加われば処理しきれなくなります。然し、かなりの部分は、統一的、かつ画一的に決定され、全社員に適用される労働条件です。それが労基法に決められている「就業規則」です。
■ご承知の通り、就業規則は賃金・退職金・労働時間その他の労働条件を合理的に定めている限り、使用者(会社)と労働者との合意が成立(労働契約の成立)しているものとして、労働契約の内容となり、労使双方を拘束することになります。個々の労働者が反対したからといって、その適用を拒否することはできない法的性格を持っています。
■就業規則の変更手順は省略しますが、個人別の労働条件は、変更になった場合のみ通知すれば労働契約が変更されたことになります。個人別の労働条件変更とは、例えば、配属先、役職、資格、賃金などの変更を指し、変更の都度、辞令や通知書を交付するだけで済みます。事実、殆どの企業はこの方法によっています。
■個別の労働契約書を廃止した時点での労働契約書は、入社以来の労働条件の変更履歴のようなものですから、別途、雇用履歴が会社に存在するのであれば、一定期間保管後、破棄しても差し支えないと思います。
投稿日:2008/06/27 13:54 ID:QA-0012891
相談者より
ご回答ありがとうございます。加えて以下ご質問させて下さい。
①入社時の労働契約内容にその後変更があった際、当該変更の事実を通知すれば足りるとのことですが、それ以外の部分については就業規則の内容を上回っている限り、入社時の労働契約内容が引続き有効であると理解になりますでしょうか?
②入社時は契約(双方の合意)をしているが、その後の個別労働条件の変更については一方的に通知をすることによって変更が成立し、契約と同等の効力が発生すると考えてよいのでしょうか?ことに不利益に変更する場合が気がかりです。
以上どうぞ教示の程宜しくお願い致します。
投稿日:2008/06/27 16:35 ID:QA-0035164参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
個人別労働契約と就業規則 P2
■労働条件の改訂は主として就業規則およびその付属規程を変更することによって行われます。改訂の内容は労働者にとって利益となる場合も、中立的な場合も、不利益となる場合もあり得ます。入社時の労働条件についても同じです。この労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を持っているだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものである限り、法的にも認められています。
■就業規則を変更することによって、労働者に不利益な労働条件を一方的に課すことは、原則として認めらませんが、新たに定められた就業規則が合理的なものである限り、個々の労働者が反対したからといって、その適用を拒否することはできません。
■それだけ重要であればこそ、就業規則への記載事項、変更手続き、監督官庁への届出、労働者への周知義務が労働基準法において定められているのです。ご質問の趣旨に理解しにくい部分もありますが、推定補足して回答いたします。
① 最初の労働契約書は雇用時における労働条件を明示したものです。それ以降に労働条件の変更があれば、就業規則を変更し、全従業員にその変更を周知することに行われます。入社時の労働契約内容も就業規則の変更の適用を受ける、つまり置き換えられます。条件が良くなる場合も、逆の場合もあり得ます。
② 入社時の契約(双方の合意)は、あくまで「雇用時における労働条件」です。「個別労働条件の変更を一方的に通知する」と申し上げたのは、適法に変更された就業規則に基づいて、個人の労働条件を通知するという意味です。単純な例で説明すれば、今年の賃金は 2% 引上げると決定され、就業規則(付属の賃金規程)の賃金表が書換えられれば、それに基づいて決められた個人別新賃金を「通知する」ということで、利益だ、不利益だの次元の話ではありません
投稿日:2008/06/28 09:37 ID:QA-0012900
相談者より
投稿日:2008/06/28 09:37 ID:QA-0035166大変参考になった
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