通常勤務後の出張時の労働時間の取扱いについて
所定就業時刻9時~17:30まで(休憩45分)の会社の正社員です。ある日、20時頃まで残業していたところ、急な仕事のために出張を命じられ、20:44発の新幹線で仙台に向かい、事業場には23:30到着。結局、翌朝の7:30まで徹夜で作業をし、11:50到着の新幹線で帰り、そのまま直帰しました。
このような場合、残業時間、深夜勤務手当は請求できますか?なお出張の場合は原則は7時間45分の所定就業時間を勤務したものとみなす規定はあります。
投稿日:2008/06/09 15:06 ID:QA-0012672
- ツーさん
- 東京都/人事BPOサービス(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
通常勤務+残業後の出張時と翌直帰日の労働時間の取扱い
■少々込み入った応用問題です。まず、いくつかの与件と確定事項を確認しておきましょう。
① すべての行動を会社命令通りに行ったものする。
② 法内残業には時間外労働賃金は支払われない。
③ 出張の際の往復の移動に要した時間は労働時間とは看做さない。
④ 深夜勤務を含め実働時間が確認できる場合には、出張の就業時間の看做し制度は適用しない。
⑤ 翌日の直帰日は、出張日として扱い、所定就業時間を勤務したものと看做す。
■「休憩問題」や「直帰当日の看做し勤務と出張先での深夜早朝勤務の関係」に整理しにくい箇所が残りますが、大筋で次の措置が妥当ではないかと考えます。
(A.)20時頃まで残業した当日は、実働8時間を超えた法定残業、2時間15分は通常の割増賃金が発生する(但し、労基法34条の「・・・<8時間>を超える場合においては少なくとも<1時間>の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」に対する違反に注意)。
(B.)出張先に到着後は、実働8時間の内、5時間30分は深夜残業として深夜加算割増(25%以上+25%以上)が、2時間30分は通常割増賃金が発生する(但し、労基法34条の「・・・<6時間>を超える場合においては少なくとも<45分>の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」に対する違反に注意)。
(C.)直帰日は、00:00~07:30の出張先における就労を除き、上記⑤に基づき、通常勤務したものとして処理する。
投稿日:2008/06/10 14:21 ID:QA-0012683
相談者より
非常に解りやすく丁寧なご回答ありがとうございます。
移動時間を除き、23:30~7:30までの実働した部分は、当日の勤務が継続していた、という解釈で、残業手当の支給および23:30~5:00までの深夜勤務手当を請求して問題は生じない。逆に会社としては支払わないと問題ということですね?
投稿日:2008/06/10 19:10 ID:QA-0035074大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
通常勤務+残業後の出張時と翌直帰日の労働時間の取扱い P2
■時間外労働の管理を含めて1労働日は、暦日(00:00から24時間)単位とされています。その点からは、出張当日の23:30~00:00の30分は当日の勤務が継続した深夜労働と認識すべきことに問題はないでしょう。割増賃金の本人請求権利、会社の支払義務は明らかです。
■翌暦日は、深夜労働が、初っ端の、00:00から始まり、07:30まで7時間30分行われたことになります。この労働は、出張先の現場で確認可能な実労働なので、労働時間の把握が困難な場合等に適用される看做し規定の適用によって無視(行われなかったと看做す)ことはできません。従い、事実に基づき深夜及び通常時間帯労働に対する割増賃金が請求でき、且つ会社も支払わなくてなりません。
■最後に、上記翌暦日の、帰社(帰宅?)最寄り駅への到着(11:50)後の直帰に関しては、強引に、午後の所定勤務時間の不就労扱いとすることができないものでもないと思いますが、前日からのかなり過酷な業務遂行に鑑み、当日は所定労働時間を勤務したものと看做すことが良識ある措置だと考えます。
投稿日:2008/06/11 10:51 ID:QA-0012698
相談者より
投稿日:2008/06/11 10:51 ID:QA-0035079大変参考になった
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