試用期間中の長期休務者への対応について
お世話になります。
当社は正社員70名、パート30名程度の中小企業です。
少し長くなりますが、以下のような社員への対応について相談です。
〔社員の状況〕
・2019年9月1日付で正社員として中途入社(54歳)
・入社後3ヶ月間(~11月末)は試用期間の契約で雇用(試用期間中の賃金減額なし)
・当社はガソリンスタンド事業も行っており、当該社員は前職30年以上の同業経験あったことから
ガソリンスタンド事業スタッフとして配属
・9月26日にオープンする新規店舗準備に従事
・9月末に体調不良で休務し、その後も休務が続いたため本人へヒアリングしたところ、過去にうつ病で
長期休務したことがあった事実が判明
・過去のうつ病は通院により治っており、転職に際し主治医から「過去のうつ病のことは伝える必要が
ない」と言われたため、当社面接時に伝えていなかった。
・過去のうつ病は治っていたものの、通院は継続していた。
・今回の休務にあたり、「双極性障害による休養」の診断書を会社へ提出
・診断書は1ヶ月ごとに更新され、現在は「12月末まで休養」の診断書を提出
・11月19日に本人と面談し、試用期間が終了する11月末で一旦「採用取り消し」とし、正社員では
なくパートとして雇用契約してはどうかと提案(精神的負荷を軽減させることが目的)
ただし、体調に問題ないことが確認できた時点で再度正社員へ復帰することも合わせて説明し口頭合意
・11月22日にパートとしての雇用契約(賃金等)について説明したい旨の連絡をしたところ、しばらく
忙しくて時間が取れない、との返答あり。問答を繰り返し、最終的には11月26日に面談することが決定
このような状況の社員につき、会社としてどのような対応を行ったらよいでしょうか?
①勤務復帰の目途が立たないとは言え、診断書がある以上は「試用期間中の採用取り消し」はできない
でしょうか?
②まもなく11月末で試用期間が終了し、通常であれば正社員登用しますが、どのように対応すれば
よいでしょうか?
③本人と会話し、例えば一旦11月末で採用取り消しし、療養して勤務できるようになった時点で改めて
雇用契約(パート→正社員)とすることは可能でしょうか?
④その他、対応可能なことには何があるでしょうか?
⑤会社として注意すべき点について、何かありましたらご教示願います。
大変、長くなりましたが、宜しくお願い致します。
投稿日:2019/11/22 17:40 ID:QA-0088645
- くーちゃんさん
- 岐阜県/商社(総合)(企業規模 101~300人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
文面を拝見する限りですと、「12月末まで休養」すればその後は通常勤務可能という状況のようですので、いきなり採用取り消しとされるのではなく、文字通り休養(休職)により様子を見られるのが妥当といえるでしょう。
仮に正式に正社員採用されたとしましても、上記休養期間を経ても完全に復職出来ないという事であれば、その時点で改めてパート雇用を勧められる事も可能といえますし、拙速な雇用形態変更を要請される事は特にメンタル面の健康障害を抱えている方には心的不安を増大させる恐れもありかえって逆効果と考えられます。
この方の場合ですと、過去の疾病が完全に治癒されていたかも疑念が残りそうですし、文面のような対応も一定理解は出来ますが、そうであればこそ主治医の診断が正しいものであるかを確認される上でも休職にて対応されるのが妥当といえます。それ故、正社員採用の取り消しではなく少なくとも一時保留扱いにとどめておかれるべきと考えます。
投稿日:2019/11/22 23:22 ID:QA-0088656
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
現時点では12月までの診断書ですが、この先もどうなるのかわからない状況だったので、相談させて頂きました。
焦らずにゆっくりと対応したいと思います。
投稿日:2019/11/25 20:44 ID:QA-0088680大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
試用期間後の対応
▼診断書は、医師法の規定に基づき、患者から診断書交付の請求により、診察に当たった医師のみが発行できるものです。本人の身体状況に就いては知見を述べることが出来ても、就労実態の知識は、患者の説明に依るしかなく、就労可否は丸呑みできません。本来は、ここで、業務内容に通じている、産業医の意見も欲しい処です。
▼御社の経緯説明だけに依存すれば、次の様な対応が妥当なのではないでしょうか。
①診断書に拘らず、試用期間中の採用取り消しは可能です。既に、試用期間も数日故、その時点で、本採用見送りという選択肢があります。
②上記、① と同じ対応です。
③一旦、雇用関係を打ち切った後の問題ですから、提示する雇用契約内容は御社次第です。
④双極性障害の躁鬱状態は、殆どの場合回復しますが、再発率は、9割以上と仄聞しています。仕事の相性、職場環境が関わってきます。但し、個人の生活環境にはアンタッチャブルです。
⑤特に、注意すべき点はありませんが、欲しい人材なら、一定期間後、健康次第で、再検討をお薦めします。
投稿日:2019/11/23 11:06 ID:QA-0088658
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
試用期間終了が重なっており、対応に迷って相談させて頂きました。
状況に注意しながら慎重に進めていきたいと思います。
投稿日:2019/11/25 20:46 ID:QA-0088681大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
試用期間の中で、長期欠勤という事態が発生し、雇用契約締結時には知ることができなかった健康状態に対する不安が顕在化し、試用期間中に消化すべきであった新規店舗開店準備という一連のプログラムを消化することができず、本採用を決断するだけの資料も十分には収集できていないという状態が、現状だといえます。
こういう状況であれば、本採用拒否が認められる条件としての客観的な相当性は肯定されるものとも考えられます。
ただし、就業規則に休職制度が定められており、それが試用期間中の社員にも適用されるものとなっているのであれば、回復の見込みがないといった特段の事情がない限り、まずは休職制度を適用すべきであり、さらに、休職期間を過ぎても復職が望めない場合は退職とするといった内容であれば、それが一つの根拠となりますから、退職・転職を勧めるのもやぶさかではなく、面談時に本人と話し合いその旨双方で確認し合う必要もあるでしょう。
要は、会社としてどのような対応を取ったらいいのかではなく、どのような対応を取りたいのかということが先です。
その上で本人とよく話し合い、会社としての評価を率直に伝え、当該社員の意向も聴いた上で、何が双方にとってプラスになるのかを双方で考えていく必要があります。
その上で、③にあるような対応は本人もそれを真に望み、同意(同意書必要)すれば問題ありません。
投稿日:2019/11/25 09:09 ID:QA-0088669
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
休職制度はあるので、それを考えたいと思います。
また、会社として「どうしたいか」というのは大変参考になりました。
本人と話し合って進めていきます。
投稿日:2019/11/25 20:47 ID:QA-0088682大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
①いきなり採用取り消しではなく、本採用見送りとの判断はいかがでしょう。
②試用期間終了に伴う処遇について面談するため、呼び出して直接伝えます。
③その意向をまず伝え、本人納得の下で伝えるのが無難です。
④勤務継続が無理なら体調整ってから働いてはどうかなど、話し合うのは自由です。もちろん退職強要のようにとられかねない言動は厳禁です。
⑤これまで忙しいという理由で面談できなかったとすれば、そんな理由を放置することは今後は厳禁だといえます。
投稿日:2019/11/25 10:18 ID:QA-0088672
相談者より
早速の回答ありがとうございました。
いずれにしても本人と話し合い、両者が納得できるように進めることが肝ですね。
精神状態も見ながら話し合いを行っていきます。
投稿日:2019/11/25 20:49 ID:QA-0088683大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
①②
就業規則が根拠となります。通常は労務不能なわけですから、正社員登用はできないですね。
③
本人との話し合いによります。雇用契約は双方合意であれば可能です。
④⑤
診断書について、12月末以後についてどうなのか可能であれば確認してくだい。1ヵ月で完全に復帰できるような病状であれば、会社としても多少考慮する必要もあります。
投稿日:2019/11/25 13:30 ID:QA-0088676
相談者より
早速の回答をありがとうございました。
やはり本人との話し合いが大切となることがよくわかりました。
先日、本人も交えて主治医とも面談しましたが、病気が病気だけになかなか復帰状況は読めない感じです。
投稿日:2019/11/25 21:33 ID:QA-0088684大変参考になった
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