行方不明者の家族による退職処理の可否について
いつもお世話になっております。
社員のひとりが半年以上前から出勤しなくなり、当時は体調面でも休みがちだったため、所属長は休職の取扱が必要と判断し、休職扱いとなっております。
何度か所属長が本人に電話連絡や居住先に出向きましたが連絡がつかず、人事部側からも指定日付までに連絡がない場合は予告期間を設けて解雇する可能性がある旨を内容証明郵便で出しましたが、不在のため差し戻されました。
ご家族(地方在住)に連絡し、ご家族が居住先を訪れて本人との接触を試みるも連絡がつかない状況となっており、所轄の警察に届け出たということです。
ご家族からは、会社にこれ以上迷惑がかかることはよくないので、退職の手続きを行いたいと申し出がありましたが、本人不在でご家族による退職処理をすすめていいのでしょうか。
ご相談差し上げたく、よろしくお願いいたします。
投稿日:2007/02/06 12:52 ID:QA-0007456
- *****さん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
行方不明者の家族との話合いでの退職措置
■まず御社の就業規則に「無断欠勤の場合の懲戒解雇」が規定化されているかどうかチェックして下さい。多くの企業では、「○○日以上の無断欠勤の場合は懲戒解雇する」といったような条文があります。この定めがあり、且つ○○日以上経過していれば解雇事由が成立します。
■然し、解雇が法的に有効に成立するためには、その意思表示の通知が相手に到達しなければなりません。配達証明や内容証明にて、解雇通知を郵送します。然し、失踪して行方不明の場合には、解雇の意思表示が到達させることはできません。
■厳密な法的手段を踏むとすれば、法的に相手方に到達したものとみなす制度、民法98条に定める「公示送達」の手続きを簡易裁判所に対してとることになります。公示送達に関する民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定に従い、裁判所または市役所、区役所、町村役場等の掲示場への掲示、官報への掲載をしてもらうことになります。
■幸い、ご家族とのコミューニケーションが取れているようですから、上記、配達証明や内容証明にて、解雇通知郵送(受取人不在または受取拒否で返送されると思いますが)措置を講じた上で、退職の手続きを進められてもよいと思います。後で本人が現れて解雇無効を主張しても十分対抗できると考えます。懲戒解雇とするか、自己都合退職とするかは、退職金をどのように取り扱うか等は、ご家族との話し合いの中で決められればよいでしょう。
投稿日:2007/02/06 14:51 ID:QA-0007460
相談者より
詳細なご回答ありがとうございました。
大変参考になりました。
投稿日:2007/02/06 15:38 ID:QA-0033006大変参考になった
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