専属産業医が雇用できなかった時のペナルティ
従業員が1,000名を超える事業場においては、専属産業医の選任が必要と法律で
定められていますが、現実として、専属産業医として勤務したいという方は少なく、
採用することは非常に難しいと思います。
特に、都心から離れた事情場においては、専属でお願いできる産業医の先生は
ゼロといっても過言ではないと思います。
法律上、専属産業医を選任していない際のペナルティは、罰金50万円。
「労基署からの指摘が何回あったら罰金」など、実際にペナルティが課せられる手順や
条件というのはあるのでしょうか?
また、専属ではない産業医を選任している、産業医の来社頻度を増やしている、
複数の産業医を選任し、常時誰かが事業場にいるようにしているなど、専属産業医が
選任できなくても、企業の努力が認められれば、ペナルティも回避できるというような
ことはあるのでしょうか?
アドバイスをお願いしたく、よろしくお願いいたします。
投稿日:2014/10/15 09:46 ID:QA-0060525
- s/hさん
- 東京都/その他メーカー(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、特に罰則適用に関する正式な手順等というのは定められておりません。ただ産業医選任に限らず、労働法令違反で即罰金適用というのは余程悪質性の高い行為でない限り考え難いといえるでしょう。
しかしながら、あくまで基準監督署の判断次第ですし、そのまま放置していれば違反があった以上罰則適用されてもおかしくはないですので、先手を打って事情を基準監督署にご相談されることをお勧めいたします。そうすれば、通常であれば罰則ではなく有益なアドバイスが得られることになるはずです。
投稿日:2014/10/15 11:09 ID:QA-0060526
相談者より
ご指導いただき、ありがとうございます。
罰則適用の決まった手順はないのですね。
企業として努力すること、労基署からのアドバイスをいただきながら対応していくことの重要性がわかりました。
早速連絡してみます。
投稿日:2014/10/15 16:35 ID:QA-0060530大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
専属産業医について
常時1000人以上の従業員がいれば専属の産業医が必要です。
専属と専任は違いますので、専属の産業医が必要です。
50万円以下の罰金については、
まずは指導が入りますが、改善されなければ、行使されます。
また、業務上の傷病(メンタル疾患含む)が発生した場合に、
使用者の不法行為責任や安全配慮義務違反とされる
リスクが高くなりますので、損害賠償責任が発生する可能性が
あります。
投稿日:2014/10/15 11:48 ID:QA-0060527
相談者より
ご指導いただき、ありがとうございます。
採用活動の難易度からすると、罰則は厳しいと思います。
企業としてできる限り努力していこうと思います。
投稿日:2014/10/15 16:36 ID:QA-0060531参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
最終的には、コストがかかっても、 外部の専門斡旋機関の活用が必要
専属産業医を選任できない状況であっても、 直ちに罰則が適用されず、 妥当な猶予期間を設けてもらえると思います。 この辺の難しさは行政当局も理解しているようですが、 産業医が見付からないときのアクションとしては、 厚労省も、 「 健康診断を実施している機関に、 産業医の資格を有した医師がいて、 かつ、 他の事業場での産業医活動が可能な場合 」 や 「 親会社等に産業医がいる場合は、 その方を産業医に選任できる可能性 」 を相談してみてはどうかといった示唆するのが精一杯のようです。 企業の努力は、 猶予期間には斟酌されても、 免責要素にはなりませんので、 どうにもならなければ、 コストがかかっても、 外部の専門斡旋機関を活用も考えなくてはならないでしょう。 「 専属 」 の定義は明確ではありませんが、 産業医にとっても、 研究日数に加え、 「 法令で定められた産業医としての職務を怠ることなく充分に行える日数 」 が必要なので、 採用形態は、 有期雇用、 常勤内容は、 週3~4日勤務というところでしょうか。 いずれにしても、 少々、 報酬額も張りますので、 最終選択肢としてご検討されることが必要かと思います。
投稿日:2014/10/15 12:47 ID:QA-0060529
相談者より
ご指導いただき、ありがとうございます。
厚労省も難しさをご理解いただけているとのこと、安心いたしました。
専属産業医の採用活動を継続するとともに、安全衛生体制を整えるように努力してまいります。
投稿日:2014/10/15 16:38 ID:QA-0060532大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働災害時のリスクが重要です
ご質問の通り、労働者が1000人以上、あるいは500人以上
の有害業務従事者がいる事業場の場合には、専属の産業
医が必要です。(安全衛生法 13条1項、安衛令5条)
この場合、「専属」とは「常勤」と読み替えることができます。
専属産業医が専任できない場合、ただちに罰則が適用され
ることはなく、まず指導がされ、改善がみられなければ罰則が
適用される流れとなります。
また産業医不在により、過重労働やメンタル等による労働災
害が発生したときには会社の安全配慮義務違反は厳しく追求
されることになり、賠償責任が問われるリスクも高くなりますので、
専属の産業医が探す努力を続けることはお薦めいたします。
専属の産業医の探し方には、主に下記の3つがあります。すで
に当たられていることとは思いますが、②については、個人の医師
でメンタルヘルス研修等に参加して、名刺交換の際に紹介を
依頼するなど伝手をたどる方法も可能性は少ないかもしれま
せんが、試してみる余地はございます。また③は最近扱う会社
の数も増えておりますので、こちらも声をかけてみてはいかがで
しょうか(人材紹介会社のように成果報酬型で初期費用など
は掛からない場合が多いため)。
①産業医科大学に相談する
②産業医実務をサービスとしている企業(または個人)に相談する
③人材ビジネスを業とする企業に相談をする
また、産業医を選定の際は、下記のことを考慮、選定基準と
しておくのが重要だと思います。
①メンタルヘルスや過重労働に対応可能かどうか
②人柄や性格において、先生、先生とあがめるような上下関
係を強要させるような人柄でなく、気軽に口をきける感じの人
かどうか
③企業人としての常識がある人かどうか
④組織や労務管理への理解がある人かどうか
⑤医者として患者を診る立場だけに固執せず、企業側の立場とのバランスがとれる人かどうか
投稿日:2014/10/16 16:10 ID:QA-0060540
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございました。
投稿日:2014/11/06 09:50 ID:QA-0060745参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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