元役員の競合企業への転職
元役員が退職することになりましたが、競合企業への転職の噂があります。
当社では、社員が退職するときに、秘密保持と退職後2年間は競合へ就職しない旨の誓約書をかわすことになっています。
この場合、役員であればこの誓約書は有効だと思いますが、元役員が競合に転職したときに、訴訟をおこして勝訴することは可能でしょうか。
ちなみに、元役員は数年間役員でしたが、1年前に役員に選任されず、給与面では年収ベースで約25%程度減給されています。
合わせて、総務のマネージャーのような機密事項を知りえる立場にある人が競合に転職したときはどうでしょうか?
この場合は、そのマネージャーには特に給与面でのプラスαはありません。
宜しくお願い致します。
投稿日:2014/06/27 15:36 ID:QA-0059394
- k2takenさん
- 東京都/機械(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、裁判の結果につきましては個別の詳細事情によって大きく左右されますので、勝訴の可否に関して確答は出来かねる件ご了承下さい。
その上で申し上げますと、仮に誓約書を取っているとしましても職業選択の自由の重要性から考えますと、単に競合企業へ転職されたというだけで勝訴というのは困難と考えられます。さらに、当事案の場合ですと、転職制限を課していながら報酬まで減じているといった事もございますので、この点も訴訟では不利な条件の一つになるものといえるでしょう。
勝訴を得る可能性を高める為には、元役員が顧客引き抜きや機密情報の漏洩といった悪質な行為を行っている事、そしてそうした行為によって実際に御社に相応の損害が発生している事が求められます。総務マネージャーにつきましても同様といえます。
投稿日:2014/06/27 16:06 ID:QA-0059396
相談者より
ご回答ありがとうございました。
ちなみに、顧客引き抜きというのは、単純に当社に在籍していた時の顧客に営業に行った、競合会社の商品を販売したという事でも該当するのでしょうか?
投稿日:2014/06/30 19:54 ID:QA-0059405大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
《 交わすことになっている 》 だけでは、 会社に有利性はない
退職後の競業避止義務に関する係争では、 会社側が負けるケースが目立ちます。 勝訴の場合でも、「 就業規則や誓約書による競業禁止の定めの有無 」 が、 大きな要素になっています。 ご説明では、 「 社員退職時に、 秘密保持と退職後2年間は競合へ就職しない旨の誓約書を 《 交わすことになっている 》 」 というのは、 「 社員退職時までは交わしていない 」 というように受取れます。 そうなら、 「 競業禁止の定めがある 」 とは云えない状態です。 問題の人は、 元役員であったとしても、 現在は、 一従業員に過ぎない訳ですから、 他の社員と同様、 退職時まで、 誓約書を交わす義務はないことになります。 そもそも、 《 交わすことになっている 》 のは、どのように定められているのでしょうか。 単なる慣行では、 就業規則の定めや、 雇用時の誓約書のような効力はなく、 会社に有利性は、著しく欠落していると思います。
投稿日:2014/06/27 21:55 ID:QA-0059397
相談者より
ご回答ありがとうございました。
退職時に競業禁止と守秘義務の誓約書をとっているのですが、実際、就業規則には守秘義務の誓約書を提出することとしか記載されていないので、片手落ち状態でした。
投稿日:2014/06/30 19:49 ID:QA-0059404大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
可能性
掲示板程度の情報誌しかない中で裁判の行方を占うことは、限りなく不可能と思いますが、憲法は最上位の法律なので、具体的に損害が発生しないと、なかなか難しいのではないでしょうか。どうやってその損害を証明するかというハードルもあります。
投稿日:2014/06/28 00:46 ID:QA-0059399
相談者より
ご回答ありがとうございました。
損害の証明というところがキーポイントですね。
投稿日:2014/06/30 19:56 ID:QA-0059406大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
「ちなみに、顧客引き抜きというのは、単純に当社に在籍していた時の顧客に営業に行った、競合会社の商品を販売したという事でも該当するのでしょうか?」
― 特に明確な定義等はございませんし、営業等の詳しい状況にもよります。但し、「引き抜き」ですから営業や販売だけで御社顧客として継続しているなら該当しないでしょう。また引き抜きではなくとも、顧客情報をそのまま使用して営業等を行ったとなれば、御社の利益を損なったものとして問題になる可能性が生じます。
いずれにしましても、前回申し上げました通り、争った場合の結果見通しまでこちらで確答は出来かねますので、より詳しい説明をお求めでしたら、労働問題に精通した弁護士に直接ご相談される事が必要といえます。
投稿日:2014/06/30 22:17 ID:QA-0059408
相談者より
ご回答ありがとうございます。
確かに、競合が特定のユーザーや業界を攻めるために、そのユーザーを顧客化している営業マンを引き抜くということもあるので、余程のことがない限りは難しいのでしょう。
投稿日:2014/07/01 08:40 ID:QA-0059412大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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