退職届の受け取り拒否など
退職届けを提示した社員に対する会社の対応について、法律に
抵触していないか、などご相談させてください。
本人は4/x付け退職届(退職日は退職届日付から一ヶ月後)を
上長に提出、しかし業務の都合で今その社員に辞められることは
大変な打撃があることから上長・部門は受け取りを拒否。就業
規則上は有給休暇を含まず退職日の1ヶ月前に退職の意思を提示
することを示していますので、本人はきちんとルールを踏まえて
いることになります。 また次の職場は決まっているようです。
部門によれば、本人へ口頭での引き止め(考えなおしてほしい等)や、
退職日の変更(さらに一ヶ月延長)をというお願いをしているとのこと。
さらに一ヶ月先まで延長する理由としてはその時点まで居てくれれば
業務も何とか新しい形を整えられる、という部門の事情のようです。
法律では提出後14日で本人は出社の義務がなくなる、ということに
なりますが、この場合、
- 会社が受け取りをしていなくても退職届上の日付が有効となるのか
- 本人希望の退職日より一ヶ月延長をお願いしていることは法的に会社にリスクはないか
- 退職届けそのものを受け取らないという姿勢は法的に会社にリスクはないか
などをご教示いただければと存じます。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2011/04/27 11:34 ID:QA-0043684
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
退職の民法上のルールにつきましてはご周知の通り、期間の定めの無い雇用契約の場合原則としまして2週間前の申し出により解約出来るものとされています。またこうしたルールにつきましては就業規則上の内容より優先するものと解されています。
従いまして、会社が受け取りを拒否する事は当然ながら民法規定への違反行為となりますし、そうした場合に当人が退職希望日以後出社しなければ、退職届の受理がなくとも退職意思が伝わっていることからも当然に退職は有効になります。
今回の件では退職者当人がきちんとした手続きを踏んでいることからも、訴訟等で争っても会社側にとって不利になることは明らかですので、1ヶ月の間に引継ぎをしっかりやってもらう事及び早急に人員補充等の方策を採られる事に力を注ぐべきといえます。
投稿日:2011/04/27 12:44 ID:QA-0043687
相談者より
服部先生、早速のご回答ありがとうございました。部門へは民法含め会社のリスクを説明して前向きに対応させるように話をいたします。
投稿日:2011/04/27 14:18 ID:QA-0043689大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
受取拒否は無意味。相応の見返りも含め、退職時期の延長交渉を
|※| 法的には、会社は不利な状況にあります。労基法では、労働者からの労働契約の解約 ( 退職 ) については何も定められていません。従って、民法の定めが適用されることになります。 .
|※| 賃金決定のサイクルによって多少の違いがありますが、基本的には、解約の申入れから2週間 ( 完全月給制の場合は、若干のプラスの場合も発生しますが・・⇒ 民法627―2 ) を経過の時点で、申入れの効力が生じます。ここで注意点すべきは、労働者は、《 解約の申入れ 》 のみを行えばよく、使用者の受取拒否は要件にはならないことです。 .
|※| ご相談の状況では、退職時期の延長を申し入れる以外に方法はないようです。勿論、相手側の考慮を促すために、相応の経済的な見返りも必要でしょう。退職届けそのものを受け取らないというは、法的には意味のない行為であり、相手側の考慮の申入れの機会を自分から抹消することになるだけだと思います。
投稿日:2011/04/27 13:25 ID:QA-0043688
相談者より
川勝先生、早速のご回答ありがとうございました。部門へは民法含め会社のリスクを説明して前向きに対応させるように話をいたします。
投稿日:2011/04/27 14:18 ID:QA-0043690大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
退職願いについて
1.「期間の定めのなく雇い入れられた労働者は、原則としていつでも自由に退職の申出ができる。
申し出ののち2週間を経過したときに雇用契約は終了する」という民法627条があります。その上で就業規則上の1ヶ月前というルールを本人は守っていることになります。
2.一方、会社として必要な人材ということで、引止め等お願いすることは、交渉ですから自由です。
但し、上記1.より、お願いして応じてくれなくても強制することはできないということです。
投稿日:2011/04/27 20:50 ID:QA-0043701
相談者より
小高先生、回答をありがとうございました。 マネージメントへは法律への理解を促すとともに、今後同じ轍を踏まぬよう十分に指導したいと思います。
投稿日:2011/04/28 14:26 ID:QA-0043721大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
現実対応を
ご状況から拝察しますと、かなり冷静に転職活動を進めてきたように感じます。それゆえ受取拒否のような幼稚な手法では対抗は難しいのではないかと思います。そもそも管理者として、こうした重要部門を担当する社員が突然、急な退職をするような環境を作ってしまったことはたいへんな失態であり、管理能力として責を負うべきと思います。まず現実対応としては、そうした管理側の責任を十分感じていただき、その上で退職日を少しでも伸ばしていただけるよう交渉する、ということでしょう。
さらに今後このような事態がないよう、厳重に経営陣、管理職全体で事態を理解することで、一時の恥ではあるかも知れませんが、今後有益な教訓となるかと考えます。
投稿日:2011/04/28 00:08 ID:QA-0043706
相談者より
増沢先生、ご回答いただきありがとうございました。 先生のご指摘はごもっともで耳の痛いところであります。マネージメントへは法律への理解と今後同じ轍を踏まぬよう組織のあり方も含めて十分な指導としていきたいと思います。
投稿日:2011/04/28 14:27 ID:QA-0043722大変参考になった
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