移動時間と労働時間について
当社の現場作業員の移動時間と労働時間の考え方について
ご教授願います。
作業員は基本的には会社内の業務はほとんどなく、
主な業務は現場での作業です。
この場合の移動時間と労働時間の関係について解釈が正しいかどうか、
どう解釈すればよいか回答のほどよろしくお願いします。
■現場へ直行・直帰する場合。
【私の解釈】
現場までの移動時間は「通勤時間」に当たり労働時間に算入しない。
■現場行き帰りの間に、会社へ立ち寄ることを指示している場合。
【私の解釈】
会社到着までが「通勤時間」であり、そこから先の現場までの
移動時間は労働時間になる。
■会社側の指示が、例えば9時に現場作業開始するように」
というものだけだった場合において、
a)現場の立地状況等から作業員自らが判断し、
電車等公共の交通機関で現場に向かう場合。
b)作業員同士の自主的な判断に基づき、
会社に集合し、一台の車に乗り合わせて
それからさらに現場まで移動した場合。
私としては
a)、b)共に、作業員が指揮命令下に入るのは現場到着後であり、
会社としても現場の場所と作業の開始時間を指示しているだけですので
現場到着までが「通勤時間」と考えてよいのではと思っています。
この場合のa)、b)のケースにおいて、どのような解釈を行えばよいか、
ご教授願います。
また、以下の点も踏まえて回答して頂けるとより助かります。
1.車が社用車の場合とマイカーの場合
2.車に業務上必要な道具が積んであるかどうか
3.運転手と同乗者で取り扱いが異なるかどうか
4.同乗者がいない場合はどうか
以上、どうぞよろしくお願いします。
投稿日:2010/06/28 14:43 ID:QA-0021381
- *****さん
- 石川県/その他メーカー(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
時間外に掛かる移動時間の取り扱い
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
本件取り扱いの一番のポイントは、その移動時間が所定労働時間内か時間外かという点です。
所定時間内での移動(※一旦事務所に出勤して移動する場合等)は当然労働時間に含まれるので問題ないでしょうが、時間外に掛かる際にどうするかは検討が必要になります。
この場合、当の現場への移動時間がどの程度かかるかを考慮する必要があります。貴社の場合文面のニュアンスからは、さほど遠方の現場はないようにお見受けしますが、例えば2時間を越えるような移動時間がかかる場合には、直行直帰であっても、時間外であれば全く無報酬というわけにもいかないと思われます。
他社例では、時間外手当の半額程度の時間単価での手当を支給している例が見られます。
なお、最後に書かれてあるポイントについてですが、2と3が重要で、この場合はどのようなケースでも単なる通勤とは取り扱いにくく、業務として扱うのが適切です。
ご参考まで。
投稿日:2010/06/28 14:56 ID:QA-0021383
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
労働時間の解釈
労働時間については判例があります。判例があるということはそれが絶対正しいという意味ではなく、争いがあり、裁判になったということで、それに対して1つまたは複数の司法の判断がなされたことになります。A事件という場合、Aという会社をめぐって何らかの判断を裁判官が行なったということです。
さて、ご指摘されている「通勤時間」という概念は、労働時間を考える場合、あまり重要ではないです。貴社では通勤時間の場合、何らかの手当てか賃金支給をお考えなのでしょうか?
もし報酬がないとすれば、それは労働時間として扱わないということで、同じことです。
後半にある9時に始業として集めてから、その後、移動した場合ですが、始業時間に入っているのですから、そこから労働時間であり、その日の終業時間に関わってきます。
したがって、9時以降に移動した分を一部、「通勤時間」として報酬なしに扱うことはできないです。通勤時間とは、労働時間を意味せず、始業前の移動の時間帯です。
1.車が社用車の場合とマイカーの場合
2.車に業務上必要な道具が積んであるかどうか
3.運転手と同乗者で取り扱いが異なるかどうか
4.同乗者がいない場合はどうか
これらは始業時間後の労働時間に入っており、どのようなものであっても、基本は労働時間です。
会社の都合で、始業時間よりも後の10時にある場所に作業員を向かわせたとすれば、毎日の始業時間を変動させること自体、労働者にとって例外的であり、特別の制度(変形労働時間制)を活用しない限り、認めれないです。
そもそも実作業をしている時だけ賃金を払うとすれば、それは違法です。どうしても、実作業と移動時間に差をつけるなら、日給を決めたうえで、実作業の内容について適宜、職務関連手当を上乗せすることでしょう。
大前提に、貴社の言われる「通勤時間」は労働時間でないという発想があるように見受けますが、それは誤りです。
ただ、冒頭に判例があることを指摘しましたが、移動時間の一部に手当を支給する可能性がありますが、その場合、最低賃金を下回ることはまた別の問題を発生させます。仮に500円の手当なら、最低賃金法に抵触します。
投稿日:2010/06/28 15:26 ID:QA-0021384
プロフェッショナルからの回答
Re:時間外に掛かる移動時間の取り扱い
ご返信、ありがとうございます。
追加のケースについても、会社を起点としての移動は、すでに業務を開始している訳ですので、業務であり、時間外に掛かれば時間外手当の支払い対象となります。「同乗者」も同様です。
なお、時間管理をみなしで行いたい場合には、事業場外にかかるみなし労働時間制があり、労使協定の締結によって運用可能です。ただ、労務管理者が同行しない場合に限られます。
ご参考まで。
投稿日:2010/06/28 17:31 ID:QA-0021389
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
始業時間
今回の質問の趣旨は、
会社からの指示内容は「9時に現場作業開始」であり、
就業場所まで至る経路、方法は作業者に委ねているため
それがどのようなものであろうとも、
始業は9時からとなるのかどうかということでした。
働く側に立てば、もちろん早出はあるでしょうが、基本的な始業時間と終業時間って決まっていないと困るでしょう。これは就業規則に必ず書かないといけない事項です。
その日の都合で、あまりに変動するのは会社側にも不都合で、管理しにくいです。
毎日、違った作業場に向かわせるという場合ですが、こんな場合は複数あるだけならいいですが、ある場所でピックアップし、その時点を始業時間とするのが望ましいと思います。
いずれにしても、時給が低いことはあまり争われないですが、労働時間は争点になり、会社側はあまり勝てないです。
ご一考ください。
(判例は社名が出るので引用できないです。またURLも出せないのですが、基本的な線引きは出てきます)
投稿日:2010/06/28 17:43 ID:QA-0021390
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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