退職後の給与誤り発覚について
いつも参考にさせていただいております。
表題の件について、下記2ケースの場合
給与処理上はどのように対応するのが一般的でしょうか。
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【ケース1】
2025年6月退職の社員について、退職後の2025年7月に
2024年10月の不就労控除が1日分足りておらず、
給与過払いとなっていたことが発覚。
すでに最終給与の支給が終了しているため、
相殺などの対応を取ることができない状況。
■対応
共通:本人から過払い分の返還を受ける
①2025年7月または8月分の給与として1日分の控除処理をする
→令和7年の所得が変わるため、源泉徴収票を再発行
②2024年10月の給与を遡って修正する
→令和6年の所得が変わることになる。
⇒年末調整の期限後は、令和6年の所得の修正は不可能という
理解をしております。そのため、①しか選択肢はないと考えておりますが
認識はあっておりますでしょうか。
【ケース2】
2024年11月退職の社員について、退職後の2025年7月に
2024年10月の不就労控除が1日分足りておらず、
給与過払いとなっていたことが発覚。
すでに最終給与の支給が終了しているため、
相殺などの対応を取ることができないかつ、
源泉徴収票も令和6年までのものしか、発行していない状況。
■対応
この場合は、どのように対応するのが適切なのでしょうか。
令和7年の源泉徴収票を新たに発行するべきなのでしょうか。
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ややこしい質問で大変恐れ入りますが、
ご回答お待ちしております。
投稿日:2025/08/05 18:19 ID:QA-0156413
- 新米労務担当者さん
- 東京都/HRビジネス(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.共通前提
両ケースとも、過払いは「2024年10月分の給与」における不就労控除の不足(1日分)によるものです。
ただし、発覚・返金がいずれも「2025年7月以降」であり、最終給与支給も完了済み。
年末調整も完了している(と考えられる)状態です。
2.【ケース1】
退職:2025年6月/過払い発覚:2025年7月/対象:2024年10月給与
・主な論点:
所得の計上年は2024年(令和6年)であるが、発覚と返金は2025年(令和7年)。
最終給与(2025年6月)での控除はすでに不可能。
・対応方針:
ご認識のとおり、「2025年の給与」として控除処理し、源泉徴収票は令和7年分で再発行する対応が妥当です。
理由:
所得税法上、すでに支払った給与の誤りについて、年をまたいでの修正(前年分の源泉徴収票の訂正)は原則不可。
そのため、返金された過払い分は「給与所得と無関係な返金」として、会社側が受領し、2025年の収入とは扱わないが、
実務上は、給与としてではなく「過誤納分の返還」として処理し、
返金が生じたことを記録(証憑として本人同意書・領収書を保管)すればよい。
ただし、「令和7年の源泉徴収票に反映する必要はありません」。
返金は「令和7年の給与所得」ではなく、「令和6年の誤払いの返金」にすぎず、源泉徴収票に反映させないのが正しいです。
3.補足対応
本人に返金を依頼する(任意)
→ 同意書や返金確認書などの文書を保管。
会計処理としては「未収金」処理→返金受領時に精算。
4.【ケース2】
退職:2024年11月/過払い発覚:2025年7月/対象:2024年10月給与
(1)さらに複雑な点:
過払い該当月(2024年10月)は「在職中」であるが、退職はその翌月。
2024年の年末調整・源泉徴収票はすでに発行済。
(2)対応方針:
このケースも「令和6年の源泉徴収票を訂正することはできない」とされるのが原則です。
そのため、
本人から返金を受けた上で、2025年の所得として再計上は行わず、単なる「誤払い分の返金」として処理すれば足ります。
「令和7年の源泉徴収票は発行不要」です。
理由:
返金は「給与」ではないため、源泉徴収の対象外。
所得税の還付(更正の請求)も原則本人から税務署へ申請が必要(※金額が少額であれば、実務上そこまでは求められません)。
5.【結論まとめ】
区分→ケース1→ケース2
退職時期→2025年6月→2024年11月
過払い該当年→2024年(令和6年)→2024年(令和6年)
源泉票訂正→原則不可(過年度分の修正不可)→同上
対応方法→本人返金/2025年の所得計上不要→本人返金/2025年の所得計上不要
源泉票の追加発行→不要(令和7年分で新たに出さない)→不要
書面対応→返金同意書・領収書の取得・保管→同上
6.【実務ポイント】
税務上の過年度修正は非常に制限されているため、源泉徴収票の訂正・再発行は慎重に。
実務では、本人との話し合い・同意の上で「任意返金」とし、「過払い返金書」などで文書化しておくことが肝要です。
金額が少額であれば、社員が確定申告で調整するほどのメリットがないため、源泉票の訂正・確定申告は行わないことがほとんどです。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/05 20:13 ID:QA-0156419
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ケース1について
以下、ご認識通りです。
|年末調整の期限後は、令和6年の所得の修正は不可能という
|理解をしております。そのため、1しか選択肢はないと考えておりますが
|認識はあっておりますでしょうか。
令和6年分の所得は確定しているため、原則として令和6年分の源泉徴収票を
遡って修正することはできません。令和7年分の源泉徴収票へ反映させること
となります。
ケース2について
退職者は2024年11月退職のため、令和7年分の源泉徴収票を会社は発行できません。
但し、本人が確定申告にて給与の返還があったことを申告することで、税金の一部
還付が受けられる制度があります。
ケース1、ケース2ともに税務マターとなりますので、詳細につきましては、
所轄の税務署や税務の専門家である税理士にご確認いただくことをお勧めします。
投稿日:2025/08/05 21:20 ID:QA-0156420
プロフェッショナルからの回答
対応
純粋な税務マターなので、必ず税理士など専門家の確認を受けて下さい。
ケース1.ご提示通り「1.」と思われます。
ケース2.昨年分の源泉徴収はもう発行できないのではないでしょうか。
返還はすべて善意に頼ってお願いする形になります。
投稿日:2025/08/06 12:08 ID:QA-0156454
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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