転籍者の有給休暇付与日数について
転籍者の有給休暇は、転籍前の残日数や有効期限等全て引き継ぎますが、転籍前の会社と弊社とでは付与基準日が異なります。
転籍前の会社
・入社日から半年後に法定通り付与
弊社
・毎年10/1に全社員一斉付与
・入社者は、入社日に10日付与(10~3月入社者は10日、4/1以降入社者は比例付与)
→今年3月入社の場合は、入社日に10日付与、同年10月に11日付与
3/1に転籍させた場合
①転籍前の残日数を付与
②-1入社者と同様に入社日に10日付与
②-2入社日に転籍前会社からの勤続年数を元に計算して比例付与
③転籍前会社からの勤続年数を元に10/1に有給休暇を付与
弊社と付与制度に乖離があるため、弊社の入社者に与える比例付与の有給休暇も付与するべきなのではと思いますが、規程上転籍者の付与については取り決めていません。
②について②-1と②-2ではどちらで対応すると合理的でしょうか。もしくは②は対応不要でしょうか。
投稿日:2025/08/04 16:25 ID:QA-0156298
- ジンジカインさん
- 東京都/その他メーカー(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
有休につきましては、原則として、転籍先の規定になりますが、
転籍には同意が必要となりますので、転籍元からの交渉がありえます。
転籍先として、可能なのであれば、
1と3で十分でしょう。
あるいは、
2-1と3の組み合わせかです。
3も転籍前会社からの勤続年数を配慮してますので、いい条件です。
投稿日:2025/08/04 18:15 ID:QA-0156320
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/08/19 11:40 ID:QA-0156827大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.基本的な前提(法的観点)
転籍(出向ではなく、雇用契約の移転を伴う在籍出向でないケース)においては、労働契約が終了し、新たな会社との間で労働契約が開始されるため、原則的には新規入社扱いとなります。
しかしながら、実務上および判例・通達(※)上、「使用者が異なるものの、実態として継続勤務とみなせる場合」は勤続期間を通算して有休を取り扱うのが一般的です。
※参考:昭和63年3月14日 基発第150号、平成11年6月7日 基発第357号等
2. 3/1転籍の例における具体的な選択肢の比較
(1) 転籍前の残日数を引き継ぐ(→ 必須)
これは法的にも実務的にも必須です。転籍日(3/1)において、転籍前会社での残有休日数は、有効期限を維持したまま全て引き継ぐのが妥当です。
(2)-1 入社者と同様に10日を入社日に付与
これは、転籍者を「新規入社」とみなして扱う方法です。
メリット:社内ルールに従ったシンプルな運用ができる。
デメリット:引き継いだ有休とは別に10日を付与するため、実質的に過剰付与となる可能性がある。
また、勤続年数1年未満で10日付与という制度自体が厚遇のため、転籍者に対しても同様の配慮をすることは可能ではありますが、制度上の平等性の観点から慎重に検討が必要です。
(2)-2 入社日に比例付与(ただし勤続年数を通算)
この案は、本来の法定ルールに最も近い形です。
勤続6ヶ月未満 → 有休付与なし
勤続6ヶ月以上1年未満 → 比例付与(通常は7日など)
転籍日での通算勤続年数に基づいて、入社日(3/1)に比例付与を行う方法であり、過不足のない妥当な取り扱いです。
(3) 10/1に通算勤続年数に応じた日数を付与(→推奨)
御社の制度は「毎年10/1に全社員へ一斉付与」ですが、通算勤続年数に基づいて、10/1に相応の日数を付与するのが最も整合性が取れます。
4.結論:どの方法が合理的か
選択肢→合理性→コメント
(1)残日数引継ぎ→◎→法的に必須
(2)-1 10日一律付与→△→過剰付与リスクあり、制度整合性に欠ける
(2)-2 勤続通算の比例付与→◎→法的整合性が最も高く、バランスがよい
(3)10/1に通算勤続ベースで付与→◎→自社制度と整合する。(2)を補完する意味でも有効
5.実務対応のおすすめ
3/1転籍時に
残有休をそのまま有効期限付きで引き継ぐ(1)
勤続通算年数で比例付与する(2-2)
※すでに6ヶ月以上の勤続があるなら7日付与など
10/1に
勤続通算に基づいて日数を決定し、一斉付与(3)
6. 就業規則への明記のすすめ
現行の規定に「転籍者に関する付与取り扱い」がないとのことですが、今後も転籍を受け入れることがあるのであれば、下記のような形で明記することを推奨します。
転籍により当社に入社した者については、転籍前会社での勤続年数を通算し、有給休暇の日数および有効期限を引き継ぐものとする。なお、転籍後最初の10月1日における年次有給休暇の付与日数についても、通算勤続年数を基に決定する。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/04 19:18 ID:QA-0156323
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/08/19 11:41 ID:QA-0156831大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、転籍に関しましては、新規雇用と同様の扱いになりますので、前職からの年休日数引継有無等に関係なく、原則通りの年休付与をされる義務が生じます。
従いまして、転籍先の制度に基づき、入社日に10日付与される事が必要です。
投稿日:2025/08/04 19:19 ID:QA-0156324
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/08/19 11:41 ID:QA-0156830大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
まず、1と3については、マストでご対応いただくことになるかと存じます。
その上で1と3のみを対応した場合、転籍とは言え、所属会社が変わる、言わば
転職にあたるものですので、転籍後の6カ月経過時点で、年次有給休暇が付与さ
れないといった事態は法令上、問題が生じます。
貴社に入社した以上、貴社の会社規定に沿った対応があくまで必要であり、
転籍時の追加条件として、転籍時の有給休暇残日数を引き継ぐとしている
のであれば、
2-1、入社者と同様に入社日に10日付与が合理性のある運用と言えるでしょう。
投稿日:2025/08/05 07:36 ID:QA-0156340
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/08/19 11:41 ID:QA-0156829大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
付与日と付与日数
以下、回答いたします。
(1)付与日
1)本件、3月1日転籍(入社)とのことですので、法定の基準日は「同じ年の」9月1日となります。この日に付与することが原則となりますが、繰り上げて入社日に付与することは可能です。(繰り下げることはできません。)
2)この場合、次回以降の付与日については、最初の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げることが必要になります。「同じ年の」10月1日とすることはこれに反していないものと認識されます。
(2)付与日数
1)転籍の場合、転籍元との労働関係はいったん消滅し、労働関係は新たに転籍先との間に成立することから、一般に、継続勤務とみることは困難であると考えられます。その一方で、労働基準法は最低基準という性格を有していることから、労働者に有利な扱いをすることはもとより問題はなく、「転籍前会社からの勤続年数」を元に付与日数を計上することは可能であると考えられます。
2)この場合、最初の付与日と2回目以降の付与日、いずれにおいても同一の基準(転籍前会社からの勤続年数)に基づいて計上することが合理的であると認識されます。
投稿日:2025/08/05 07:42 ID:QA-0156341
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/08/19 11:41 ID:QA-0156828大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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