転籍時に支払う一時金の源泉税について
100%出資子会社へ親会社の社員を転籍させることを考えています。退職金制度は同一の確定給付及び確定拠出企業年金で運営されており、転籍先で退職する際に通算で退職年金・一時金が支給されることになります。ただし、親会社より子会社の労働条件が低くなるため、転籍時に親会社を退職する名目で特別退職という名目で一時金を親会社から転籍同意者に支給することを考えています。
この場合、この一時金を退職所得として源泉税を扱うことは問題あるでしょうか?
投稿日:2009/02/25 14:29 ID:QA-0015301
- *****さん
- 東京都/その他金融(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
転籍時に支払う一時金の源泉税
■所得税法上の退職手当等とは、《 本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与 》 と定義されています。具体的なチェックポイントは次の3点です。
① 退職、すなわち勤務関係の終了という事実によってはじめて給付されること
② 従来の継続的な勤務に対する報償、ないし、その間の労務の対価の一部の後払いの性質を有すること
③ 一時金として支払われること
■転籍とは、文字通り、在籍先を転換することですから、労働者が、元企業との雇用契約を解除し、別の企業と新しい雇用契約を締結することを言い、グループ会社間といえども、別法人間の契約解除・締結という意味では変わりません。退職金制度については、グループ単位での連合組織体として運営されているのもと理解致します。
■ご相談に戻りますが、① 及び ③ についてはパスしますが、② に関しては、将来に向けての不利性の補填の意味合いが認められ、《 疑問レベル大 》 です。更に、労基法の観点からは、「退職金を定める場合には、適用者の範囲、額の計算、支払方法、時期に関する事項」を就業規則に記載しなくてはいけない(相対的記載事項)ことになっていますが、これも、かなり苦しいですね。
■弊職は、結論的のは、退職所得として源泉税(勤続期間と支給金額によりますが、ご相談事例では多分 《 ゼロ 》 )を取扱うのは、税務否認される可能性が大きいと思います。親しい税理士さんにも、ご確認いただきたいと思います。
投稿日:2009/02/26 10:20 ID:QA-0015318
相談者より
現在プランの段階でしたが、退職所得として処理することに不安がありました。税理士にも確認することにいたします。大変参考になりました。
有難うございました。
投稿日:2009/02/26 10:53 ID:QA-0036011大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
転籍に伴う退職金について この度、初めて転籍を行うにあたり... [2007/03/27]
-
退職日前の退職金一部(または全部)支払について 3月末付で退職予定の従業員に対し... [2009/02/13]
-
退職日 当社は退職の申し出があった者に対... [2010/05/15]
-
子会社への転籍者の退職金支給方法について 現在、子会社に在籍出向している社... [2013/01/28]
-
退職者の有給について パートで退職された方がいますが、... [2024/08/23]
-
64歳と65歳の失業給付金について 退職日を迷っておられる社員がいる... [2017/02/16]
-
退職後1ヶ月後の転籍者の有給休暇継続 当社では、親会社からの転籍者には... [2024/07/10]
-
退職率 よく退職率 何%と表示があります... [2006/11/24]
-
定年退職時の退職金 定年退職時の退職金支給について... [2008/02/14]
-
希望退職募集の場合の退職金 経営がかなり逼迫している状況で、... [2010/11/30]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
退職理由説明書
退職合意済みの社員に、どのような理由で退職に至ったかを記入してもらう書類です。ヒアリングは慎重に行いましょう。
退職証明書
従業員が退職したことを証明する「退職証明書」のサンプルです。ダウンロードして自由に編集することができます。
退職承諾書
退職届を受理し、承諾の旨と今後の指示を記載した書類です。
退職手続きリスト
従業員の退職では社会保険や退職金の手続き、返却・回収するものなど、数多くの業務が発生します。ここでは必要な退職手続きを表にまとめました。ご活用ください。