シフト制アルバイトの有給休暇期間の所定労働時間について
お世話になります。
法定通り有給休暇を付与しているのですが、勤務時間が日によって異なる従業員の1日あたりの有給休暇の所定労働時間について質問をさせていただきます。
弊社では自己申告のシフト制でアルバイト・パートを雇用しております。
自己申告されたシフトを社員が承認し、シフトが確定している出勤日のみ有給休暇申請できる仕組みとなっております。
この時の賃金計算は、確定シフトの勤務時間×時間給となります。
しかし、今回解釈の抜け穴として、以下のような事態が発生しかねないと思い、対応策や会社としてすべきことがあるかご意見を伺いたいです。
<例>Aさん
・労働条件
9時~17時(左記の内、3~7時間程度/日)※シフト制、当日の物量による
週1~5日
・勤務実態(Aさんの希望による)
9~15時
週5日
・シフト申請 → 確定シフト → 有休/通常出勤
月:9~15 → 9~15 → 通常出勤
火:9~17 → 9~17 → 有休
水:9~15 → 9~15 → 通常出勤
木:9~15 → 9~15 → 通常出勤
金:9~17 → 9~17 → 有休
(補足)
・繁忙期や閑散期の波が大きく、所定労働時間を固定に設けることが難しい
・現状、申請されたシフトは基本的に承認している
Aさんのように、通常は9~15時しか勤務していないにも関わらず、有給休暇を取得したい日のみ9~17時でシフト申請された場合は、7時間分の時間給を支払わなければならないのでしょうか。
シフト承認の段階で、9~15時の通常勤務分だけシフト承認するというのが解決策としては妥当なのでしょうか。
ご教示の程お願いいたします。
投稿日:2025/04/28 11:33 ID:QA-0151559
- mngmntさん
- 千葉県/紙・パルプ(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
年次有給休暇取得時の賃金ですが、以下のいづれかより、
会社の方で定めることが可能でございます。
1.所定労働時間労働した場合の賃金
2.平均賃金(過去3ヶ月間における1日あたりの賃金)
3.標準報酬月額の30分の1
最も一般的なのが上記の1.となりますが、
今回のご質問者様のケースでは、
2.の平均賃金を用いて、計算するのが最も実態にあい、
適切ではないでしょうか。
シフトの入れ方次第で、有給取得時の賃金に差が生じますことは、
制度観点からも、公正・公平観点に欠如しているものと思案いたします。
投稿日:2025/04/28 14:18 ID:QA-0151568
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/04/30 15:47 ID:QA-0151625参考になった
プロフェッショナルからの回答
現状の運用だと、7時間分の賃金支払い義務が発生する可能性が高いです。
そのため、シフト承認時に勤務時間をチェック・調整する運用に変更するのが妥当な対応策となります。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.基本的な考え方
労働基準法では、有給休暇の賃金は、以下のいずれかの方法で支払うとされています。
(1)通常の賃金
(2)平均賃金
(3)健康保険法の標準報酬日額(労使協定がある場合)
通常は(1)通常の賃金で対応している企業が多いです。
そして「通常の賃金」とは、その労働者が有給を取った日に本来働くはずだった時間分の賃金を支払うという意味になります。
では、今回のケースにあてはめると?
有休を取った日の「確定していたシフト」が9~17時(7時間)であれば、原則、その7時間分の賃金を支払う必要があることになります。
つまり、有給申請時点で「その日に7時間勤務することが確定していた」なら、7時間分支払わざるを得ない解釈になります。
→ ただし、ここでポイントなのは「シフト確定のプロセス」が会社側で管理できているかです。
問題点
Aさんの例では、普段は6時間勤務なのに、有休取得希望日のみ7時間のシフトを自己申告し、会社が特に確認せず承認してしまっているので、「本来の労働実態」と「シフト申請」がズレてしまっています。
このままだと、意図的に「有給取得のために勤務時間を長く申告する」ことが可能になってしまい、賃金コストが予期せず膨らむリスクがあります。
2.応策(おすすめ)
(1)シフト申請のルールを明文化する
例えば、
「通常の労働時間を超えるシフト申請をする場合は、特別な事情がない限り認めない」
「有給休暇取得希望日の勤務時間は、通常勤務と同等時間を原則とする」
というように、ルールを作って、就業規則またはシフト運用ルールに明記しておきます。
(2)シフト承認時に勤務時間を精査する
承認担当者に、
「通常勤務と大きく異なる申請があった場合は差し戻す」
という運用を徹底します。
(3)「所定労働時間表」を別途作成する
アルバイト・パートの通常勤務時間の「基準(例:1日6時間など)」をあらかじめ個別に設定しておくと、有給休暇の賃金計算がブレにくくなります。
(シフトが変動しても、あくまで「基準時間」で支払う方式が取れます)
3.まとめ
質問の回答としては、
現状の運用だと、7時間分の賃金支払い義務が発生する可能性が高いです。
そのため、シフト承認時に勤務時間をチェック・調整する運用に変更するのが妥当な対応策となります。
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/04/28 14:23 ID:QA-0151569
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/04/30 15:49 ID:QA-0151626大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、シフト申請され承認後であれば、時間の長い日に年休取得希望される方が多くなるのは当然ですし、これを拒否する事も出来ません。
つまり、シフトで7時間勤務の希望を認めているのであれば決して抜け道等ではなく当然の権利行使ともいえますので、これを避けたいという事でしたら、ご認識の通り、シフト勤務の事前申請については5時間のみと限定され、業務上必要な場合にのみ後日2時間の追加勤務を指示されるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2025/04/28 18:49 ID:QA-0151579
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/04/30 15:49 ID:QA-0151627参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
シフト勤務でパート・アルバイトを雇用している以上、勤務時間が長い日に有給休暇を取得しようとするのも当然の権利行使であり、会社は拒否することはできず、9~17時で承認した以上は、当然、有給休暇取得時の賃金は7時間分の時間給ということになります。
繁忙期や閑散期の波が大きく、所定労働時間を固定に設けることが難しいということであれば、お考えどおり、まずはシフト承認の段階で、9~15時の通常勤務分だけシフト承認をしておき、業務の都合で15時終業が困難な場合にのみ2時間の残業を命ずるというのが妥当なところではないでしょうか。
投稿日:2025/04/29 06:39 ID:QA-0151583
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/04/30 15:50 ID:QA-0151628参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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