時間外手当
いつも参考にさせていただいています。営業社員の時間外手当について、ご相談させていただきます。当社では、営業担当社員について裁量労働制は導入しておらず、就業規則上は、残業代の支給対象となる業務社員と同じ扱いとなっていますが、慣例として営業には残業がつかない扱いとしています。主任補までは営業手当てがつきますが、昇格するとなくなります。これは、労基法違反となるのでしょうか。全員ではありませんが、一部の営業は成績が賞与に反映され、成績がよければ賞与が増える仕組みにはなっております。現状のままで運用を続けて、法的な問題は無いのでしょうか。ご教示をお願いいたします。
投稿日:2007/06/08 11:11 ID:QA-0008697
- *****さん
- 神奈川県/商社(専門)(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
法的な問題はあると思われます。
                ソフィアコンサルティングの田添と申します。
 
 ご相談の件、拝見しご連絡差し上げます。
 
 ■慣例上残業代がつかない取扱い
  -この点がすでに労働基準法上問題です。
  -御社と同様の扱いを「慣例上」行っている会社は非常に多いと推測しますが、法的に問題であることに変わりはありません。
  ※もっとも、「主任補」といわれる地位の上が、就業規則上管理職扱いであればこの限りではありません。
 
 ■営業成績が賞与に反映される仕組みとの関係
  -このような賞与制度を導入していることと、残業代の支払いを回避できることとは、法的には何の関連もありません。
  -したがって、残業手当を法律どおりに支給しなければならないことに変わりはありません。
 
 ■対応策
  -目先の対応としては、営業社員に対しても法令どおりに時間外労働手当を支給するようにすべきでしょう。
  -なお、コンプライアンス上万全を期するためには、これまで支払われていなかった手当額を遡って算定し遡及支払いするのがベストです。
  ※これをどの程度遡るのが適正かについては、所轄の監督署とご相談されるのがよいでしょう。
  -次に抜本策としては、ご指摘のように事業場外にかかるみなし労働制等を導入する方法がありますが、御社の営業業務プロセス如何によっては、通常の時間外管理により残業代を支払う方が簡便でコスト的にも適切な場合もありえますので、検証が必要です。
 
 以上、取り急ぎご連絡差し上げます。
 
 ソフィアコンサルティング株式会社 田添                
投稿日:2007/06/08 12:47 ID:QA-0008699
相談者より
ご回答ありがとうございます。もう1点アドバイスお願いいたします。営業職のため客先へ直行し直帰することも多く、残業代を支払うのと同時に、1日8時間以上勤務した場合残業手当対象となることから、不就労時間も管理しなければなりませんが、実際は本人の自己申告に頼ることになり、時間の管理が難しい状況です。やはりそうなると裁量労働制を導入するのが一番でしょうか。裁量労働制を導入しない場合の合理的な運用方法はありますでしょうか。よろしくお願いします。
投稿日:2007/06/08 13:49 ID:QA-0033477大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
 
					- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
管理職・一般職の線引と時間外手当
                ■主任補までの営業職には、営業手当(実態は、みなし残業手当としての定額手当?)を支給しているが、主任補から昇格すると(代わりに、管理職手当のようなものが支給される?)ということなのでしょうか? いずれの点も、労基法違反の可能性が大きいようです。
 ■労働基準法では、「みなし労働時間制」はあっても、「みなし残業」という制度は存在しません。勘違いして一律○○円をみなし残業手当として支給している企業も多いようですが、これは上記のみなし労働時間制のようにはいきません。実際の時間外労働の金額がみなし残業と定めた一定金額を超える場合には、その超えた金額は支払う義務が発生することになります。少ない時間の時間外労働の時間の算定及び残業代の計算をすることが面倒で、その部分に該当する残業代を「みなし残業」として<多く支払うこと>は問題ありません。制度として取り入れる場合は決して安易に間違った認識で導入するのではなく、十分に検討することが必要です。
 ■管理監督者は、労働基準法の法定労働時間、休憩、休日に関する規定の適用から除外されています。御社では、主任補超の社員は労働時間管理からはずされる管理監督者として扱われているものと推測します。然し、実際の基準は極めて厳しく、管理監督者とは、職制上の役付者で重要な職務と責任を有し、労働時間の規制になじまない立場の者に限られます。したがって、一般的には、部長・工場長など労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者が該当します。職制上の役付者のうち、労働時間、休憩、休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請され、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間の規制になじまないような立場にある者に限られるのです。
 ■「一部の営業は成績が賞与に反映され、成績がよければ賞与が増える仕組み」の内容が不明なので断定的には申し上げられませんが、「合理性」「公平性」「公開性」といった切り口から妥当性を検証されることをお勧めします。                
投稿日:2007/06/08 13:24 ID:QA-0008702
相談者より
投稿日:2007/06/08 13:24 ID:QA-0033478大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
直行直帰にはみなし労働時間制が有効
                ご指摘のように、直行直帰にはみなし労働時制が有効です。これはまさに、ご指摘のケースに対応するための法的な仕組みだからです。
 
 ただ、その仕組みは「事業場外にかかるみなし労働時間制」であり、一般的な裁量労働制ではない点、十分にご留意下さい。
 
 裁量労働制には、従来からの専門型と企画型がありますが、企画型の方は本社等勤務者でなければ対象になりません。
 また、専門型の方も、企画提案プロセスを多く含むシステムコンサルタント等に限定されています。
 
 以上、取り急ぎご連絡いたします。                
投稿日:2007/06/08 13:59 ID:QA-0008704
相談者より
投稿日:2007/06/08 13:59 ID:QA-0033479大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
    ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
    
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