試用期間(満了後)における解職について
いつもお世話になっております。またお知恵をお貸し下さい。
弊社では期中採用者(転職組)や身障者の雇用において、3年以内の早期離職の防止やマッチングミス、スキル不足の把握などのために、まず最初の3~6ヶ月位の間、社員化前提の嘱託等の有期雇用(嘱託としての延長条項なし)で採用し、特段に問題がなければ、晴れて正社員化するというプロセスを経ております。
モノの本やwebの記事によりますと、試用期間の解雇は企業のリスクヘッジとして一般的であるが、本採用を見送りに足る一定の状況が客観的に担保されていることとされ、法的には解雇は可能と解釈しております。
いわゆる「解約留保付労働契約」を行なうためには、例えば、口頭通知(文書無し)、あるいは正社員採用の辞令上に最初の半年は試用期間である旨を記載すれば済むのか、もしくは辞令とは別に1枚「解約留保付労働契約書」を作成する必要があるのでしょうか。また従前のように社員化前提とはいえ、本採用前は社員とは異なる有期雇用で採用しておくほうが安全(=リスクが少ない)なのかどうでしょうか。
また、これらは採用という手続きの範疇で企業が自由に判断できる話なのか、それとも社員就業規則の中に「試用期間についての扱い」というような項目が定められていないと、そもそも解約留保付労働契約を行なうことができないのかの観点についてもご教示頂けると助かります。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願い致します。
投稿日:2019/04/04 15:48 ID:QA-0083567
- 国分寺丸2号さん
- 東京都/建築・土木・設計(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
人事の視点
不適格者採用というリスクに対応することは、一方で歓迎すべき有能な社員候補を逃がす(試用期間で辞めやすい制度のため)リスクとなります。有能人材がこぞって入社してくれる環境であれば、こうした使用期間を社員に厳しく設定することで、一定の回避となるでしょう。
契約ですが試用期間=有期契約であれば、当然有期の規定期間中は解雇できませんが、期間終了時にも正社員登用を匂わせていたのであれば、しっかりと30日以上前に正社員化しない旨を文書で通知し、本人了解を取る必要があります。
また解約留保付労働契約であっても社会通念上合理性のある解雇理由は必要ですので、管理者の個人的感情による「なんとなくパフォーマンスが悪い」程度のものではなく、明確なパフォーマンス評価基準(正社員との比較など)とそれに沿った指導改善結果などの証拠をそろえることで、本人の納得も得られ、いざというときの証拠になります。
投稿日:2019/04/05 09:34 ID:QA-0083588
相談者より
ご回答を頂きありがとうございました。
厳しい採用(高いハードル、試用期間)を行なうことは、リスク対応と同時に機会損失の可能性もあるということですね。後者は今まであまり意識していなかったのが正直なところです。
いずれにしても客観的な記録は残したいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2019/04/08 08:24 ID:QA-0083635大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、解約留保付労働契約につきましては一般的に内定時の法的状況を示したものですので、特にそのような文書を作成する必要性はございません。
一方、試用期間であっても正社員での雇用期間である事に変わりはございませんので、解雇リスクを減じる上では、明確に有期雇用契約をされた後に期間内のパフォーマンス次第で正社員としての雇用契約を締結される方が有用といえるでしょう。但し、そうなりますと、正社員雇用の確実な保障がなされないことからも採用面で影響が生じる可能性がある点に注意が必要です。
また、試用期間については会社が任意で定める事が可能ですが、解雇の取扱いも含め就業規則上に定めを置かれる事が必要になります。
投稿日:2019/04/05 10:13 ID:QA-0083597
相談者より
具体的なご説明を頂きありがとうございました。
弊社の今までのやり方(手法)もおかしなものではなかったようで安心しております。
当初の採用区分が正社員ではないことのデメリットは、応募者からすれば当然だと思いますので、募集時の表現に留意し、丁寧な契約説明に努めたいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2019/04/08 08:29 ID:QA-0083636大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
就業規則に記載をした上で、雇用契約書にも明示する必要があります。
解雇につきましては、通常解雇よりはハードルが下がりますが、通常解雇に準して、客観的な説明が必要です。
有期雇用を試用期間とすることにつきましては、トラブルに発展した場合には、実態で判断されますので、採用面では不利になりますので、むしろ避けた方がよろしいと思われます。
投稿日:2019/04/05 12:45 ID:QA-0083604
相談者より
試用期間としての有期雇用は相応しくないとのご意見ありがとうございます。
万一の本採用見送りとなった場合に備え、就業規則の整備と同時に客観的な記録を残すようにしたいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2019/04/08 08:40 ID:QA-0083637大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
【2010年度入社】 新卒の採用単価について [2009/09/17]
-
裁量労働制を採用されている人材をダブルワークにて採用に関して 採用に関してのご質問になります。... [2023/06/07]
-
採用の秘訣 専門商社ですが採用の質量ともに苦... [2021/10/18]
-
新卒採用を行うメリットとは 当社では現在中途採用のみ行ってお... [2004/10/28]
-
募集人数と採用人数について 新卒採用活動中です。募集人数を5... [2006/02/22]
-
採用アウトソーシングについて 採用のアウトソーシングを受託した... [2008/11/12]
-
嘱託社員の採用について 現在、役員運転手がおりますが、退... [2017/01/12]
-
中途採用の採用ポイント IT系採用担当になって、まだ4ヶ... [2007/05/21]
-
高卒採用試験での不採用理由の伝え方について 会社において、高卒対象の採用試験... [2016/09/27]
-
採用時の薬物テストについて 採用時にドラッグ使用者であるかど... [2006/02/20]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
採用稟議書(採用決定時)
社内の関係者に、選考の進んだ応募者について、採用をするかどうかを諮るための稟議書です。
採用稟議書(募集開始時)
採用活動を開始する際に、採用条件について稟議するためのテンプレートです。
採用内定通知
採用内定通知書です。
最後の一文がポイントです。是非ご利用ください。
採用ジャーニーマップシート(中途採用版)
中途採用時に便利な採用ジャーニーマップシートです。人材要件の整理などに役立ちます。