労働契約法の改正に伴う無期労働契約への転換について
労働契約法の改正により、有期労働契約が5年を超えて繰り返し更新された場合、無期労働契約への転換をしなければならなくなりましたが、労働者が、無期労働契約への転換を希望しない場合の取り扱いに悩んでおります。
①無期労働契約を希望しない場合は、引き続き有期労働契約を結んでもいいものなのか。その場合であっても、本人からの契約途中での申し出があれば、無期労働契約に即変更すればよいのか。
②無期労働契約を結ばないためには、雇い止めを実施するかもしくは6ヶ月の未契約期間をおくしか方法がないと考えればよろしいでしょうか。
③無期労働契約を結んだ時、途中で契約終了を検討しなければならなくなった場合は、通常の労働者同様、解雇予告手当等を支給すれば可能なのでしょうか?
本人が希望しない無期労働契約を結ばなくてはいけないと考えると難しい問題になっています。
よい方法はありませんでしょうか。
投稿日:2017/09/25 08:51 ID:QA-0072633
- 管理業務担当さん
- 東京都/教育(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働契約法で定められた無期雇用への転換につきましては、当然ながら当人の希望があった場合にのみ適用されるものです。当人が希望しない場合まで強制的に無期転換となるものではございません。
従いまして、無期転換希望の申し入れがなかった方につきましては、従前の通り有期雇用のまま契約更新をするのみで差し支えございません。
投稿日:2017/09/25 10:24 ID:QA-0072634
相談者より
ご回答ありがとうございました。
有期契約の継続が可能なのは理解できました。
この場合であっても、いつでも無期労働契約に申し出が可能でかつ採用側では拒否できないと言うことでよろしいでしょうか。
また、③に関しては如何でしょうか。
お手数ですが、ご回答頂けると大変参考になります。よろしくお願い致します。
投稿日:2017/09/25 11:05 ID:QA-0072635大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
キーワードは「本人の希望」
▼ 3点のご質問
① 無期雇用転換希望の申出の期間は「現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日まで」と定められていますが、法の趣旨に鑑みれば、キーワードは「本人の希望」故、引き続き有期労働契約を締結することも自由であり、その途中での申出る権利は消滅しないと理解するのが妥当だと思います。
② 「無期労働契約を結ばない」というのは、有期契約を更新する場合と、現行有期契約を更新しない場合があると思いますが、夫々に就いて、確立されている、雇用主として採るべき措置と手順に従い処理することになります。
③ 無期労働契約締結後の契約終了は、就業規則の定めに従うことになります。
▼ 先程引用しました様に、キーワードは「本人の希望」です。「本人が希望しない」というのも、同じキーワードの裏面で、雇用主に無期労働契約の締結義務を負わせるものではありません。
投稿日:2017/09/25 11:09 ID:QA-0072636
相談者より
ご回答有難うございました。
大変参考になりました。
ちなみに「就業規則」に解雇規定における「会社の経営上やむを得ない理由があるとき」という規定がありますが、これはそう簡単には認められないと解釈すればよろしいですか。単にその業務自体が不要になっただけではダメだと考えればよろしいですか。
投稿日:2017/09/25 12:27 ID:QA-0072639大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「この場合であっても、いつでも無期労働契約に申し出が可能でかつ採用側では拒否できないと言うことでよろしいでしょうか。
また、③に関しては如何でしょうか。」
― ご認識の通り、いつでも無期労働契約に申し出が可能でかつ会社側では拒否できません。その場合ですが、実際に無期契約へ転換するのは既に締結している有期雇用の契約期間が満了してからになります。
また③の事柄については、無期転換となった以上、当然ながら解雇予告手当の件を含め通常の労働者と同じ取扱いが必要です。
投稿日:2017/09/25 11:17 ID:QA-0072637
相談者より
再度の回答有難うございました。
無期転換を求めない就業者にはこの規定は厳しいですね。かえって、半年の空白期間を開けさせる必要があり、一旦退職になるケースが増えるような気がしてなりません。
いろいろご教授有難うございました。
投稿日:2017/09/25 12:29 ID:QA-0072640大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
本人の意思優先
基本は本人の意思が最優先です。
①本人が希望する以上、有期契約を締結できます。有期契約終了後、無期転換を申し出られれば、応じる必要がありますが、契約途中ではありません。
②無期契約を結ばないためというのは法の主旨に反しますが、雇い止めならば無期化はできません。クーリング期間があればやはり無期化はできません。
③通常解雇と同じ手続きですので、どのような規定があっても一方的解雇は実際のところ非常に難しく、退職勧奨などで自主的に辞めていただくことになります。
本人が希望しない契約を強制することはできませんので、あくまで意思優先です。
投稿日:2017/09/25 23:07 ID:QA-0072648
相談者より
ご回答有難うございました。
大変参考になりました。
難しい問題ですが、無期契約の申し出が可能になることでリスク排除したいと考えると、クーリングオフ期間をおくしかなさそうですね。
本当に有難うございました。
投稿日:2017/09/26 08:57 ID:QA-0072649大変参考になった
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