民法改正に伴う賃金債権の時効への影響について
いつも大変参考にさせて頂いております。
さて、先週末に成立しました民法改正の中で、債権消滅時効を原則として「知ったときから5年」に統一することが含まれておりました。
短期消滅時効である特則が廃止される(例:飲食費・宿泊費1年、弁護士報酬2年、病院の診療費・工事代金3年、商事債権5年など)と認識しているのですが、賃金債権の短期消滅時効についても影響が出るのでしょうか。
自分自身でも調べているのですが、今回の改正に含まれるのかが、なかなかはっきりしたものが示されていません。また、賃金だけでなく、労働保険・社会保険上の給付(労災休業補償、傷病手当金など)にも及ぶのかもはっきり示されておりません。
現時点では確答はできかねると思いますが、労働法令・社会保険法令の改正の動向として何か示されているのかご教示頂けますと助かります。
よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2017/05/29 15:28 ID:QA-0070781
- 着眼大局さん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
労基法の消滅期間の定めは影響を受けないと推測
▼ 未だ結論は出ていませんが、労基法における賃金債権(2年)は、元々、民法における、1年の短期消滅時効「自己の労力の提供・・・・・を業とする者の報酬債権」(第174条の2)に対する特別法として制定されたものです。
▼ 恐らく、民法の改正でも、1年という短期の債権は、6カ月といった超短期まで短縮されることはないでしょう。仮に、そうなっても、労働者保護の観点から、労基法の消滅期間の定めは影響を受けないと思います。
投稿日:2017/05/30 12:33 ID:QA-0070805
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2017/05/30 13:02 ID:QA-0070807参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、時効等の適用につきまして異なる法律で定めがある場合には、原則として特別法が一般法に優先するものとされます。
従いまして、労働基準法その他各種労働・社会保険法令(特別法)で定めがある時効につきましては、民法(一般法)の規定内容より優先しますので、考え方としまして民法改正の影響を受ける可能性は低く、現行の時効ルールに変更はないものと思われます。
投稿日:2017/05/30 18:29 ID:QA-0070811
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2017/07/04 16:01 ID:QA-0071371参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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