抜本的な給与改定
外回りの営業、内勤の事務それぞれ8人の小さな会社です。中途採用者ばかりで、年齢は29〜45歳。
給与は前社長が導入した「年俸制」ですが、年齢と経験年数に応じた大ざっぱな給与表しかなく、毎年度末に新しい年俸額を16(給与12カ月分+賞与4カ月分)で割り、定期昇給や時間外手当の単価などもそこから決めてきました。ただ、退職手当の規程だけは「年俸÷12カ月」を基礎数にして算定することになっています。
中途採用の際に、前社長のさじ加減で待遇を決めたため、どうみても不当に低い人や比較的高給な人が何人かいます。
係長職、課長職といった職制に応じて賃金の上昇幅が変わる給与テーブルがなく、従って人事考課で待遇を変えていくことができません。言い方は悪いですが「仕事をサボる社員」に有利な体系になってしまっています。
このため、社長が交代したのを機に、5段階の職制と賃金テーブルを設け、人事考課の制度も導入することにしました。
よく働く人の給与は上がりやすく、あまり働かない人の給与は上がりにくく、というごく普通の仕組みに変え、現在の待遇から大きく下がる人については最長12年の「調整給」で帳尻を合わせます。
労働組合がないため、新制度の導入に当たっては、念のため全員から「同意書」をもらいました。
ところが1人だけ、「時間外手当の単価が下がるのは不利益変更」「退職金の予想額も低くなる」として同意書を出しません。
確かに評価が低ければその可能性はあるが、高評価なら今の予想額よりも高くなることも期待できるのだから、と説得しても、頑として応じません。
この場合、新しい給与制度は実施できないのでしょうか。
投稿日:2017/04/19 16:56 ID:QA-0070208
- シュナイダーさん
- 北海道/マスコミ関連(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
給与改定については、合理性があれば同意は不要ですが、明らかに不利益変更ということであれば、個別同意が必要です。
個別同意が必要なケースでも、数名は同意しないケースは少なくありません。
そのような場合には不利益の程度等によりますが、文面からは必ずしも不利益な変更でもなさそうですので、新しいい制度を実施することは可能です。
リスクとしては、同意しない社員の訴訟リスクですが、文面を拝見する限り、万が一訴訟となったとしても、さほど心配はいらないと思われます。
投稿日:2017/04/19 18:41 ID:QA-0070211
相談者より
ありがとうございました。慎重に進めます。
投稿日:2017/04/21 18:08 ID:QA-0070243大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、文面内容を拝見する限りでは、不利益の程度が著しく高いとまでは言えない事、最長12年といった長期間に及ぶ調整措置を採られている事、及び他の労働者から全員同意を得ている事といった点から、労働契約法第10条に基づき変更内容が有効とされる可能性が高いものと思われます。
しかしながら、同法に関わる具体的な判断基準までは存在しておらず、上記回答については御社での詳細事情を知りえない立場からの一般的な見解に過ぎません。
従いまして、可能であれば該当者に関わる調整措置等について若干の修正をかけられることで多少は柔軟に対応する事を検討された方が無難といえます。それでも尚同意されず、法的手段に訴える等のトラブルに発展しそうな場合には、万全を期す上で労働問題に精通した弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
投稿日:2017/04/20 20:39 ID:QA-0070226
相談者より
ありがとうございます。もう少し、話し合いを進めてみます。
投稿日:2017/04/21 18:07 ID:QA-0070242大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
話し合いと実行
ご提示の事例は非常によくお考えになられた、練られた策だと感じます。これまでが異常事態で、今回の改善は正に正常化といえる内容です。当然意に反する社員は出てくるでしょうか、これを機に話し合いを持ち、経過策、さらに日々の業務進捗評価などで自分が悪いことを自覚させつつ継続して話をしていきつつ、実行で良いのではないでしょうか。裁判に行ったとしても、ここでの表記内容だけでみれば非常に説得力ある改善案とお見受けします。
投稿日:2017/04/22 14:07 ID:QA-0070255
相談者より
ありがとうございます。話し合いを進めます。
投稿日:2017/04/24 09:23 ID:QA-0070261大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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