短時間正社員の定額残業代
いつも参考にさせていただいております。
短時間正社員の定額残業代についてご相談させていただきます。
弊社では、通常の正社員に対して、月45時間の定額残業代を職務手当として支給しています。
この度、短時間正社員制度を導入することになったのですが、
そこで、基本給と職務手当の賃金体系の設定で悩んでおります。
そもそも、短時間正社員になるということは、所定時間外勤務ができない事情があるのですが
万一、所定外・法定外を含めて時間外勤務が発生した場合、
通常の正社員は45時間までは時間外手当が発生しません。
一方、短時間正社員は一分でも残業すれば法定内または法定外の割増賃金が発生することとなります。
また、通常正社員の時間外手当の算定基礎額は基本給のみで、定額残業代を含めておりませんので
給与の全額を基本給とする短時間正社員とでは、時間当たりの賃金が同程度場合、算定基礎単価が短時間正社員のほうが高くなってしまいます。
短時間正社員制度の趣旨に照らしても、契約段階において定額残業代を設定することは制度自体が
形骸化してしまう恐れがあるように思います。
このような場合、どのような賃金体系をとれば、雇用形態による有利不利をなくせますでしょうか。
長文で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
投稿日:2017/03/21 15:38 ID:QA-0069800
- サンデーさん
- 千葉県/情報処理・ソフトウェア(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、通常の正社員の場合は残業時間の多少に関わらず定額残業代を必ず支給されており、一方短時間正社員の場合は実際に残業をしないと手当がつかないわけですから、むしろ通常の正社員の方が処遇面では有利になるものといえます。
加えまして、短時間正社員についても、時間外手当の算定基礎額に残業代を含める必要はございませんので、それだけで短時間正社員の方が割高になることはないはずです。
従いまして、ご懸念のような不公平は発生しませんので、固定残業代設定無の短時間正社員制度を設ける事で差し支えございません。
投稿日:2017/03/21 22:48 ID:QA-0069804
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
弊社の場合、定額残業代については、基本給に加算しているのではなく、総支給額を決定したうえで、逆算して基本給部分と定額残業代に分けています。
数年前に、賃金規程を変更してそれまでの基本給一本だったものを、分離しました。目的は、万一45時間以上の残業が発生した場合に計算基礎を低く抑えるためです。
そのため、同じ能力の社員で時短調整前の給与査定が同額の場合
例)正社員(総支給額22万円)
→基本給166000円・定額残業代54000円
弊社の1か月所定労働176時間ですので、
166000/176≒944×1.25=1180
1200×45=定額残業代となります。
定額残業代相当額を超えた場合、166000円が計算基礎額となります。
(短時間正社員)正社員の4/5の労働時間
220000×(4/5)=176000円=基本給=計算基礎となります。
そもそも、残業代を極力抑えるための賃金設計であるための問題だと思うのですが、45時間残業しても残業代が支払われない(という意識の)正社員に対し、短時間正社員は残業代が支払われるうえに、単価が高いという問題を懸念しております。
最初のご相談の際、説明不足で申し訳ございませんが、再度、ご回答賜りたく、よろしくお願いいたします。
投稿日:2017/03/22 11:18 ID:QA-0069820参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件ですが、定額残業代の分離の際に、契約社員も含めまして根本的に基本給の見直しをされるべきであったといえます。
つまり契約社員のみ基本給が高くなっているという現状が明らかに不合理といえます。
但し、これを引き下げることは労働条件の不利益変更となり当人の同意が必要ですので、今となっては非常に難しいといえます。
つきましては、契約社員も定額残業代を採用するか、或は現行の固定残業代を全て廃止されるかいずれかの措置を取られるべきといえます。いずれにしましても労働者の個別同意を得る事が必要ですので、労使間で協議の上じっくり検討され決められるべきといえます。
投稿日:2017/03/22 11:30 ID:QA-0069821
相談者より
迅速なご回答ありがとうございました。
制度設計上の問題は薄々感じておりましたので、この機会に見直しを図りたいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2017/03/22 11:54 ID:QA-0069823大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
短時間正社員制度の趣旨を損ねない範囲で検討を
短時間正社員に同レベルの定額残業代制度を適用させると短時間正社員制度そのものが形骸化しかねないというご懸念はもっともです。
一方で定額残業代を一切設定しないと45時間を上回らない限り時間外労働手当が発生しない通常の正社員とわずかでも所定労働時間を超えて勤務すれば時間外手当が発生する短時間正社員との間のバランスに苦慮することになりますが、改めて御社における定額残業代制度の背景・目的をご確認下さい。
定額残業代制度の目的は、時間外労働自体はどうしても発生してしまうため、ひと月の中では設定された時間内に納めるようマネジャーの労務管理と社員の自己管理を意識づけるとともに、当該時間内に留まる限りでは個別の時間外労働手当の計算は必要ないという給与計算の簡素化というところにあると考えます。
したがいまして、通常正社員と同様の定額残業代は不自然ですが、短時間正社員と言えども業務の都合により、時間外労働を命ずることがあると考えれば一定時間の時間外労働に相当する定額残業代を付加しても問題はないと考えます。
例を挙げれば時間外労働は1回あたり30分、週2回、ひと月では4時間として、理念として短時間正社員には時間外労働はないが、命ずることがあってもこの時間内納めるよう労務管理すると考えるもので、毎月4時間は残業してもらいますという意味ではありません。
そのため、この時間については絶対の解はなく、制度の趣旨を損ねない範囲で設定することになります。
(検討した結果、定額残業代ゼロということもあると考えます)
公平な取扱いをするためには、通常正社員の基本給から定額残業代を取り出したあとのコアの基本給の時間単価で短時間正社員の給与を設定する必要があります。
逆算で定額残業代を設定している場合にはこの点にご留意ください。
投稿日:2017/03/28 09:11 ID:QA-0069871
相談者より
短時間正社員についても、労働時間に応じた比例配分等一定の定額残業代の付加を検討することにいたしました。ご回答いただきありがとうございました。
投稿日:2017/03/29 18:12 ID:QA-0069905大変参考になった
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