自然退職となった従業員の有休取得申出について
いつもお世話になっております。標記の件で相談したくご連絡いたします。
従業員から4月初旬に体調不良で一ヶ月休養したいという申し出があったため、3週間後に本人から今後の就業意思等を連絡するよう伝えていました。
ところが本人からの連絡がなかったため、こちらからも数回にわたりe-mail等で連絡をしてみましたが一切応答がなくそのまま音信不通となってしまいました。
そのため「会社の承認を受けない欠勤(無断欠勤等)が2週間に達した場合は退職とする」という弊社就業規則の定めに従い、5月の初旬付で自然退職とし、本人へその旨文書で通知しました。
すると、本人より5月の初旬付の退職届と「有休分の給料残っている分をください」という無記名(捺印のみ)のメモの郵送がありました。
既に退職していることから休暇請求権は消滅しており、さらに弊社は有休の買い上げ制度はない為、本人の申し出に応じる必要はないという認識でおりますが、見解をおうかがいできますでしょうか。
投稿日:2015/05/19 17:43 ID:QA-0062485
- *****さん
- 東京都/情報サービス・インターネット関連(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
本人も退職自体に異議は唱えていないようですので、
自然退職が有効であれば、退職日以後の有休はありませんから、
退職日以後、有休の申し出自体が、不可能となり、
申し出には応じる必要はありません。
投稿日:2015/05/20 18:40 ID:QA-0062498
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2015/05/21 13:15 ID:QA-0062506大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、「一ヶ月休養」を正式に会社として認めていたか否か、そして正式な退職の日付がポイントになります。
もし正式に認めていたとしますと、3週間後の連絡指示はあくまで今後の相談目的に過ぎません。従いまして、無断欠勤とされるのは、早くとも休養開始から1か月経過の日からでなければなりません。そうなりますと、5月初旬付けの退職日では明らかに早過ぎますので、(※仮に「退職届」が無ければ)本人の申し出があった日から正しい自然退職日までに消化できる有休日数分は全て付与される事が必要です。勿論、有休取得の申し出が正しい自然退職日以後になされていれば有休付与は不要になります。
但し、文面のケースですと、本人自身から意図は不明ですが「退職届」が提出されていますので、当然ながら5月初旬の退職日が有効となります。そうであれば、退職日以後の有休申請自体が無効になりますし、法令上買い上げる義務もございませんので、有休付与はされなくとも差し支えございません。
これに対し、「一ヶ月休養」を認めずに3週間後に連絡を依頼していた場合ですと、連絡が無かった日から後は無断欠勤と考えられますので、退職届の有無に関わらず文面の退職措置が有効となりえますし、それ故年休権も消滅し付与される必要もございません。
投稿日:2015/05/21 22:02 ID:QA-0062509
相談者より
ご回答ありがとうございます。一ヶ月の休養については会社として認めていた、という判断になるようと思っています。そういたしますとこちら側の無断欠勤の起算日には仰せのとおり誤りがあったように思います。誤った起算日に従って退職の通知をし、その通知(自然退職となった日付)を見て退職届を本人が書いてきた、という流れになるのですが、それでも本人が出した退職届は有効となりますでしょうか。
投稿日:2015/05/22 15:02 ID:QA-0062516大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事下さいまして感謝しております。
再度ご質問の件ですが、これもまた御社が送付された退職届や文面内容によります。
仮に退職事由が就業規則における自然退職の定めによるものと明示されていますと、当人が錯誤により退職に同意し届を提出された可能性が生じます。当人も確認もせずに退職届を出されたというのは余りに軽率といえますが、無用なトラブルを避ける上でもそのような場合には改めて自然退職日が誤りであった事、及び会社側のミスの責任により当人に不利益のないよう有休の買い上げに応じられるべきです。また退職届は当人に再確認し異論がなければそのまま届出通りの退職日で処理される事で差し支えございません。
それで通常であれば問題は起こらないものといえますが、万一当人が有休買い上げではなく、正式な退職日での退職を求められた場合ですと、当然ながら有休付与及び退職日の訂正に応じなければなりませんので、新たに御社から退職届を送付し返送をお願いする事が必要です。
これに対し、上記事由による退職とは示さず、単に退職になる旨の通知を送付されただけですと、退職届は本人の自由意思で書かれたものといえますので、退職届は有効でかつ有休も消滅で付与の義務はございません。
尚、安易に1カ月休職を認めかつその後の対応を本人からの連絡に任せてしまった事で今回の対応が複雑になってしまった事は否めません。今後はこのような面倒な事態にならないよう、休職期間や連絡指示等、会社が行う措置の持つ意味内容について曖昧にする事なく必ず具体化し明確にされることが重要です。
投稿日:2015/05/22 17:30 ID:QA-0062518
相談者より
ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。
投稿日:2015/05/22 17:36 ID:QA-0062519大変参考になった
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