出向者の特別休暇の取り扱いについて
いつもお世話になっております。
弊社には他社よりご出向いただいている方が在籍されています。
この度、その出向者の方が弊社(出向先)の本社事業所から地方の事業所へ転勤されることになりました。
弊社の「国内転勤取扱規程」の中で「家族帯同者には7日、単身赴任者には3日の転勤休暇(有給)を付与する」とあり、出向元会社との出向契約書におきましても「出向者の就業条件は出向先の就業規則により取り扱う」と記載されておりますため、今回の転勤にあたり転勤休暇を付与したいと考えております。
しかし、これまで有給休暇など休暇に関することについては、弊社(出向先)の規程では付与日数などの点で出向者に不利益が生じるため、出向元会社の規程に準じてまいりました。
今回の国内転勤については出向元会社での規程がないため、弊社(出向先)の規程に基づいて転勤休暇を付与すべきか否か判断を迷うところとなりました。
その判断しかねる原因が他にもありまして、この出向者とともに複数他社の派遣社員の方も同様に転勤することが決まっております。
この派遣社員の方については、休暇をはじめ派遣元の規程に従うとされており、今回の場合も派遣元に国内転勤規程がある会社とない会社があるため、弊社としては転勤休暇として休暇を取得することは可能ですが、その休暇は派遣元の有給休暇を利用するだけとなります。
ちなみに、出向者の出向料は出向元・先会社間で月額単価が決まっており、特別休暇を取得されたとしてもその単価が変動するわけではありません。
従いまして、今回の転勤休暇を付与したとしても、弊社としてはその出向者が会社に出勤しないという状況になるだけで特段影響がないのですが、派遣社員が有給休暇で対応するのに対して、出向者は結果的に有休を減らすことなく特別休暇を取得できるという差がでてきてしまいます。
長文になり申し訳ございません。
今回のような場合、出向者に転勤休暇を付与することは正しい判断でしょうか。
ご教示の程よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2015/03/25 18:21 ID:QA-0061997
- 総務人事担当さん
- 東京都/その他業種(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
出向というのは、業としては行うことはできず、ある目的のために行うものですので、
出張はあっても、転勤というのはレアケースといえます。
ただし、転勤しても目的がぶれなければありえないことはありませんが、
労働者供給とならないよう留意が必要です。
その場合に、転勤旅費はどうするかは、出向契約書によりますが、
転勤命令が出向先の都合によることですから、出向先が、
旅費規程に基づき負担するのが、通常と思われます。
派遣については、就業場所が変わるわけですから、契約変更あるいは、
別契約となります。派遣元とよく話し合い決定することになります。
出向者は、出向先とも労働関係がありますが、派遣労働者はあくまで派遣元の
労働者であり、派遣先とは雇用関係はありません。
よって、出向者と派遣労働者は、扱いが異なるのが通常です。
投稿日:2015/03/26 16:40 ID:QA-0062006
相談者より
ご回答いただきましてありがとうございました。
出向元・派遣元によく確認し処理を進めたいと思います。
投稿日:2015/03/27 11:29 ID:QA-0062017参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、出向契約書で「出向者の就業条件は出向先の就業規則により取り扱う」と記載されているのでしたら、当然ながら出向先(御社)の転勤休暇を付与する事が求められます。
これまで出向元会社の規程を適用されてきたとの事ですが、それは文面を拝見する限り出向者への不利益措置を回避する為の特別な配慮措置に過ぎませんので、今回は逆に利益となる以上規定通り出向先条件の適用で何ら問題はございません。
また後段の件に関しましては、派遣社員と出向社員ではそもそも雇用関係も契約内容も全く異なりますので、それに応じて異なった労働条件が発生する場合があるのも当然といえます。それ故、文面のような休暇取得の取り扱いに関しまして違いが生じましても、それ自体問題とはなりえないものといえます。
投稿日:2015/03/26 19:55 ID:QA-0062009
相談者より
不利益にならない場合は出向契約書に記載の通り処理すればよいとのことで納得致しました。
ご回答いただきましてありがとうございました。
投稿日:2015/03/27 11:34 ID:QA-0062018大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
出向者への出向先基準での転勤休暇付与は可能
転勤時の休暇は、会社都合に基づく転居等に伴う準備や移動に要する日数について、通常の有給休暇を消化しなくともよいように別途付与するものと言えます。出向元会社で転勤に関する規程がないのは転勤そのものが想定されない事業所展開であるからなのか、その背景・理由はわかりませんが、転勤のための休暇が付与されなければ、有給休暇を取得してもらうか欠勤扱いとするなど出向者に何らかの不利益が生じます。
そこでまず出向者についてですが、出向の場合、36協定の適用や懲戒権など出向先と出向者との間にも労働契約が部分的に存在すると解されていることも踏まえて、今回のケースは出向元会社に転勤の定めがないため、当該出向者を不利に扱わないという観点から御社の基準に基づいて転勤休暇を付与するという対応は問題にならないと考えます。ただし、今回の転勤は予め想定されていなかったものと思われますので、その取扱いは休暇に限らず出向元との間で協議し、合意しておくことは必要です。一方、派遣社員についてですが、労働者派遣法に基づく派遣社員としますと、その労働関係は派遣会社との間だけに存在するものですので派遣社員の処遇に関しても派遣会社の規程によることとなり、その結果、同じように御社の指揮命令下で勤務する人であっても、転勤にあたって処遇に差が生じることもありえます。
(出向者の有給休暇の付与基準が出向元の規程に従うことになっているのは、当該従業員にとって有利であるか否かだけでなく、次年度、ひいては出向終了後も有給休暇管理に継続性を持たせるという理由も大きいと考えます。したがって出向元に転勤に関する規程がない、出向契約に事前の取り決めがないという今回のような場合、一過性である転勤時の休暇を出向先基準で付与するということは次善の策として採用できるものでしょう)
投稿日:2015/03/27 14:41 ID:QA-0062023
相談者より
出向者と派遣社員の取り扱いの違いについてよく理解できました。
ご回答いただきましてありがとうございました。
投稿日:2015/04/10 08:10 ID:QA-0062125大変参考になった
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