私傷病休職中の社員の行動に対する処分について
何時も参考にさせて頂いております。ありがとうございます。
さて、当社社員がメンタルヘルス(病名:うつ病、自律神経失調症)に罹患し3ヶ月間(6月~9月)休職しておりました。その社員が休職中にとっていた行動をどう会社として判断し対応するか検討しています。先ずはその社員に関するこれまでの就業に関する経緯を端的にまとめますと、①もともとうつ病に罹っており、体調不良による休み明けの欠勤、連続5日以上の欠勤が突発的にあった。②産業医面談を定期的に行い、休職するようにも進めたが、主治医の所見は休むまでではないということで就業配慮しながら勤務していた。③3月より体調不良による欠勤が連綿と続き、産業医と会社の判断で休職を指示、それに基づき3ヶ月静養の診断書が提出され6月から休職した。④9月に休職期間終了とともに復職。⑤1年前に通勤配慮し会社徒歩10分の場所へ社宅転居を承認。⑥欠勤、休職中の給与は制度にて補填しており、9月より傷病手当金に切り替わるタイミングであった。と休職者本人に関する主な情報です。ここで問題となっているのは、本人が休職期間中に本人の趣味である釣りに関するブログを現在SNSの主流であるFace bookへ複数回掲載していました。その内容は、非常に元気で楽しそうな写真と釣行に関する専門的なコメントとなっており、実に充実した余暇を満喫していると伺えるというものでした。Face bookは実名入りのため、ユーザーであれば、当然本人を特定することが可能なため、休職者本人を知る当社社員がその書き込み発見してしまいました。その中で、9月の復職後、その情報が社内で流布してしまい、この事実は不謹慎かつ何らかの処分が必要という声が上がっております。休職者本人はローパフォーマー且つ高齢、それなりの職位であるため、社内的なバッシングは回避出来ない状況となっています。
そこで相談です。
Ⅰ.休職中の行動に対しプライベート(自己管理)という観点から処分(懲戒)は出来るものなのか?就業規則、懲戒規定においては明確な処分理由を見出し難いと考えております。
Ⅱ.仮に処分が無理ということであれば、本人へ厳重注意等、示達可能であるか?始末書の提出等、指導の範疇でのアクションが出来るか?
Ⅲ.SNSの影響度は大きく、社員周囲を落ち着かせるための良い収束方法はないのか?
といった現代社会特有の職場の規律についてご相談させて頂きたく存じます。
投稿日:2011/09/20 11:45 ID:QA-0046117
- たけやんさん
- 東京都/信販・クレジット・リース・消費者金融(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「 問題を根の元から断てるか 」
|※| 状況について、分り辛い点も多々ありますが、解雇を含めた処分には、休職期間満了における対処が最も重要なポイントになります。休職には、「 解雇の猶予 」 という性格があります。期間満了は、その猶予が終了し、就業規則への記載の有無に関わらず、退職になります。復職する場合には、休職開始時点と同様、、産業医の意見書に基づく会社決定が必要です。 .
|※| 実際は、このようにスンナリとは行きません。就業規則への休職、復職、退職に関する定めが不明瞭だったり、本人利益を重視した主治医診断書であったり、メンタル的疾病で、会社判断が困難であったりすることが主な原因です。ハレモノに触るような扱いも問題です。 .
|※| ご相談では、休職期間満了に伴う退職ではなく、本人の行動面から、懲戒処分を模索されておられるようですが、末梢部分だけの手先対処では、効果はなく、他の社員間の精神衛生上も、宜しくない雰囲気が醸成される一方のような気がします。 .
|※| 詳細な現況は分りませんので、いささか無理なことかも知れませんが、「 問題を根の元から断つ 」 ( 具体的には、退職 ) 方向に向けて、対応方針で、再検討されるのが賢明だと思います。さもないと、長期に亘って、「 喉に刺さった骨 」 化するのは避けられないと思います。
投稿日:2011/09/20 13:46 ID:QA-0046120
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2011/09/21 09:13 ID:QA-0046150大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
休職を命じた理由は何ですか?
■産業医と相談の上、休職を命じたのも、会社であり、復職を命じたのも会社のはずです。
休職を命じた理由は、「労務無不能」あるいは「労務不完全」ではないでしょうか?
特に精神的な病であれば、むしろ、趣味の釣りに関することは、リハビリとなるかもしれません。
▼周りと一緒になって仮病のごとく扱うのはどうかと思います。また、厳重注意するのは、騒いでいる周囲の社員の方ではないでしょうか?周囲の人間というのは無責任なもので、本人のいたみも気にせず、休んで、楽しそうに給料もらってるとしか考えていあにのではないでしょうか?
会社も周りに振り回されないこと、休職期間が長期に及ぶ場合には、最低月1回程度の報告や状況確認が必要でしょう。
以上
投稿日:2011/09/20 16:07 ID:QA-0046124
相談者より
ご回答ありがとうございました。
人事の役割としてどういった立ち位置で振舞うか大変難しい判断だと理解しました。
投稿日:2011/09/21 09:19 ID:QA-0046151大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
お答えします。
「休職中に、元気に趣味に打ち込むのは けしからん」というのは、メンタルヘルス不全でなくても、成り立たない理屈だと思います。
本人や、医師・家族から、「休職は会社が認めた。そして、復帰に向けて英気を養っているのである。それが、なぜいけないのか?」 と反論があったら、返答に窮するでしょう。会社として公式な処分は、懲戒規程の適用はもちろん、始末書の提出などについても行うべきでないと思います。する理由がありませんし、余計にもめるだけではないでしょうか。
今回の問題は、
・社内に、「休職者が元気でいるのは、オカシイ」「休んでおいて、楽しむのは不謹慎」といった、誤解・偏見があること。
・職位の高い人間が、そのような見方をする人が多い中で、SNSに書き込んだらどう思われるかくらい想像してもらいたかったが、それが出来ず、社内に波紋を呼んでいること。
だと思います。
前者については、時間がかかるでしょうが、正確な理解を折にふれて行っていくしかないでしょう。
後者については、トップや経営幹部などそれなりの方との面談をセットし、今回の社内の波紋、職位なりの自覚などについて、ある意味 叱責を含めてしっかりお話ししていただくようにする、ということではないかと思います。
投稿日:2011/09/20 17:47 ID:QA-0046129
プロフェッショナルからの回答
メンタルヘルス教育
まず社員の方々が「遊んでいる」と批判する気持ちはわかります。ただ、これを契機にメンタルヘルス教育を導入されてはいかがでしょうか。弊社がメンタルヘルスの管理職研修を展開する理由は、経営リスクの低減です。社員がメンタルヘルスの正しい知識を得、「なまけ病」とメンタルヘルス不全の違いを理解できることで、該当者からの訴訟リスク、最悪は自殺時の損害賠償リスクを減らすことが出来ます。そこまでエスカレーションしない場合も、そもそもの健康管理、企業の安全配慮義務の視点から、メンタルヘルス不全について知らしめるには良い機会かと思いました。該当社員が高位者ということであれば、その上長から釣りのことではなく、書き込みについて注意されてはいかがでしょうか。書き込みを持っての懲戒は限りなくリスキーで難しいと考えます。
投稿日:2011/09/20 22:49 ID:QA-0046144
相談者より
ご回答ありがとうございます。
研修は何度か実施しておりますが、マインドについては旧態依然としておりなかなか転換出来ないのが実情です。繰り返し情報提供、研修実施して行きたいと思います。
投稿日:2011/09/21 09:25 ID:QA-0046153大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、うつ病に関しましては専門医でも判断が難しくこの場で確定的な事は申し上げられない旨ご了承下さい。その上で申し上げますと、うつ病に関しましては、自宅では元気であっても出社すると調子が悪くなるといった事も現実に見られます。従いまして、休職期間中に釣りへ行ったりブログに記事を投稿したからといって仮病と断定することは出来ません。更にいえば、メンタル関連の疾病であるが故にそうした趣味を行う事で回復に繋がるといった側面もあるものと考えられます。休職中だからといって病気に支障が無いにも関わらず気晴らしも出来ないというのは、不合理な事といえるでしょう。まずはこうした点を御社社員にも十分説明されておくことが必要と存じ上げます。
従いまして、当事案につきましては、必ずしも不謹慎とは言いがたく、ましてこうした事情のみで懲戒や注意をするというのは行き過ぎではというのが私共の見解になります。但し、具体的な病状が分かりませんので、産業医共相談の上で具体的な対応は決められるべきといえます。
投稿日:2011/09/20 23:22 ID:QA-0046146
相談者より
ご回答ありがとうございました。産業医はリフレッシュを進めており、趣味への理解は示されると思います。当該本人へSNSを手控えるよう説明、周囲の社員へ理解を得られるよう啓蒙、の両方で進めたいと思います。
投稿日:2011/09/21 09:34 ID:QA-0046155大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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