自己破産・民事再生法適用者に伴なう住宅ローンの取扱いについて
当社では、従業員の持家促進のため、会社が「連帯保証人」となり、個人⇔各金融機関契約となる住宅融資制度を取り決めております。
この制度においては、従業員の費用・各種手続きを簡素化するため「抵当権」は設定せず、変わりに会社の債務保証のため「貸付保険」というものを従業員費用負担のもと加入いただきます。
この保険は、連帯保証人となった会社保全のためだけのものであり、仮に従業員が返済不能となった場合、連帯保証人である会社が金融機関にその残高を支払い、その後保険会社より、その支払分の補償を会社が受け、求償債権を保険会社に譲渡され、保険会社が従業員に請求することとなります。。
しかし、この保険は「雇用契約」が破棄されなければ効力は発揮されないものです。
このため、自己破産や個人民事再生法を執行した従業員が発生すれば以下の取扱いとなるのでしょうか?
1.自己破産した場合
①連帯債務者である会社が銀行より残高の請求を受ける②会社は銀行へ請求額(残高)を支払。③これを理由に解雇出来ないことから貸付保険の支払はない。
この際、会社は本人より残高分の支払を受けることは出来ませんか?会社から本人に請求するのは無理にしても本人から返したいとの希望があれば受取ってもよいか?
2.個人民事再生法を適用した場合。
①連帯債務者である会社が銀行より残高の請求を受ける②会社は銀行へ請求額(残高)を支払。③これを理由に解雇出来ないことから貸付保険の支払はない。
抵当権を設定していないため、住宅ローン特則は受けれないと思いますが、この場合は従業員の住居はどうなるのでしょうか?競売にかけられ他の債務と併せて返済することになるのでしょうか?また会社は従業員より何らかの支払を受けることはできますか?
投稿日:2010/10/01 15:12 ID:QA-0023211
- ヘルプデスクさん
- 香川県/その他業種(企業規模 1~5人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
債権の焦付きリスクは初めから分かっていた ?
.
■ 住宅資金貸付保険制度の導入時点で、ご質問のような状況が起きた場合、どのような手順を踏むことになるのかは、十二分に精査、確認されている筈です。殊に、抵当権は設定しない、雇用契約が破棄されなければ保険が有効にならないといった、《 丸裸に近い、与信リスクを抱えるシステム 》 の採用時には、十二分すぎる程の確認、注意をするのが常識です。本制度の運営責任部署が一番よくご存知の筈だと思います。
■ お断りしておきますが、回答者は、再生法に就いて特に詳しいわけではありませんので、以下、常識的に理解している点をランダムに列挙します。詳細については、個人破産・再生に関する専門弁護士、相談コーナーを活用して下さい。《 連帯保証 ⇒ 抵当権の設定なし ⇒ 個人破産 ⇒ 小規模個人再生法の適用 ⇒ 銀行への代理弁済 ⇒ 解雇不能 ⇒ 住宅資金貸付保険の請求不能 ( 債権の焦付き ) 》 と言う筋書きは、初めから読めているような気もしますが・・・。
■ 個人破産 ( 自己破産 ) であれ、個人民事再生法 ( 小規模個人再生、給与所得者等再生 ) であれ、その適用を受けることによって、自動的に雇用契約が破棄 ( 解雇 ) される訳ではないので、格別の定めがあっても、雇用契約の解消は容易ではないでしょう。まして、職を失わしめることは、給与所得者の生活再生支援の法的プログラムの足を引っ張る行為であるだけに尚更という気もします。
■ 一旦、法の管理下に入れば、債務の返済計画も法の定める再生手続きに沿って立てられ、実行されることになります。債権者は、債務者に対し、勝手に債権を主張することは出来ません。また、小規模個人再生の場合は、破産とは異なり、住宅資金貸付債権に関する特則の適用、つまり、住宅ローンが残っている自宅を競売にかけられなくて済むといった特徴があるので、居住し続けることはできるようです。
投稿日:2010/10/02 10:37 ID:QA-0023222
相談者より
川勝様
大変ありがとうございました。
予想していたご回答とはいえなんとも言えない状況です。
この制度はかなり前に作られた制度であり、もう一度導入当初の考え方・取扱い等を見直してみます。
投稿日:2010/10/07 15:57 ID:QA-0041352大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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