退職時の有給買取・他社就職
お世話になります。
ちょうど少し先に同様の質問がありましたが、
アドバイスをお願いします。
弊社の場合、有給は原則消化してから退職するということで、
有給の買取を断じて行っていません。
しかしながら、有給を使い切らず(10~30日程度残して)
辞めざるを得ない者もいます。
そのような退職者が、弊社に知らせず
他社ですでに勤務を始めた場合は認めざるを得ないようでしたが、
(先の同様の質問)
退職者が有休を買い取ってくれないなら、
有給期間中に他社で働き始めると申し出た場合、
どう対処したらよろしいでしょうか?
有給買取に応じるほうが円満とは思いますが、
弊社の体質からして有給は断じて買い取らないと経営層が言いそうです。
会社の許可なく在籍のまま他の企業体に就職した場合、
懲戒解雇とする旨就業規則に明記しておりますが、
結局懲戒解雇はできず、有給休暇中に他社就職を認めることになるのでしょうか?
これは管理職の場合でも同じでしょうか?
ご教示ください。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/09/03 14:34 ID:QA-0022684
- *****さん
- 兵庫県/販売・小売(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
有給休暇の買い取りと懲戒解雇
まず懲戒解雇ですが、会社の許可なく他社に働くと懲戒解雇とある規則は、憲法の職業選択の自由に反し、無効です。法令に違反する就業規則は労働法に限らず無効です。
次に有給休暇の消化の問題ですが、必ず消化することが慣例ということを会社は周知していたのでしょうか?
一種の内規なら、それは無効です。
相手方がどういう主張をしているか不明ですが、労基署経由の労働局斡旋、労働審判になれば、会社は買い取り相当額を支払う義務が生じるでしょう。
相手方と話し合い、買い取りはできないと伝え、相手が納得すればそれまでですし、買い取ってほしいとする場合は、紛争になれば会社が不利だと経営層に理解させるしかないです。
そして、今後の方策としては、買い取りはなくて完全に消化して転職することが原則であることを就業規則などに明記し、周知することです。
ただ、1か月も未消化期間を持つこと自体、職業選択の自由の趣旨に反する社内規定(または内規)で、社会通念には反するものと考えます。
投稿日:2010/09/03 15:13 ID:QA-0022685
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご認識の通り、年次有給休暇につきましては、在籍中に消化することが大原則です。
退職時未消化分の買取りというのは、労働者に有利になる事で例外的に認められているものであって、会社側に買取りを行う法的義務は存在しません。
従いまして、文面のような買取り要求を断られたからといって、在籍期間中に休暇でないにも関わらず出社せず他社で勤務を始めるということは許されませんし、そうした行為は当然ながら御社規定に基く制裁対象となりえます。
但し、在籍期間に年休を付与できるのであれば会社には付与する義務がございます。買取りは拒否できますが、退職日までに消化可能な日数分は全て付与しなければなりません。また退職日決定以前に当人が年休を全て消化後に退職希望すれば、たとえ業務繁忙等であっても必ず認めなければなりませんので注意が必要です。
尚、文面に「有給期間中に他社で働き始める」とございますが、この「有給期間」というのが「現に付与が認められた年休の期間」という意味であれば、その期間に他社で就労開始したとしましても年休自由利用の原則により制裁を科す事は出来ないものといえます。管理職でであっても同様になります。
投稿日:2010/09/03 23:07 ID:QA-0022700
相談者より
ご回答ありがとうございました。
最後の2段落(但し~、尚~)についてですが、
買取は拒否できることは理解しました。
退職日までに消化可能な日数分は全て付与しなければならないとありますが、
相手方が、会社が有休を買い取ってくれないなら、
残っている有給休暇をすべて取得できるよう退職日を申請してきた場合、
これを受理する必要がありますでしょうか?
となれば、結果的に、尚書き部分の年休自由利用の原則に当てはまることになるのでしょうか?
ご教示ください。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/09/06 09:28 ID:QA-0041122大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事頂き感謝しております。
再度御質問の件ですが、買取りが拒否できる以上、既に決まっている退職日の変更要求といった取引に応じる必要も当然ございません。年休希望であれば事前に請求すれば済む話です。
但し、本人に特別な事情があれば任意に買取りに応じることは可能ですので、法的義務がなくとも相談の上一部買取り等柔軟に対応することも考えてよいでしょう。この点につきましては御社自身で判断される事になります。
尚、年休の自由利用というのはあくまで実際に取得した年休日の活動内容が自由であるといった事です。従いまして、御質問の買取り要求の件とは関係ございません。
投稿日:2010/09/06 09:50 ID:QA-0022718
相談者より
早速のご返答誠にありがとうございます。
文章がまずく申し訳ありません。
まだ退職日が確定しているわけではなく、
有給の買取、残有給休暇の取得について交渉している段階のため、
交渉の結果を受けて、退職日を決めます。
したがって、有給休暇を買い取らなければ、
結果的に、残有給休暇をすべて取得後、退職する、
その有給休暇中に、他社就職を認めざるを得ないと
いうことになってしまうでしょうか?
ご教示ください。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/09/06 10:20 ID:QA-0041134大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
事情をご説明頂き有難うございます。
退職日が確定しておらず相談中であれば、請求された年休は全て付与した上でその後に退職させなければなりません。交渉というよりは請求があれば必ず付与しなければならない点に注意が必要です。その際、最初に回答差し上げました通り年休中に他社で就労開始することは当人の自由ですので、そこまで会社が干渉することは出来ないものといえます。
但し、その間に競合会社に就労し機密漏洩や顧客引抜等の重大な違反行為があれば、立証面を考えると困難の場合もあるでしょうが年休取得問題とは関係なくその行為自体に関し損害賠償を請求する事は可能です。
尚繰り返しになりますが、当人が実際の年休取得ではなく、早期に退職し年休未消化分の買取りを希望した場合には、会社はこれを拒否する事が出来ます。その場合は、先の回答で申し上げました通り事情を考慮して任意で買取りする事も可能ですが、そうでなく拒否される場合には、全ての年休を取得してから後に退職するか、または年休を一切取得することなく早期に退職するかどちらを選んでもらうことになります。
投稿日:2010/09/06 11:26 ID:QA-0022721
相談者より
早速の詳細なご回答、誠にありがとうございました。
十分内容を理解できましたので、
アドバイスを踏まえて、交渉にあたります。
誠にありがとうございました。
投稿日:2010/09/06 11:36 ID:QA-0041135大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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