給与
いつも大変お世話になっております。
給与を決める際に、見込み時間外手当をいれて月額を決めたいと思っているのですがどのような表記にするのが一番いいのでしょうか。
例えば、、、
給与○○○円(うち、○○○円は見込み時間外手当とする。)
①正確な時間設定をしなくても大丈夫なのか。
②何時間と設定し、それが時間×残業単価と=になってなくても大丈夫か。※金額が超えていることが原則。
③手当ての名称は見込み時間外。。。ではなくほかの名称でも大丈夫か。
④深夜も見込み時間外に入れたい場合はどのようにするのが良いか。
初歩的な質問で、申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
投稿日:2009/05/27 13:52 ID:QA-0016229
- *****さん
- 東京都/建築・土木・設計(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
まずご質問の件について回答させて頂きますと‥
①:時間外手当として認められる為には具体的に何時間分に相当するか明示しなければなりません。
②:イコールにならなくとも法定の割増賃金額を超えていれば問題ございません。
③:名称では無く内容が重要ですが、混乱を避ける為にも極力時間外手当相当と分かるような名称にすべきです。
④:時間外手当分と同様に、深夜労働の何時間分に相当するのかを明示し、法定の深夜労働割増賃金以上とする事が必要です。
ちなみに、こうした固定の割増賃金設定をされる場合、
・明示した時間を超える労働が発生した場合には超過分についての割増賃金を併せて支給しなければならないこと
・実際の残業時間に関わらず、毎月必ず支給しなければならないのでコスト増につながる事
・残業代を固定化することで、長時間労働の温床になりやすいこと
といったデメリットが発生しますので、特に明確な導入主旨や必要性が無ければ余りお勧めできません。
また、仮に現状支給されている月額賃金のうち基本給の一部を見込み時間外手当とされる場合には、基本給の減額という点で労働条件の不利益変更になりますので労使間で十分協議された上で合意の上見直しされる事が必要です。
投稿日:2009/05/27 14:52 ID:QA-0016231
相談者より
ありがとうございます。
弊社は建設業のため、他業種と比較すると労働時間が長くなってしまいます。
その辺を考慮し、会社の原資を考え見込みで手当てを付けようと考えています。
その際に、見込み時間外の時間数の上限というのはあるのでしょうか。
また、所定の残業と深夜残業を分けて2種類の手当てとするのは可能でしょうか。
投稿日:2009/05/27 15:13 ID:QA-0036357大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
手当設定は別枠が妥当
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
まず、手当の形式ですが、基本給に含むという形より、別枠で「みなし残業手当」(※もちろん別の名称でも可)というようにして支給するのが、趣旨が明確になり妥当です。
なお、みなし時間ですが、時間数を明確にした上で、その旨を就業規則に書いて置くほうがよりよいでしょうか、実務的に煩雑な面があります。
したがって、実際には給与等級別程度に何段階かの手当ランクを設けて支給する程度が妥当でしょう。
その上で、実残業時間がみなし手当額を超過した月には、下記計算式に基づく差額を上乗せ支給します。
差額=(法定の割増手当計算式に基づき、月間実残業時間に基づいて算出した残業手当総額)ーみなし残業手当額
このようにすれば、深夜や休日に関する処理も一律に行うことができます。
ご参考まで。
投稿日:2009/05/27 14:52 ID:QA-0016232
相談者より
回答ありがとうございます。
時間外手当の基礎になるのは定額で払われているものと考えればよろしいでしょうか。
基本給・役職手当・資格手当が見込み時間外以外に考えられるのですが
すべて残業単価を計算する上で含まれるものでしょうか。
投稿日:2009/05/27 15:45 ID:QA-0036358大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
Re:手当設定は別枠が妥当
ご返信、ありがとうございます。
除外対象となっている給与項目(※家族手当、通勤手当等)以外は、原則として全て計算基礎給に含める必要があります。
なお、「役職手当」ですが、この支給対象が管理職であれば、そもそもみなし残業手当の支給そのものが対象外ということになります。
ご参考まで。
投稿日:2009/05/27 15:49 ID:QA-0016236
相談者より
投稿日:2009/05/27 15:49 ID:QA-0036360大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
ご質問の件ですが、時間数について特に上限等はございませんが、労働時間短縮や深夜勤務の削減については業種に関わらず労働者の健康管理上十分に配慮されるべき課題といえますので、多くの時間数で設定する事は避けるべきです。
従いまして、明確な基準はないとはいえ最高でも1月で30時間程度までに抑えるべきというのが私共の見解になります。
また、時間外残業と深夜残業を分けて2種類の手当とする事に関しましては先の回答の要件を満たせば可能です。
但し繰り返しになりますが、固定残業代設定についてのデメリットを十分検討された上で、最初から導入ありきではなく慎重な対応をされる事をお勧めいたします。
投稿日:2009/05/27 16:43 ID:QA-0016237
相談者より
投稿日:2009/05/27 16:43 ID:QA-0036361大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
みなし労働時間設定上の留意点
■ いきなり、《見込み時間外手当をいれて月額を決める》といったご相談にお答えする前に、念のため、下記ポイントが抑えられているかどうかをご確認下さい。
◎ 労基法では、《みなし労働時間制》はあっても、《みなし残業》という制度はありません。《みなし労働時間制》を導入するに際しては、労使協定を締結する必要があり、みなし労働時間が法定労働時間を越える場合には労基署へ届け出なければなりません。
◎ 次に、留意を要するのは、「本制度は時間外労働コストに対する万能薬ではない」という点です。確かに、労働時間実績の把握が困難なものについては、○○時間相当の追加労働したものと看做すことができますが、これで実績把握義務が免責になるわけではなく、実績が看做し労働時間を超えた場合には、「みなし」に代えて実績に基づく時間外賃金の支給が必要です(処理は月単位)。逆に、実績が看做し労働時間を下回った場合には、差額の返還は請求できません。
◎ 万能薬どころか、実績把握義務、超過分支払、未達分請求不能など、真面目に導入するなら、結構面倒で、追加費用の発生はあっても、手間、費用両面において節減は期待できない代物です。制度として取り入れる場合は決して安易に間違った認識で導入するのではなく、十分に検討することが必要です。
■ 以上の諸点を踏まえて、質問にお答えします。
① みなし労働時間というのは、労働時間を算定するのに、元々《困難なもの》について所定労働時間勤務をしたと【みなす】ことを云う訳ですから、労使協議の上、合意できるものに限ります。
② 平均して労働時間が長い場合は、トラブルを防ぐ意味で、「通常必要とされる時間」を、① の通り決め、法定労働時間を越える部分については、労基法所定の割増率を適用することが必要です。
③ 色々な名称を使うことは違法ではありませんが、基本的には、時間外賃金であることがハッキリ分る名称以外は好ましくありません。
④ 上記 ① および ② においての検討時に、深夜時間帯が含まれる旨を合意、明記されればよいと思います。
投稿日:2009/05/27 20:10 ID:QA-0016239
相談者より
ありがとうございます。
ご指摘の通り、少々安易に考えていた部分がありました。
労使協定を結ぶ場合の内容はどのように進めればよろしいのでしょうか。
決められた書式のようなものはあるのでしょうか。
投稿日:2009/05/28 09:08 ID:QA-0036362大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
みなし労働時間設定上の留意点 P2
■当方では、みなし労働時間制度に関する労使協定の雛型は準備していませんが、当 『 日本の人事部 』 サイトの 《 書式・文例提供 》 の参照や、《 "みなし労働時間" "労使協定" "雛型" 》 などキーワードでのネット検索で、無料のヒント的なサンプルが見付かるかも知れません。
■このキーワードで、ネット検索したところ、それらしき文例はあるようですが、公的セクターのサービスではありませんので、引用は差控えたいと思います。Amazon などの書籍検索を試みてみるのも一案だと思います。労基署などは、行政サービスの一環として、この種の助言はやってくれないのでしょうかね。
投稿日:2009/05/28 10:50 ID:QA-0016243
相談者より
投稿日:2009/05/28 10:50 ID:QA-0036365大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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