社会保険加入週20時間勤務の正社員雇入れにつきまして
この度はお世話になります。
いつも大変参考にさせていただいております。
さて,来年2月に正社員を採用する予定です。
その際,本人と合意の上週20時間勤務で社会保険加入の正社員としたく思っております。
その場合,現在適用事業所となっておりますが,任意特定適用事業所の申し出を提出する必要がありますでしょうか。
また提出する場合は採用決定の前に事前に提出できるものなのでしょうか。それとも,いったんパート等で雇い入れてからあらためて同意を取ってから提出するのでしょうか。
勉強不足で申し訳ございません。
ご教示くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/11/06 11:04 ID:QA-0160267
- つばめさん
- 神奈川県/コンサルタント・シンクタンク(企業規模 1~5人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.前提整理:「任意特定適用事業所」とは
平成28年10月施行の短時間労働者の被用者保険適用拡大により、
社会保険(厚生年金・健康保険)は、原則として
「週所定労働時間20時間以上」であって
「所定要件を満たす事業所」に使用される者にも適用されます。
この「所定要件を満たす事業所」が2種類あります。
区分内容
(1) 強制適用事業所常時501人以上の被保険者がいる事業所(※2022年10月以降は101人以上→2024年10月以降は51人以上に拡大)
(2) 任意特定適用事業所上記人数要件を満たさないが、事業主と被保険者の双方の同意により、任意に適用を受ける事業所
2.現在「適用事業所」であるかどうかの確認
ご質問文の中で
「現在適用事業所となっておりますが」
とありますが、ここが重要な分岐です。
(1)ケース1:すでに「強制適用事業所」である場合
(=すでに厚生年金・健康保険の適用事業所番号がある)
この場合は、改めて「任意特定適用事業所」の申し出は不要です。
社会保険に加入できるかどうかは「個々の労働者の条件」で判断されます。
正社員で週20時間勤務であっても、
「被保険者資格取得届」を提出するだけでOKです。
(=通常の正社員と同じ扱い)
(2)ケース2:「強制適用事業所」ではなく、「任意特定適用事業所」への拡大を希望する場合
(例:従業員数が50人以下であり、現時点では週30時間以上の者のみが被保険者)
この場合は、**「任意特定適用事業所申出書」**を提出する必要があります。
3. 「任意特定適用事業所申出書」の提出時期
提出は「適用を開始しようとする月の前月まで」が原則です。
したがって、例えば来年2月採用で、2月から被保険者としたい場合は:
→ 令和7年1月中に「任意特定適用事業所申出書」を提出しておくのが理想です。
申出書は、事業主と被保険者の双方の同意が必要ですが、
採用予定者と内定段階で同意書面を取り交わして申出することが可能です。
(つまり、採用決定前に「予定者の同意書」を添付しての申出が可能です。)
4. 実務的手順(採用前からの流れ)
時期手続書類提出先採用前(1月中)任意特定適用事業所申出任意特定適用事業所申出書、事業主・被保険者の同意書年金事務所採用日(2月)資格取得届提出健保・厚年被保険者資格取得届同上
5. 実務上の留意点
週20時間勤務でも「雇用契約上の正社員」であることは問題ありません。
→ あくまで社会保険適用は「実働時間ベース」で判断されます。
雇用保険も原則加入対象(週20時間以上・31日以上の見込みあり)
任意特定適用事業所の申出は「事業所単位」で行うため、 その後入社する他の短時間労働者も社会保険加入対象になります。
6.まとめ
項目回答現在が「強制適用事業所」任意特定適用事業所の届出不要。通常の資格取得手続でOK強制適用外で、50人以下事業所など任意特定適用事業所申出が必要提出時期適用開始月の前月まで(2月採用なら1月中)同意書のタイミング採用予定者との事前同意でも可その後の流れ任意特定適用事業所承認後、資格取得届提出
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/11/06 14:40 ID:QA-0160293
相談者より
井上様,
早速の大変詳細なご回答をどうもありがとうございました。
ご教示の通りに進めてみたいと思います。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/11/07 10:18 ID:QA-0160315大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
任意特定適用事業所となるためには、以下の手続きが必要です。
1.従業員の同意: 社会保険に加入している従業員の過半数、または新たに加入対象となる従業員を含む過半数の同意を得る。
2.申出書の提出: 同意書とともに「健康保険・厚生年金保険 任意特定適用事業所申出書」を年金事務所に提出する。
3.資格取得届の提出: 適用された場合、該当する短時間労働者の資格取得届を提出する。
投稿日:2025/11/06 14:43 ID:QA-0160294
相談者より
小高様,
早速のご回答をどうもありがとうございました。
大変参考になりました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/11/07 10:18 ID:QA-0160316大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
短時間正社員は、一般のパートタイマーとは異なり、時間当たりの賃金等が
正社員と同等なら、所定労働時間の長さにかかわらず社会保険が適用されます。
厚生労働省は、短時間正社員について、労働時間とは別の基準を示しています。
具体的には、以下の3点を満たす場合、社会保険に加入することになります。
1)労働契約、就業規則、給与規程等に、短時間正社員に係る規定がある
2)期間の定めのない労働契約が締結されている
3)給与規程等における時間当たりの基本給・賞与・退職金等の算定方法等が
同一事業所に雇用されるフルタイム正社員と同等で、かつ就労実態も諸規程に
則している
労働契約や就業規則等の整備は当然として、労働時間に応じて賃金等が4分の3、
2分の1になるというルールが上記3)の条件に合致していれば社会保険は適用
されます。
よって、上記に該当するのであれば、任意特定適用事業所の申し出は不要です。
投稿日:2025/11/06 15:26 ID:QA-0160300
相談者より
米倉様,
早速のご回答をどうもありがとうございました。
大変助かりました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/11/07 10:19 ID:QA-0160317大変参考になった
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