昼休憩が取れない事への対応
いつも参考にさせて頂いています。ありがとうございます。
当社の従業員が、この日はご飯は食べたけど、仕事の話をしていたから休憩はなしだった(賃金が発生)と言うケースがあります。実際に当方もその場に居合わせ実際に仕事の話をしていたことは知っています。しかし食べ物の話をしたり、タバコを吸いに行ったり等もあり、当方としては休憩時間であったと認識しています。
休憩が取れなかった分、賃金が発生することは、労基法上認めなければならない部分と認識しています。
しかし、他の多くの従業員の方も同じ様な、まるまる1時間昼休憩が取れないシチュエーションが考えられます。私は20分しか取れなかった、私は45分しかとれなかったと言われると、管理も難しくなると懸念しています。
当社は昼休みは12時~1時間あり、昼休みにはタイムカードは押しません。
そうなると、主張した者だけ賃金が発生することになり、線引きが難しく感じます。
12時~13時以外のところで休憩が取れるのであれば、1時間は意識して取るようには声替えをしようと思いますが、他にどの様な管理をしたら、不公平感がなくなるのか、良い対応方法があれば教えて頂きたいです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/24 14:36 ID:QA-0159873
- デイさん
- 大分県/その他業種(企業規模 31~50人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
マネジメントの問題が大きいように思えます。
仮にお昼休憩に、仕事の指示をする際は、代わりの休憩時間を指示すること。
は必須であります。時間を指定しないような曖昧な指示はトラブルの元です。
また、管理者の統制が利かないのであれば、お昼時間帯は打合せ含め、
業務は行わないこと。やむを得ず行う場合は、事前に許可制にするなど、
原則、全社的にお昼休憩中は業務をしないことを社内周知することも有効です。
多くの場合、このようなケースが生じるのはマネジメント職が、部下の
タイムマネジメントが出来ていない(忙しくて出来ないを含む)ことが
起因しますので、マネジメントができない理由を確認の上、是正される
ことをお勧めいたします。
投稿日:2025/10/24 16:27 ID:QA-0159877
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。上長に具体的な指示をすることを周知いたします。
投稿日:2025/10/24 17:03 ID:QA-0159882参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.法的整理:休憩時間の定義と使用者の義務
労働基準法第34条では、
「労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には1時間の休憩を与えなければならない」
と規定されています。
そして休憩は、
(1)労働時間の途中に与えること
(2)一斉に与えること(例外あり)
(3)自由に利用させること
が原則です。
この「自由利用」がポイントで、
業務指示・相談・打合せ・来客応対などがあれば、休憩とは認められません(=その時間は労働時間)。
2.実務リスク:申告ベース管理の問題点
ご懸念の通り、
・「主張した人だけ賃金を払う」となると、
・管理職や一部社員の自己申告差が生まれる
・客観的証拠(タイムカード等)がないためトラブル化しやすい
・他の社員が「自分も取れていないのに…」と不公平感を感じる
といったリスクがあります。
また、労基署の臨検では「休憩時間を与えていた証拠(実態)」を問われます。
「就業規則で1時間と定めている」だけでは不十分で、実際に休憩できているか(使用者の管理責任)が重視されます。
3.公平性を保つ管理・対応策(実務的に有効な手法)
【A】「実休憩」記録のルール化
タイムカード打刻を昼休みにも義務化(「退勤→戻り」ではなく「休憩開始・終了」ボタン追加など)
または「勤務実績申告表」に「休憩実取得時間」欄を設ける
→ 「12:00〜12:50」「13:30〜13:40」といった形で自己記入
→ 月次で上長確認・労務管理側が集計
この方式なら、申告の整合性・傾向が可視化できます。
【B】「実休憩取れなかった報告」の条件整備
休憩が取れなかった日がある場合、「上司への報告+申請書」方式を取る
業務上の理由であれば、その時間を労働時間として扱い、賃金を支給
一方で、本人の自主判断(電話対応を断らなかったなど)によるものは原則休憩扱い
→ ここを明確に分けるルールを就業規則または社内通知で示すと、線引きが可能になります。
【C】「交代制・柔軟休憩」運用の導入
固定12:00〜13:00ではなく、「11:30〜14:00の間で1時間休憩可」とフレキシブルに運用
チーム内で交代制を導入し、誰もが確実に休憩を取れる仕組みを整える
→ 「この日は○○さんが電話当番、他の人は順次休憩」という形が最も実務的です。
【D】「休憩取得率モニタリング」
月次勤怠から「休憩未取得(1時間未満)」の人数・割合を可視化
一定割合以上の場合は上司へ注意喚起
→ これは労基署が推奨する“予防型労務管理”です。
「働きすぎ是正・過労リスク防止」の観点からも評価されます。
【E】「職場文化」へのアプローチ
特に中小企業では、「昼に話すのも仕事のうち」と無意識になりがち。
→ 明示的に「昼休みは仕事の話をしない・打合せは午前または午後に回す」とルール化。
どうしても昼に話す必要がある場合は、「業務時間として扱う」旨を社内通達で出しておくと明確です。
4.推奨対応のまとめ
課題→推奨対応
主張した人だけ賃金が出る不公平→実取得申告制+上長確認で統一
管理が煩雑→システム打刻 or 月次確認表で一元化
業務上取れないケース→「上司承認→労働時間扱い」を制度化
本人都合(電話対応など)→原則休憩扱い、本人責任を明確化
文化的要因→昼休み中の業務話・相談を原則禁止化
5.今後の文書整備例(雛形)
(就業規則 休憩時間の取扱い例)
会社は、労働基準法第34条に基づき、労働時間が8時間を超える場合には1時間の休憩を与える。
休憩時間は原則として12時から13時までとする。ただし、業務上の都合により他の時間帯に変更する場合がある。
使用者は、労働者が休憩を自由に利用できるよう配慮するものとし、業務上の指示その他により休憩を取得できなかった場合には、その時間を労働時間として取り扱う。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/24 16:32 ID:QA-0159879
相談者より
細かくご教示いただきたましてありがとうございます。
文化的要因の排除に努めます。
休憩中のタイムカードの使用もふくめて検討致します。
投稿日:2025/10/24 17:08 ID:QA-0159883大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
休憩時間中に業務指示をしたのであれば、勤務時間となります。勝手に仕事の話をしたので後付けで勤務というのは認められません。
これはモラルの問題なので、勤務時間や仕事への認識が不十分であることが想像できます。また上長がそうしたけじめをしっかりつけていないと、社員はルーズになり、最悪モラルハザードを呼びます。
職場規律、服務規律は会社の使命として徹底することを今井一度全社的に教育すべきかと思います。
投稿日:2025/10/24 17:50 ID:QA-0159887
相談者より
ありがとうございます。
おっしゃる通りだと思います。上長がしっかり伝えることで、モラルハザードとならないように管理して行かなければならないと感じました。
投稿日:2025/10/24 21:24 ID:QA-0159907大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、休憩時間に就労義務はございませんので、当人が勝手に業務に従事されても賃金支払をされる義務は通常生じないものといえます。
しかしながら、管理者が見られているにもかかわらず制止をせずに放置されますと、労働を黙認されたものと判断され賃金支払の対象となりえますので、注意が必要です。
これを機会に、休憩時間に会社の許可なく業務遂行をされる事は認められず、そのような場合に賃金の請求も出来ない旨全従業員に徹底周知される事をお勧めいたします。
投稿日:2025/10/24 18:56 ID:QA-0159893
相談者より
ありがとうございます。管理者が見ているのに静止しないという管理者の管理不足ということが、改めてよく分かりました。
休憩時間に勝手に業務をしないよう周知いたします。
投稿日:2025/10/24 21:26 ID:QA-0159909大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
休憩時間と労働時間との関係
以下、回答いたします。
(1)休憩時間と労働時間との関係については次のように理解されます。(「令和3年版 労働基準法 上」 厚生労働省労働基準局編)
※ 就業規則などで休憩時間と決められている時間は、労働から離れることが認められる時間であるので、通常は労働時間ではない。しかし、休憩時間と定められている時間でも、使用者が業務に従事するよう明示的に指示したり、使用者の黙示の指示により実際に作業に従事したような場合には、その時間は労働時間であり休憩時間とは言えない。このような場合には、当該時間が労働時間になるばかりではなく第三十四条違反の問題が生じる。
(参考)労働基準法第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(2)以上を踏まえれば、本件、例えば、予め、全社的に、繰り返し、1)休憩時間には業務に従事しない、2)業務に従事せざるを得ない場合には上司に引き継ぐよう明示的に指示を出すなどの対応が必要であると認識されます。
投稿日:2025/10/24 21:16 ID:QA-0159904
相談者より
ご回答ありがとうございます。
繰り返し、また上司に引き継ぐように明示するということで畏まりました。
投稿日:2025/10/27 12:27 ID:QA-0159947大変参考になった
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